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松任谷正隆さん
May.2024
Vol.224
番組へのオファーは夢かと思うくらい
人生においてうれしい出来事だった
作編曲家、音楽プロデューサー松任谷正隆さん

プロポーション、機能、走り、乗り心地──。車に求められるものは時代によって変化し、人それぞれだろう。そんな車の魅力を詰め込み伝え続けてきたBS朝日の「カーグラフィックTV」は、今年、番組スタートから40周年を迎える。車好きとしても知られ、番組初期からMCを務める松任谷正隆さんに番組への思いや車への愛について聞いた。

好きと憧れが何十年も仕事として続く幸せ

美しい映像と音楽によって、見る人を引きつけ、まるで車に息が吹き込まれたかのような躍動感あふれるオープニングが印象的な「カーグラフィックTV」。1984年に地上波のテレビ朝日でスタートした同番組のオープニング曲を手がけ、番組初期からメインMCを務めてきた松任谷正隆さんは、番組の特徴、魅力について「カメラワークの工夫と洗練された音楽のチョイス、音響効果によるリリカルな映像美は、車に命があるように見えるこの番組ならではのマジックなのでは」と分析する。

10代から雑誌『カーグラフィック』を愛読していた松任谷さんは、「『カーグラフィックTV』のMCのオファーをもらった時は、夢かと思ったくらい。人生においてうれしかったことのトップに入る出来事でした」と当時を振り返る。

「僕が生まれた50年代は、まだマイカーが当たり前ではない時代。生まれた年代の特徴かもしれないけれど、僕らの年代で、車が好きじゃないという人はいないんじゃないかな。ずっと憧れて、好きだった車の番組に携われていることは、この上ない幸せ。好きなことに関わっている時間は、仕事とも思っていないですね」

40周年のアニバーサリーイヤーを迎える番組では、松任谷さんが手がけるオープニング曲を一新し、アニバーサリー企画として月に1度、ゲストを迎えて車トークで盛り上がる。

「ゲストとのトークにおいて、車はトピックスの一つに過ぎませんが、好きなものの前では、人は素の顔を見せ、正直になるような気がしています。普段その人がテレビなどで見せない部分を引き出せたらいいなと思っています。毎回盛り上がるので、30分じゃもったいないなと感じています」

好きと憧れが何十年も仕事として続く幸せ

一台一台に忘れられないエピソードが存在する

松任谷さんが初めて車を運転したのは、16歳の時。免許を取ってすぐに当時渋谷の道玄坂にあったレンタカー店へ行き、軽自動車を借りて家族を乗せて高尾山までドライブした。

「今考えると、借りた車は調整がうまくできていなかったような気がします。直線の道で蛇行していましたから。初めて走る道で、左折レーンがわからなかったり、後ろの車からクラクションを鳴らされたり、怖い思いをたくさんしましたね。疲れて自分ではレンタカーを返却することができず、両親と弟からは、二度と乗りたくないと言われたような記憶があります」

自分の車を最初に持ったのは、大学生の頃。当時付き合っていた彼女の父親がカーディーラーに勤めていて、そのメーカーの車を購入。「購入した後、すぐに別れちゃいましたけどね」と笑う。

「妻とのエピソードもたくさんあるんですよ。僕が初めてドイツ車を購入した際、僕の貯金では足りなかった分を、結婚前だった妻が出してくれました。冬、長野にドライブに行って雪が降り出し、早く峠を越えないとまずいことになるなという状況になった際、チェーンを装着するのを手伝ってくれたこともありました。絶対にそんなことを手伝ったりしない人だと思っていたけれど、人は生きるか死ぬかになると、意外な一面を見せるものなんだなと驚いたことを鮮明に覚えています」

これまで乗ってきたどんな車にも、忘れられない出会いとエピソードがあると語る車愛にあふれる松任谷さん。番組の次の10年に向けても「まだまだできることと、やりたいことがたくさんある」と意気込む。「カーグラフィックTV」は、進化し続ける車をどんな風に見せ、どんな魅力を伝えてくれるのか。40周年のアニバーサリー企画とともに、番組のこれからに期待が高まる。

BS朝日「カーグラフィックTV」

BS朝日「カーグラフィックTV」

1984年10月にテレビ朝日でスタートしたBS朝日の自動車情報番組「カーグラフィックTV」。今年40周年を迎え、月に1回放送しているアニバーサリー企画では、車を愛する各界の有名人をゲストに迎え、その愛車を紹介しながら、MCの松任谷正隆さんと車にまつわるトークに花を咲かせている。5月23日(木)は人気お笑いコンビ・ジャルジャルの後藤淳平さんがシトロエンエグザンティアを披露。
〈放送時間〉毎週木曜 夜11:00~11:30

公式サイト

Profile

松任谷正隆さん

松任谷正隆さん

1951年、東京都生まれ。4歳からクラシックピアノを始め、14歳の頃にバンド活動を始める。20歳の頃プロのスタジオプレイヤー活動を開始し、バンド「キャラメル・ママ」、「ティン・パン・アレイ」を経て、多くのセッションに参加。その後、アレンジャー、プロデューサーとして松任谷由実、松田聖子、ゆず、いきものがかりなどのアーティストの作品に携わる。2021年バンドSKYEを結成。同年10月に1stアルバム『SKYE』をリリース。日本自動車ジャーナリスト協会に所属し、「カーグラフィックTV」のMCを務めるほか、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の選考委員でもある。

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