オーストリア・ウィーンのニューイヤーコンサートの歴史の中でもウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名コンサートマスターであったボスコフスキーが指揮台に立ち、弾き振りをしていた光景が、子どもの頃の憧れだったと語るMAROこと篠崎史紀さん。本場ウィーンで学んだMAROさんが2025年、ヨハン・シュトラウス2世生誕200年のニューイヤーコンサートで届けたい祝祭の響きとは。
本場の響きを体感でき希望を届けるサロンに
19世紀にウィーンで活躍したヨハン・シュトラウス2世は、「美しく青きドナウ」や「皇帝円舞曲」「酒、女、歌」など数々の有名なワルツを残し、「ワルツ王」として世界中にその名を知られている。美しい旋律を生み出す才能は、ブラームスやチャイコフスキーといった作曲家をも魅了したと言われている。25年は、そんなヨハン・シュトラウス2世生誕200年の記念の年だ。
「10代の頃音楽を学んだウィーンという街は、空気に音楽が染み付いているような場所でした。多くの作曲家が何かにひかれるようにウィーンにやってきて、そこに骨を埋(うず)めたという人も多い、まさに音楽の都。ウインナワルツは、オーストリアの民族音楽であり、国を象徴する音楽でもあります。伝統的なワルツ音楽は、現代でもオーストリアの人々の誇りですし、オーストリアにはワルツを踊る授業まであります。そんな本場のワルツの響きをもっと気軽に楽しんでもらえる場があったらいいなと考えて、このコンサートを続けています」。コンサートについての思いをMAROさんはそう語る。
今回のプログラムには、ヨハン・シュトラウス2世の曲が多く盛り込まれている。中でもMAROさんが新たな年への希望を込めて演奏したいと語るのが「フェニックスの翼」だ。
「24年は、日本国内で年明けから本当に色々なことがありました。だから、復活への祈りを込めてこの曲を演奏したいと考えました。『フェニックスの翼』は、ヨハン・シュトラウス2世のワルツの中では、それほどメジャーな曲ではありませんが、心に温かな希望の光をともしてくれるようなワルツです。人が前に進むために大切なのは、未来に対する希望だと思っています。だから、そんな希望を次のニューイヤーコンサートでお届けしたいのです。会場は大きいですが、お客様一人ひとりと対話できる、サロンのようなコンサートを目指しています」
理屈ではない音楽の魅力を共有できたら
ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの名物となったのが「ボスコフスキーの弾き振り」だ。バイオリンを弾きながら指揮台に立ち、観客の方を向いて披露する弾き振りの優雅さに憧れたというMAROさんは、自らのニューイヤーコンサートでも弾き振りを披露する。
「ワルツ王、ヨハン・シュトラウス2世もバイオリンを弾きながら指揮をする姿が人気だったと言われています。そして僕が憧れたボスコフスキーのスタイルを日本のニューイヤーコンサートで、僕自身が披露します。僕がお客様の方を向いているということは、オーケストラは僕の指揮を感じながら演奏しなくてはならないし、僕の指揮と演奏が見えるお客様とは、より時間を共有している感覚が強くなると思うんです。本場の流れとパフォーマンスを感じられるのは、このコンサートならではじゃないかな」
音楽の中でも「クラシックは、人種や宗教、言語や国境など全ての隔たりを超える人類が残した最も偉大なコミュニケーションツール」だと語るMAROさん。
「今日も、小学生の子どもと一緒にレッスンをしてきたのですが、音楽って互いに手加減の必要がないでしょう。スポーツや格闘技だったら、大人は子どもに手加減をしないと危ないけれど、音楽は本気で一緒に演奏できる。だから、ジェネレーションギャップさえも超えられるんだと思います。ニューイヤーコンサートでは、自然と心と体が動いてしまうワルツやポルカに浸り、理屈ではなく音楽で一体になれるハッピーな瞬間を一人でも多くの人に味わってもらえたらと考えています」
新たな年の幕開けに、本場ウィーンの響きに浸れるニューイヤーコンサートは、心を希望と幸福で満たしてくれるに違いない。
篠崎“MARO”史紀の
ニューイヤーコンサート2025
2025年は、ワルツ王として知られるヨハン・シュトラウス2世の生誕200年という記念の年。本場を知り、ウィーンを深く愛するバイオリニスト篠崎“MARO”史紀が送る華やかで希望に満ちた音楽に浸る幸福なひとときを。
〈日時〉2025年1月19日(日)14:00開演(13:00開場)〈会場〉東京オペラシティ コンサートホール〈料金〉SS席11,000円(篠崎史紀直筆サイン入りプログラム付き)、S席8,800円、A席7,700円、B席6,600円(全席指定、税込み)
■お問い合わせ サンライズプロモーション東京
TEL.0570-00-3337(12:00〜15:00、土日・祝日は除く)
Profile

篠崎史紀さん
北九州市出身。NHK交響楽団特別コンサートマスター、愛称“MARO”。3歳より父・篠崎永育、母・美樹の手ほどきを受け、1981年オーストリアのウィーン市立音楽院に入学。翌年コンツェルト・ハウスでコンサート・デビューを飾る。その後ヨーロッパの主要なコンクールで数々の受賞を果たしソロ、室内楽と幅広く活動。演奏会やオーケストラの企画を自ら行い、2004年よりスタートした東京・銀座の王子ホールと“MARO”プロデュースによる共同企画「MAROワールド」は、チケットが発売初日に数十分で完売という人気シリーズ。コンサートでの巧みなトークでも観客を魅了する。

