目標は2年後のプロテスト合格。けがを乗り越えゴルフに打ち込む
広島県のアスリート、女子アマゴルフの寺岡鈴音(りおん)選手(並木学院福山高校1年)は、2年後のプロテスト合格に向け、その毎日をゴルフのために捧げています。夢は、同じくプロをめざす妹の寺岡虹選手と大会で優勝争いをすること。地元の方たちの応援にも支えられながら、今日もクラブを握り、練習に取り組んでいます。、
心置きなくゴルフに打ち込める環境に
寺岡選手がゴルフをはじめたのは、ゴルフが大好きな父の影響でした。小学校入学前から父に連れられ、2歳下の妹とともにゴルフ練習場に通っていました。その後、小学6年のときに福山市内の練習場のコーチの指導を、週1回受けるようになります。すると、「練習した分だけスコアが良くなり、うまくなっていくのがわかりました」。努力が数字に現れるゴルフに、夢中になっていきました。
中学1年の夏、県高校・中学ゴルフ選手権夏季大会(中学女子の部)で見事優勝。県の強化指定選手にも選ばれ、その頭角を現わします。ところがその後、学校の授業で倒立をした際に転倒し、腰を痛めてしまいました。
痛みがなかなか引かず、腰に負担がかかる練習ができなくなり、「パターなど振らずにできる練習をしていた」と言います。ようやく回復したのが1年後。しかし今度は、トレーニング中にジャンプして着地したときに、右ひじを強く打って骨にひびが入ってしまい、再び通院の日々が続きました。
その後、寺岡選手が本格的に練習することができるまでに回復したのは、2024年に入ってから。それでも9月には、中国地方の高校・中学ゴルフ選手権新人戦で2位、12月には中国中学校選手権で3位に入るなど、徐々に実績を積んでいきます。
25年には通信制の高校に進学。心置きなくゴルフに打ち込める環境も整い、本格的にプロになるための準備がはじまりました。これまでと比べて、「試合にもいっぱい出て、経験もいっぱいできているし、飛距離も少し伸びた」と寺岡選手。体のほうもまったく問題ないレベルにまで復活したそうです。「週に1度、理学療法士の先生に下半身を中心にみてもらっている」そうで、けがをしないための体づくり、自身のケアにも気を配るようになりました。
「練習した分だけスコアが良くなる」ゴルフの醍醐味
寺岡選手は、「粘って耐えるのが自分のゴルフ」と分析します。ただし、「最近はアイアンのショットの精度があまり良くなくて、パーオン率が悪いのが課題」だそう。そのためにも「いまはハーフショットメインで練習しています」
パーオン率とは、1ラウンド中にパーオンした割合のこと。この数字が悪いと、飛距離よりも精度で勝負する「粘りのゴルフ」はなかなか難しい。ただ寺岡選手にとっては、そうした課題を克服していくことも、ゴルフの楽しさにつながっています。
「課題をどんどん克服していって、試合で良いショットが打てたときには、(ゴルフを)やってよかったなって思います」
「練習した分だけスコアが良くなる」。けがによるブランクを経てもなお、寺岡選手がゴルフに打ち込むことができるのは、この小学生のときに感じたゴルフの醍醐味を、改めて実感しているからかもしれません。
「予選を勝ち抜き、日本ジュニア(選手権)に行きたい。そして本選ではトップ10に入れるよう頑張りたい。そのためにも、ショットの精度をいまより上げて、バーディチャンスにはしっかり決められるように頑張りたいです」
寺岡選手はしっかり目標を見据えています。
将来は姉妹で優勝争いができる選手に
寺岡選手は地元府中名物の「府中焼き」が大好き。豚バラ肉ではなくひき肉を使うのが特徴のお好み焼きです。
「麺はそばではなくうどんが好きで、ソースはカープソース。『ダブル』もいけます」
22年に設立された、ゴルフに打ち込む寺岡姉妹を応援する後援会は、2人にとって大きな支えになっています。
「思うようなゴルフができずに落ち込んでいるとき、地元の方々からたくさんの励ましの言葉をもらいました」
後援会の人に薦められ、自分の頑張る姿で地域に貢献できる明治安田「地元アスリート応援プログラム」に応募したのも、地元に少しでも恩返ししたいと思ったのがきっかけでした。
姉妹の将来の目標は、双子姉妹でプロの岩井明愛(あきえ)選手と千怜(ちさと)選手です。
「ジュニアの選手にも優しく気遣ってくれる。将来、私たちも姉妹で優勝争いができるような選手になりたいです」
その夢は一歩ずつ実現へと近づいています。
(編集:4years.)