「クイズ番組の優勝者は、なぜ問題を1文字も聞かずに正解できたのか?」
そんな「0文字解答」という謎に、主人公もろとも見る人全てが巻き込まれていく映画『君のクイズ』。中村倫也さん演じる主人公の元恋人役を演じた堀田真由さんに、作品と関わって感じたことや映画の魅力、クイズの面白さについて聞いた。
一つの大きな謎を柱に展開していく物語
生放送のクイズ番組の決勝戦。視聴者も番組制作者もかたずをのんで行く末を見守る中、“クイズ界の絶対王者”三島玲央(中村倫也さん)と“世界を頭の中に保存した男”本庄絆(神木隆之介さん)は、ともにあと1問で優勝と王手をかける。最終問題の早押しクイズ、本庄は問題を「1文字も聞かずに」早押しボタンを押し、正解を言い当てる──。冒頭のシーンで、三島と見る人全てに「なぜ本庄は問題を1文字も聞かずに正解できたのか」という大きな謎を投げかけてくる本作品。堀田真由さんは、三島の元恋人・桐崎恵茉を演じている。
「私が演じた役は、それほど多くのシーンに出ているわけではないので、クイズ番組のシーンがどんな風に描かれているのか、どんな仕上がりになったのかなどをほとんど知らずに試写を見たんです。もちろん脚本も読んでいましたが、冒頭からすごく引き込まれてしまって、自分も一人の観客としてクイズの解答者になって謎解きをしているような感覚になりました。自分が出演していたことを、忘れてしまうくらい。途中で、あ、私出てたんだって。本当に、没頭できる作品です」
『君のクイズ』という作品のタイトル通り、クイズがテーマとなり物語が展開し、クイズプレーヤーたちの脳内で繰り広げられる思考のプロセスがVFXで可視化されているなどクイズ番組やクイズプレーヤーの描かれ方も新しい。一方で、登場人物それぞれの人生の選択肢や問いとしてのクイズにも迫り、解き明かしていく。
「恵茉は、エンタメとしてのクイズの側には登場しません。三島の人生の問いに寄り添うような役割として映っていたらいいなと思いながら参加しました。撮影期間が短く、現場になじめるか不安はありましたが、中村さんが気遣ってくださったので自然な雰囲気で臨むことができました」
日常にある問いの深さとクイズを解く面白さ
クイズやクイズ番組は好きかと質問すると、「解答に至るまでをじっくりと考えたいタイプなので、瞬発力を問われるようなクイズ番組はあまり得意ではない」という。「でも、だからこそ」とクイズの魅力をこう分析する。
「映画を見て、クイズに対するイメージはすごく変わりました。クイズ番組には、単に物知りな人が参加していると思っていましたがそうではなく、戦術やテクニックなど実はとても奥深い。そんな奥深さもそうですが、私たちが生きる日常は、すごくあいまいで数えきれない選択肢がありますよね。日々、正解のないことを問われているような。価値観もそれぞれでいいという時代だから、自分らしい答えを見つけなければいけないというプレッシャーがあったり──。だからこそ、様々なルールの中で、たった一つの答えを導き出すクイズって、答えのない日常とは別次元でスカッとする面白さがあるのだと感じました」
恵茉という主人公の“人生のクイズ”サイドを任された堀田さんが思う、作品の見どころとは。
「私にとっては『人生を考えるヒント』となる作品でした。生きていると日々考えなければいけないことは無数にあって、その一つひとつには答えがすぐに見つかるものもあれば、考えても正解が見つからないものもある。でも、それを考え続けることや考えて行動するプロセスに、人生の味わい深さや価値が見えてくるのではないかなと」
日々私たちを取り巻く問いに答えはあるのか、導き出した答えは本当に正解だったのか──。映画『君のクイズ』は、見終わった後にもそんな問いを投げかけてくる。
映画『君のクイズ』
2023年本屋大賞ノミネート、第76回日本推理作家協会賞受賞と文学界に大きなインパクトを与えた小川哲のミステリー小説『君のクイズ』が実写映画化。賞金1,000万円をかけた生放送のクイズ番組、その決勝戦で優勝者は問題を1文字も聞かずに正解を言い当てる。その「0文字解答」はやらせか、トリックか、はたまた魔法か──。敗者となったクイズ界の絶対王者は前代未聞の「謎」に挑む。知略と情熱がぶつかり合うかつてない“クイズミステリー”。見る人全てがこの謎と相対することになる。
〈出演〉中村倫也、神木隆之介、ユースケ・サンタマリア、堀田真由、ムロツヨシ
〈監督〉吉野耕平
〈原作〉小川哲『君のクイズ』(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
5月15日(金)全国公開
Profile
堀田真由さん
1998年生まれ、滋賀県出身。2015年WOWOW連続ドラマW「テミスの求刑」でデビュー。17年NHK連続テレビ小説「わろてんか」で注目を集め、NTV「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」、映画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(19年)、映画『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』、映画『ある閉ざされた雪の山荘で』(ともに24年)などの話題作に出演する。

