



新型コロナウイルスの感染拡大によって、働き方がすっかり様変わりしたという人も多いだろう。自宅や外出先から商談や作業を進めたり、同僚や顧客とオンラインで気軽にコミュニケーションをしたりするなど、ビジネス環境は10年前と比べて隔世の感がある。
今や、ワークスタイルとITは密接な関係にある。働き方の変化はITの発展を促し、ITの進化は働き方を変えてきた。双方の進化に関わり、ヒトとITをつなぐ存在が、ビジネスに不可欠のツールであるマイクロソフトの「Office」だ。

Word、Excel、PowerPointといったアプリで業務を支える Office も、2010年からの10年間で着実に進化を続けている。最もインパクトのある進化が、サブスクリプション(定額制)で提供されるクラウド版 Office「Microsoft 365 Apps」(旧称: Office 365 ProPlus )の登場と言えよう。
「Microsoft 365 Apps」は、永続ライセンス版のオンプレミス版 Office と比較して、機能が継続的に追加されていくのが特徴だ。2019年度の1年間だけで120を超える新機能が追加され、既存の機能も強化されている。「私たちのビジネスや働き方が変わり、時代に求められる機能を追加することで進化してきたアプリケーションです」と Office の担当者は説明する。
2010年当時は最新版の Office だった「Office 2010」は、今年10月に延長サポートが終了する。そこで、この10年間のワークスタイルの変化を4つのポイントで振り返り、さらに Office の最新版に至る進化をひも解く。

アウトプットの質を大きく左右するのが、同僚らとのコラボレーションや共同作業だ。多くのアイデアをブラッシュアップすることで、質の向上を期待できる。
クラウドサービスである「Microsoft 365 Apps」は、Word、Excel、PowerPointファイルのリアルタイム共同編集が可能。共有のファイルへ複数人が同時並行で作業を行えるので、ファイルの受け渡しによる混乱や相手の作業が終わるのを待つといったムダな時間がなくなり、これまでと比べて生産性が格段に上がった。
更新したデータはリアルタイムに反映されるので、確認したい箇所があればコメントを追加し編集相手とコミュニケーションをとることが可能。さらに「Microsoft 365 Apps」は、チャットやビデオ会議が可能な「Teams」との連携で、より円滑なコミュニケーションを進められる。


2010年は、国内でスマートフォンの普及が本格的に始まった時期でもある。当時のスマートフォンの1世帯当たりの保有率は9.7%(総務省「通信利用動向調査」)に過ぎず、ビジネスで携帯端末をバリバリ使うという人はほとんどいなかっただろう。
スマートフォンやタブレットの性能向上に伴い、WordやExcelなどの Office アプリも、モバイルに最適化して進化を続けている。今や Office は、いつでもどこでも、自分がその時に持っている端末で利用できる、より身近な存在となった。通勤中にスマホでファイルを確認したり、顧客との商談中にタブレットで文書を修正することは、当たり前になりつつある。
「Microsoft 365 Apps」は、1つのライセンスでユーザーあたり計15台の端末(パソコン5台、タブレット5台、スマホ5台)が Office アプリを利用できる(永続ライセンス版の Office はメインPC1台と持ち運び用PCの計2台)。余裕を持ってリモートワークに臨め、端末の買い替え時もスムーズに移行できそうだ。


セキュリティ上の脅威は、常に猛威を振るっている。
従来のオンプレミス型のサービスでは、セキュリティ対策が取られた更新プログラムをユーザーがインストールしていた。だが、更新を適用するまでの間に脅威にさらされたり、ユーザーが更新を怠ってしまうリスクがあった。
「Microsoft 365 Apps」は、クラウドサービスのため、常に最新セキュリティ環境での利用が可能。フィッシング詐欺やランサムウェアなどの継続的に発生しているセキュリティ脅威からプロアクティブに保護してくれる。
リリースから10年経った今でも「Office 2010」において深刻度の高い脆弱性が発見されているが、サポート終了後は脆弱性への対応が期待できないため、さらなる危険にさらされる。脆弱性を悪用した攻撃により、情報漏洩やウイルス感染等の被害につながる可能性があるため、サポート期間内の製品を使用して常に最新のセキュリティ環境で使用することはビジネス継続の観点からも重要だ。


デジタル環境の整備やペーパーレス化に伴い、あらゆる業種において業務の電子化が進んでいる。さまざまな文書がデータ化され、業務に関連した情報量は増える一方だ。
アナログの時代と同じように、膨大なデータを人間の力だけで処理していたのでは、追いつかなくなるのは当然だ。自動化の技術やAIの力を借りることによって、時間のかかる作業は効率化していきたい。「Microsoft 365 Apps」は、AI自体が日々学習を重ねることで進化しており、データを扱う負担を軽減できる。
たとえば、Excelのインテリジェント機能を使えば、データのおおよその傾向を自動的に分析し、グラフで視覚化してくれるので、データの分析を効率化できる。PowerPointでは、スライド資料のデザインを複数提案してくれるので、デザインに費やす時間を減らして内容に集中しやすくなる。翻訳機能も60を超える言語に対応しており、ワンクリックで翻訳が可能だ。


リモートワークが進む中、マイクロソフトの Office は、「Microsoft 365 Apps」が主流で、今後もオンプレミス版からの移行が進むとみられる。クラウドが選ばれている理由は、オンプレミス版にない共同編集やAIを活用した機能が使え、常に最新のセキュリティと生産性を提供している点が大きい。
発売時から告知されていた通り、今年10月13日には、「Office 2010」が延長サポートを終了する(Exchange Onlineなど Office 365サービスへの接続サポートも終了)。いきなり使えなくなるわけではないが、セキュリティ更新プログラムや技術サポートの提供を受けられず、ウイルス感染などのリスクを抱える。さらに、生産性が低いままの製品の使用は、ビジネスの停滞にもつながりかねない。最新のサービスへの移行が望ましいだろう。
次の Office の選択肢としては、「Microsoft 365 Apps」がベストと言える。クラウドサービスのため、ネットに接続できる利用環境が必要となる。ネットに接続できない環境で使わなければならない場合には、最新のオンプレミス版である「Office 2019」への移行という選択肢もある。
企業ユーザーの場合、最新版の Office への移行は、業務に支障をきたさぬよう計画的に行う必要がある。その手続きをサポートするのが、FastTrackのサービスだ。「Microsoft 365 Apps」 など対象のサブスクリプションで150ライセンス以上購入した場合、無償での導入支援の対象となり、マイクロソフトの専門エンジニアまたは認定パートナーからリモートでアドバイスが受けられる。
また、「Microsoft 365 Apps」に移行した際に、アプリケーションの互換性に問題があった場合には、App Assure による問題解決のための支援を無償で受けられる。こちらも150ライセンス以上の購入が対象。「Office 2010」から「Microsoft 365 Apps」に移行した際の互換性は99%以上とされるが、ビジネスの万全を期すうえで安心材料と言えるサービスだ。


Office は、常に最新の機能で顧客のニーズや働き方の変化に対応し、ビジネスにおけるアウトプットの拡大や電子化などに貢献してきた。これは、マイクロソフトが掲げる「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というミッションにも共通している。
日本マイクロソフトは東日本大震災があった2011年から、本格的にテレワークを導入。その有効性をいち早く検証していたという。かつて米国の本社とミーティングを行う際には、早朝や深夜に勤務していたが、Teamsの導入によって、レコーディングが可能になった。「後で質問があればTeamsのチャットを使い、コミュニケーションが一方通行になることはない。リアルタイムに参加するプレッシャーから解放されました」と担当者は話す。
私たちの働き方は、たしかに変わった。これからも、変わり続ける。変化に柔軟に適応するには、アクションを起こすことが大切だ。「Microsoft 365 Apps」という選択肢は、自社のビジネスがこれからも進化し続けるための、大きな推進力となるだろう。