聞き上手、引き出し上手で知られる笑福亭鶴瓶さんと阿川佐和子さんの2人が自分たちよりも年上のゲストを迎えるトークバラエティー。「鶴瓶ちゃんとサワコちゃん 〜昭和の大先輩とおかしな2人〜」。番組では毎回、大御所たちの驚きのエピソードが語られる。昭和の大先輩たちのパワーの源は、どこにあるのか──。いま、改めて注目されている昭和の熱に迫った。
ゲストと自由に話題を転がしていく楽しさ
BS12で2023年秋にスタートした「鶴瓶ちゃんとサワコちゃん 〜昭和の大先輩とおかしな2人〜」は、芸歴50年超の笑福亭鶴瓶さんと芸歴40年超の阿川佐和子さんがMCを務めるトークバラエティー。番組のゲストは、2人のことを「鶴瓶ちゃん」「サワコちゃん」と呼ぶような昭和の大先輩たちだ。鶴瓶さんとのダブルMCのオファーに阿川さんは「断る理由はない、やらないわけにはいかない」と思って引き受けたと言う。
「以前、鶴瓶さんにゲストに来ていただいた番組で、私は鶴瓶さんの一言に救われたことがあり、今でもご恩に感じています。ある局の番組だったのですが、番組中に制作サイドからの要望が多く、私は次第に不機嫌になっていました。そんな私を、鶴瓶さんはゲストでありながら『トークはナマモノやから』となだめて下さったんです。『トークはナマモノ』という言葉が、当時の私の中でストンと腹落ちし、今でもそのことを大切にしています。以前からお互いの番組にお呼びしたり、呼んでいただいたりとお付き合いはありましたが、一緒に番組のMCをするのは初めて。全面的に鶴瓶さんを信じて楽しもうと思いました」
番組の大まかな構成は決まっているものの、本番組では初回の収録から「ほとんど無視状態」だったと笑う。
「百戦錬磨の鶴瓶さんと、レジェンドのようなゲストの方々。自然に会話が流れ、どう脱線しても面白いんです。鶴瓶さんとは、事前に打ち合わせをしなくても阿吽(あうん)の呼吸があります。予定調和がなく、自由に会話を転がしながら好奇心に任せ、その場で生まれるリアルな空気感を、番組を見ている方にもお届けできたらうれしいですね」
毎年景色が変わり進化し続けた時代
昭和20(1945)年の春頃から、日本各地では空襲によって戦争の被害が拡大し、東京も焼け野原と化した。米軍が沖縄本島に上陸し、8月には広島、長崎に原子爆弾が投下され、同15日に終戦を迎える。遠い過去の歴史ではなく、現在80代、90代の方々は、その時代をリアルに体験している世代だ。
昭和28(1953)年生まれの阿川さんは、「戦争が終わった昭和20年から、昭和30年までの10年は1年ごとに日本の経済状況も、見える景色も文化もみるみる変わっていったはずだ」と推測する。
「海外の文化を積極的に取り入れ、新たなカッコよさを自分たちのものにしていったのも、今の80代、90代の人たちだったのではないでしょうか。ロックを聴き、ジーンズをはいたのも、この世代ですし、ファッション、デザイン、コマーシャルなどのジャンルを職業として確立させ、新たな日本の文化を作ってきたのも昭和世代と言えるかもしれません」
日本全体が戦争からの復興という一つの目標に向かっていた時代は「貧しかったけれど夢があった」と言う。
「現在のように、様々な情報にあふれ、知りたいことがすぐにわかるという時代ではありません。『パリって素敵そう、住んでみたい。じゃあ行っちゃおう』『スパゲティって何? 食べたい!』という夢を持って、若い人たちが海外に行き、新たな文化を持ち帰ってきました。今よりも、新しく何かを作り出すエネルギーにあふれていた気がします。大人もおおらかで、若者の『だってやりたいんだもん』という思いを『じゃあ、やってみれば』と見守ってくれていました。何でも、『上の確認を』『クライアントのチェックが』となる現代は、仕方ないかもしれませんが、少し窮屈ですよね」
おおらかで新たな日本を作り上げたエネルギッシュな時代。そこを生きてきた大先輩たちの人生を、鶴瓶さんと阿川さんがひも解いていく──。番組が面白くないはずはない。
「鶴瓶ちゃんとサワコちゃん 〜昭和の大先輩とおかしな2人〜」

芸能界でも大御所クラスの笑福亭鶴瓶と阿川佐和子。芸能界随一の聞き上手で引き出し上手な2人がMCとなり、彼らを「鶴瓶ちゃん」「サワコちゃん」と呼ぶような昭和の大先輩を毎回ゲストに迎えるトークバラエティー。ほかでは見せないゲストの素顔にとことん迫る。次回1月22日(月)のゲストは養老孟司。
〈放送日〉BS12で月曜日 夜9:00〜放送中
■お問い合わせ ワールド・ハイビジョン・チャンネル株式会社 カスタマーセンター
TEL.03-5468-2122(10:00〜18:00、土・日・祝日を除く)
Profile

阿川佐和子さん
1953年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学文学部卒業。執筆を中心にインタビュー、テレビなどで幅広く活動している。99年『ああ言えばこう食う』(檀ふみとの共著)で第15回講談社エッセイ賞、2000年『ウメ子』で第15回坪田譲治文学賞、08年『婚約のあとで』で第15回島清恋愛文学賞を受賞。近著に『話す力 心をつかむ44のヒント』(文春新書)など。

