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草刈民代さん
July.2023
Vol.214
ダンサーの身体を通して紡がれる
言葉を感じてもらえたら
芸術監督・俳優草刈民代さん

20世紀以降のバレエ芸術の進化と発展に多大な影響を与えた世界的振付家のローラン・プティ。
1996年、牧阿佐美バレヱ団の公演で「アルルの女」を踊った草刈民代さんは、バレエ人生においてもその後の活躍においても「表現者としての私を作ってくれた先生」だと仰ぐ。
本公演は、来年生誕100年を迎えるプティへのオマージュだ。

バレエと若手ダンサーの新たな魅力を引き出す

7月29日(土)、富山市のオーバード・ホール 中ホールのこけら落とし公演として、31日(月)には新宿文化センター大ホール(東京)で、ローラン・プティ HOMAGE「INFINITY PREMIUM BALLET GALA 2023」公演が開催される。芸術監督を務めるのは、プティと縁が深く、バレエダンサー、そしてアーティストとして彼の信頼を得て多くの作品を踊り、プロデュースなどにも携わってきた草刈民代さんだ。

「今回の公演には、海外で活躍する日本人ダンサーを中心に声をかけました。第1部では、ジョージ・バランシン、ジョゼ・マルティネスさんなどの作品を含む古典やネオクラシックからダンサーそれぞれが得意とし、個性が生かせる作品を選んでいます。そして第2部は、5本のプティ作品とプティがパリ・オペラ座時代に師事したセルジュ・リファールの作品、中村恩恵さんが提供してくださった作品で構成し、11人のダンサー全員が新たなレパートリーに挑みます。公演を通して、現役のダンサーたちにはこれまでに知らなかった境地を切り開いてほしいですし、観(み)に来てくださるお客様には『日本のバレエは今こんなに素晴らしいんだ』と感じてほしいと思っています」

本公演では、振付指導にルイジ・ボニーノさんを迎え、4作品の衣装をファッションデザイナーの丸山敬太さんが手掛けるなど、バレエという舞台芸術を様々な視点から楽しめる。

「ルイジは、私にとって憧れのダンサーでもありました。シンプルながら感情や心の揺れまで伝わってくるようなプティの振り付けを演じるように踊るルイジに衝撃を受けたのを覚えています。ルイジに直接指導を受けるダンサーたちが、さらに表現を磨いていくことは間違いありません。私自身もバレエの世界を引退した後、俳優としての活動を通して学んだ、演劇的な表現や言葉を伝える経験を指導に生かせるのではないかと考えています。稽古を通してルイジとともに、ダンサーたちの新たな一面を引き出していくことは、私の大きな喜びでもあります」

踊りの可能性を広げたプティの存在と魅力

草刈さんが初めてプティ作品を踊ったのは、1996年、牧阿佐美バレヱ団で上演された「アルルの女」であり、それは日本のバレエ団による初めてのプティ作品の上演でもあった。

「それまでも、プティ作品には憧れはありました。しかし、日本人に踊れるレパートリーではないと思っていたんです。だから、『若者と死』の死神の役を、プティから直接抜擢(ばってき)してもらった時は本当にうれしくて。死神を演じたことは、バレエダンサーとしてのその後の人生を大きく変えた、貴重な体験でした」

その後、引退までプティ作品は草刈さんにとって「最も踊ってきた作品」となり、公演のプロデュースも手掛けてきた。

「それまで、海外のスターダンサーが自身で公演をプロデュースするということはありましたが、日本ではバレエダンサーが自分でプロデュースして踊るということはあまりなかったんです。踊り手としてだけではなく、公演を作り上げるという道を切り開くことができたのもプティとの出会いがあったからこそ。彼の作品を心身で理解し、成り切ろうと必死にレッスンしてきたことが尊い経験であったと時が経つほどに感じるようになり、その価値を若いダンサーたちに伝えることができればと考えています」

ダンサーたちが音楽に合わせて身体表現によって物語を紡いでいく総合芸術としてのバレエ。中でもプティの作品は詩的で文学性に富んでいるという。夏の一夜、可能性に満ちたダンサーたちの身体が織りなすプティの物語、その世界にどっぷりと浸りたい。

「ローラン・プティ HOMAGE『INFINITY PREMIUM BALLET GALA 2023』」

富山公演
〈日時〉7月29日(土)13:00開演(12:30開場)、17:00開演(16:30開場)
〈会場〉オーバード・ホール 中ホール(富山市)
〈お問い合わせ〉公演オフィシャルサイト https://www.aubade.or.jp/new_event/mid_hall/infinity2023/
・チケットについて 076-445-5511(10:00~18:00/定休日:月)
・公演について 076-445-5610(平日8:30~17:15)

東京公演
〈日時〉7月31日(月)19:00開演(18:00開場)
〈会場〉新宿文化センター 大ホール(東京都新宿区)
〈お問い合わせ〉DISK GARAGE http://www.diskgarage.com/
〈芸術監督〉草刈民代〈振付指導〉ルイジ・ボニーノ〈振付〉中村恩恵〈衣装〉丸山敬太〈出演〉加治屋百合子(ヒューストン・バレエ)、石原古都(カナダナショナルバレエ)、佐々晴香(ノルウェー国立バレエ団)、秋山瑛(東京バレエ団)、大谷遥陽(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)、木本全優(ウィーン国立バレエ団)、江部直哉(カナダナショナルバレエ)、ハリソン・ジェイムス(カナダナショナルバレエ)、玉川貴博(元東京バレエ団)、三森健太朗(スウェーデン王立バレエ)、吉山シャール ルイ(チューリヒ・バレエ)

※出演者は変更になることがあります。
※現在、INFINITY公演の最新リハーサル風景を公演特設インスタグラムで連日公開中です。

Official Site Official Instagram

Profile

草刈民代さん

7歳でバレエを始め、1981年より牧阿佐美バレヱ団に参加。96年の映画『Shall we ダンス?』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、新人俳優賞を受賞。99年、ローラン・プティ氏の「若者と死」の死神役に抜擢される。2009年、プロデュース公演「エスプリ〜ローラン・プティの世界」でバレエダンサーを引退。引退後は俳優として映画、ドラマで活躍。22年、「キエフ・バレエ支援チャリティー BALLET GALA in TOKYO」の芸術監督を務める。

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