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田中哲司さん
Dec.2025
Vol.243
有能な部下たちの「最後の出番」
被疑者との舌戦は見応え抜群
俳優田中哲司さん

2014年にスタートし、まもなく第5シーズンが最終回となる大ヒットドラマ「緊急取調室」。取調室という“密室の戦場”で生身の人間同士の心理戦が繰り広げられる物語は、放送開始後から話題となった人気シリーズだ。そんな「緊急取調室」が劇場版でフィナーレを迎える。「皆さん、出番です」とキントリメンバーをまとめてきた梶山管理官を演じる田中哲司さんに話を聞いた。

12年の時を経てなお魅力的なメンバーたち

天海祐希さん演じる取調官・真壁が、可視化された特別取調室で取り調べを行う専門チーム「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」のメンバーとともに数々の被疑者たちと相対し、心理戦を繰り広げるドラマ「緊急取調室」。12年の歴史を誇るドラマシリーズもシーズン5がいよいよ最終回を迎えようとしており、12月26日(金)には完結編として劇場版『緊急取調室 THE FINAL』が公開される予定だ。

気が強く、時に突っ走ってしまうところもある真壁をはじめ、菱本(でんでんさん)、小石川(小日向文世さん)ら個性豊かなメンバーを「皆さん、出番です」とまとめる梶山管理官(田中哲司さん)。その役について田中さんは「現場に入ればいつでも梶山になれる」と言う。

「キントリのメンバーは、個性的で皆さん有能。だから僕は管理官としてちょっと俯瞰(ふかん)した立場から仕事をサポートする役だと思っています。前のめりになる真壁を言葉では制止しながら、結局は彼女が仕事をしやすいように副総監(大倉孝二さん)に取り入ってみたり──。リアルだったら大変なんだと思いますが、中間管理職的な役が好きなんです。いろんな方向に目を向けて気を使うと、様々な角度で物事や役が見えてきます。このシリーズに限らず、板挟みにされる役は演じていて面白いですね」

他のレギュラーメンバーと比べると取り調べには直接関わることの少ない梶山管理官役への思いを「あの人がいるから大丈夫と思われる存在でいられたら」と話す。

「あいつがなんとかしてくれると思われる管理官でありたいですね。きちんと仲間に任せて、何かあったら頭を下げることも厭(いと)わない。取り調べシーンは取調室の外側から見ていても、毎回スリリングです。メンバーたちのセリフ回しはもちろん、被疑者役のゲストの方も『こんな風にセリフを言うんだ』とか『この人は、人の目を見ないで話すんだ』とか、演技に見入ってしまいます。演技として学ぶことも盗みたいこともたくさんあります」

映画ならではの迫力と密室劇の駆け引き

主な撮影場所が取調室という限られた場所であるシチュエーションについて「密室の会話劇は、ミニシアターや舞台のような面白さがある」と田中さんは言う。

「会話劇や舞台では、図らずもこぼれる人間味というのがあると思うんです。長年経験を積まれた役者さんの人柄というか、らしさみたいなものが見えるのも、このシリーズの魅力です。スクリーンでは、スケールはグッと大きくなっていますが、スリリングな会話劇の魅力は変わりません。登場人物それぞれの思惑と会話の妙、色々な伏線を探しながら楽しんでもらえたらうれしいです」

劇場版『緊急取調室 THE FINAL』は、2年前に一度公開が延期になり、再始動してから台本が大幅改稿され、再度撮影を重ねて“今”に合わせてアップデートされた作品だ。前代未聞となる取り調べの対象者は内閣総理大臣。「内閣総理大臣を取り調べるというあり得ない設定をどんなふうにリアルに描いているか、その辺りも見どころだと思います」

超大型台風発生の非常事態の中、災害対策会議に10分遅れて入った内閣総理大臣。空白の10分間に何があったのか──。

「映画で初めてキントリに出会う人にはぜひ、改めてシーズン1からのドラマを見ていただきたいですね。これまでキントリを愛してくださっていた方々には、劇場版でのキントリメンバーたちの活躍や名物の脱力『うぇ〜い』も見納めだと思って味わってほしいですね」

梶山管理官の「皆さん、これが本当に、最後の出番です」という言葉をかみ締めながら、最終章の闘いを見届けるために、劇場へ足を運びたい。

劇場版『緊急取調室 THE FINAL』

©2025 劇場版「緊急取調室 THE FINAL」製作委員会

超大型台風が連続発生する最中、内閣総理大臣・長内洋次郎は、災害対策会議に10分遅れて到着する。その「空白の10分」を糾弾する暴漢・森下弘道が現れ、総理大臣襲撃事件が発生。この事件解決のためにキントリが召集された。真壁有希子らキントリチームが取り調べを開始するも森下は動機を語らないどころか、「取調室に総理を連れて来い」と無謀な要求を繰り返す。取り調べが行き詰まる中、総理に“ある疑惑”が浮かび上がり──。熟練のチームワークと緊迫の心理戦。「最後の出番」となる闘いはいかに。
〈出演〉天海祐希、田中哲司、佐々木蔵之介、石丸幹二、小日向文世
〈脚本〉井上由美子
〈監督〉常廣丈太

12月26日(金)全国公開

公式サイト

Profile

田中哲司さん

1966年生まれ、三重県出身。日本大学芸術学部演劇学科で演劇を学ぶ。
2015年「REDレッド」で第50回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。近年の主な出演作にドラマ「イクサガミ」、映画『ドールハウス』、
舞台「華岡青洲の妻」、「欲望という名の電車」(演出・G2)が26年3月12日(木)より東京芸術劇場シアターイーストで上演。
NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」への出演が決定している。

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