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目黒哲也さん
Jan.2025
Vol.232
ティラノとゾウはどっちが強いのか
最強を決める戦いを楽しんでほしい
編集者目黒哲也さん

ティラノサウルスとアフリカゾウ、ライオンとスミロドンが戦うとどっちが勝つのか。そんな想像上の戦いを描き、累計550万部を超す大ヒット作となった「最強王図鑑」シリーズ。迫力あるバトルシーンが魅力のアニメも好評で、4月からは新シリーズの放送が始まる。韓国や台湾などでも人気のこのコンテンツは、どのようにして生まれたのか。アニメ新シリーズはどのような内容になるのか。生みの親であるGakkenの編集者・目黒哲也さんに聞いた。

子どもが夢中になるものは変わらない

「メディアやツールがどんなに進化しても、子どもが夢中になること、喜ぶものはいつの時代も、そんなに変わらないのではないでしょうか」

長年、児童書の編集に携わり、ベストセラーシリーズ「5分後に意外な結末」の編集者でもある目黒さんは、本を企画するうえで市場調査やマーケティングはほとんどしないという。

「僕は市場調査に時間をかけるより、より良いものをつくることに時間をかけたいんです。自分が子どもの頃、何が楽しかったか、何に夢中になっていたかを考えれば、その企画が今の子どもにとって楽しいものかどうかはわかるからです」

「最強王図鑑」のコンセプトも、目黒さんが子ども時代に夢中になって読んでいた、猛獣の戦いをテーマにした書籍がヒントになったという。

「せっかくならトーナメント戦にしたほうがワクワクするのではないか。今の子どもには長い文章で説明するより、インパクトのあるビジュアルで端的に表現したほうがいい。そう考えながら、最初の見開きで動物や恐竜の特徴や能力をゲーム的に解説し、次の見開きで戦いを実況する本のしくみができあがりました」

科学的なデータに基づく図鑑的要素も参考にし、現実にはありえない戦いの結果を想像する楽しさ。さらに迫力ある戦闘シーンのビジュアルは、多くの子どもたちの心をとらえた。

アニメならではの迫力と醍醐(だいご)味を

とりわけこのシリーズが大ブレイクするきっかけとなったのが、アニメの原作となった『異種最強王図鑑』だ。それまではあくまで動物、恐竜、昆虫といった同じジャンルの生き物同士の戦いだったが、この本からはティラノサウルスとライオンやアフリカゾウがバトルするといった、まさに想像上の戦いになる。

「書籍では描きやすいところだけビジュアル化できますが、戦いの過程全てを表現しなくてはならないアニメ制作陣は、とても苦労したと思います(笑)。原作の世界観を大切にしながら、リアルで迫力ある映像にしあげていただき感謝しています」

アニメには実況中継を担当するオリジナルキャラ、Mr.モーストも登場。彼の愛車が動物たちに破壊されるコミカルな演出など、アニメならではの楽しみもある。アニメの放送開始により、「最強王図鑑」シリーズのファン層もさらに広がった。

「戦いの設定がありえないものだけに、書籍では専門家の監修のもと、『なぜこっちが強いのか』の説明に説得力をもたせています。そのため文章は、子どもには難易度が高い部分もある。でもアニメは戦闘シーンを見ているだけでも楽しいので、小さなお子さんやお母さんにも喜んで見ていただいています。アニメを見た方が書籍にも興味をもつといった、うれしい流れも生まれています」

ちなみに書籍のほうは現実世界の生き物たちの対戦から物語の中の英雄、神話や伝承に登場する神々、妖怪や幻獣、ドラゴンなど、空想世界の生き物たちの対戦へと拡大していった。4月から始まるアニメの新シリーズでも、ドラゴンや水生生物の戦いが繰り広げられるという。

「古今東西の伝説や神話に登場するドラゴンたちの戦いは、子どもたちからとくに人気があります。それがアニメでどのように描かれるのか、今から楽しみです。新シリーズの舞台は荒野や岩場、森林、氷原、洞窟などが広がる最強島。そこで繰り広げられる壮大なトーナメントで最後に勝ち残るのはどんな生き物なのか。ぜひご家族で、予想しながら楽しんでいただきたいですね」

アニメは3DCGで制作されているため、今後はメタバースでの展開なども考えられる。書籍もまだまだ新たな展開を予定しているとのことなので、今後も「最強王図鑑」シリーズから目が離せない。

アニメ
「最強王図鑑 ~The Ultimate Tournament~」

4月から「最強王図鑑」の新しいアニメシリーズが始まる。新たに設定された最強島を舞台に、動物、絶滅動物、昆虫、恐竜たちが「最強の座」をかけた壮絶な戦いを繰り広げる。通常のトーナメントとは別に、水生生物やドラゴンによる戦いも繰り広げられるのでお楽しみに。
〈放送局〉テレ東系列〈放送開始〉2025年4月

公式サイト

Profile

目黒哲也さん

神奈川県出身。1992年に学習研究社(現・学研ホールディングス)に入社。その後、20年以上高校生向け学習参考書の編集部で編集者として勤務。参考書の編集業務のかたわら自主的に企画を提案し、従来の児童書の発想にないヒット作を連発。小・中学生を中心に大ヒットした「5分後に意外な結末」シリーズは、累計500万部を突破した。現在はあらゆるジャンルの児童書を手がけるコンテンツ戦略室のエグゼクティブプロデューサー/マイスターを務める。

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