歌声とともに、メロディーと歌詞が聴く人の心にまっすぐ届きコンサート会場では、多くの人が思わず涙するという林部智史さんのパフォーマンス。デビュー10周年のアニバーサリーイヤーにリリースされた8枚目のオリジナルアルバム『Myself』や全国ツアーについて、コンサートアーティストとしての自身の活動とこれからのあり方について聞いた。
歌い続けられている奇跡を積み重ねて
2016年のデビューから10年。コロナ禍でコンサートができなかった時期を挟んだこれまでを「簡単にはあっという間だったと言いにくい」と林部さんは振り返る。
「デビューから4年ほど経った時、コロナ禍の影響で軒並みコンサートが中止になりました。やっと活動のスタイルというか色が自分の中で固まりつつあった時期だったので、このまま歌えなくなってしまうのではという不安は大きかったです。実際にコロナ禍を機に音楽活動を辞めてしまった人も周りにいたので。そう考えると今こうやって10周年を迎えられているのは素直にうれしいですし、僕の歌を聴きに来てくれるお客様がいることは、本当にありがたいと感じます」
リアルなコンサートができなかった時期に、林部さんが現在も自らの活動の軸として大切にしている「おうちでコンサート」というコンテンツがスタートした。
「コンサートの代わりにと始めたコンテンツでしたが、僕の歌を聴いてくれるお客様は比較的年齢層が高いため、時間や体調の都合で会場へ足を運ぶことにハードルのある方もいます。『おうちでコンサート』は、そんな方々が家でゆったりと楽しむためのコンテンツとしてコロナ禍があけても大切にしなきゃいけないなと気づきました。だから現在は、コンサートの代わりとしてではなく、コンサートアーティストとしての新たな軸、そしてライフワークにすべく『おうちでコンサート』の制作にも力を入れています」
10年の歩みと今の等身大の自分を残す
アニバーサリーイヤーのアルバムとして、4月には加藤登紀子さんプロデュースによる『Koibumi』がリリースされた。そして第2弾として9月30日にリリースされたのがオリジナルアルバム『Myself』だ。「楽曲作りのモチベーションとなるのはコンサート」と語る林部さんがアルバムのために書き下ろした新曲も収録されている。
「10年の軌跡、今の僕を書こうと思って作ったのがアルバムのラストの曲『I do me.』です。歌い出しが『かなしいですか』から始まるこの曲は、ある意味ネガティブに捉えられる言葉も並んでいますが、メロディーに乗せて歌った時に『これが今の自分なんだな』としっくりきました。幸せかどうか問われたら、幸せですと答えますが、本当にそうなのか?という葛藤もあったり──。ただ歌うことと自分とのつながりがより深くなってきたことも感じていただきたいです」
アルバムには「これまでコンサートで歌い続けてきたけれど音源化されていなかった曲の中から思い入れの深い曲」も7曲初収録されている。アルバム『Myself』には、「過去の10年と、10周年の今の足跡として残したい曲を詰め込んだ」と言う。
10月からは「CONCERT TOUR 2026・秋 This is Myself!! 〜 コンサートアーティストとして10年 〜」がスタートした。
「デビュー40周年、50周年という先輩方がたくさんいらっしゃるこの世界で、10年なんてまだまだですが、それでも僕にとっては節目の年。コンサートツアーでは、これまでの集大成を表現できたらと思っています。デビューした年からこれまでを1年ごとに振り返る演出も入れつつ、ピアノなどの楽器も、そして久々にダンスも披露しようと考えています。お客様と一緒に10年を振り返り、11周年に踏み出せるようなコンサートにできたらと思っています」
コンサートでしか体感できない10周年の林部さんの現在のリアル。しかし会場に足を運べない人にも林部さんはアルバム『Myself』や「おうちでコンサート」というプレゼントを用意してくれている。
林部智史 New Album 『Myself』
2016年2月に「あいたい」でデビューし、今年10周年を迎えた林部智史。アニバーサリーイヤー第2弾の作品となるオリジナルニューアルバム『Myself』が9月30日にリリース。林部の今を映し出す作品となっている。
〈価格〉3,400円(税込み)
CONCERT TOUR 2026・秋 全国開催中(全15公演)
10月17日(土)鎌倉芸術館 大ホール(神奈川県)、10月20日(火)フェスティバルホール(大阪府)、11月25日(水)大宮ソニックシティ 大ホール(埼玉県) ほか
Profile
林部智史さん
1988年生まれ、山形県出身。2016年2月24日、シングル「あいたい」でデビュー。 “今、もっとも泣ける歌”として口コミで広がり、発売後4カ月で有線全国ランキング1位を獲得。その後もロングセールスを続け15万枚を突破した。同年末には、「第58回日本レコード大賞」と「第49回日本有線大賞」で新人賞を受賞。10周年となる今年4月に加藤登紀子さんプロデュースによるアルバム『Koibumi』をリリース。9月30日にはアニバーサリーイヤー第2弾となるアルバム『Myself』が発売された。現在「CONCERT TOUR 2026・秋 This is Myself!! 〜 コンサートアーティストとして10年 〜」を開催中。

