入賞作品紹介

入賞
OB・OGの部
神奈川県 大野 陽子 さん
応募方法:郵送

高校時代、私は片道2時間かけて通学していました。
6時前には朝食を済ませるので、2時間目の授業が終わる頃には空腹すぎて、とても授業に集中できる状態ではありませんでした。
そこで母に頼んで、弁当とは別におむすびを用意してもらい、休み時間に食べることにしたのです。
具材は毎回、梅干しでした。
ただ、母の梅おむすびは一般的なものとは違いました。
普通は、炊き上がったごはんに梅干しを入れて握ると思うのですが、母は白米の中に梅干しを入れて、一緒に炊くのです。
炊き上がると、湯気とともになんとも優しい梅干しの香が台所に広がります。
一緒に炊いた梅干しを炊飯ジャーの中でくずしてまぶし、おむすびを作るのです。
そうすると、まんべんなく梅干しの香と塩気が、ごはんに混ざり、とても優しい味のおむすびが出来るのです。
母は、梅干しの他に、ゴマやわかめ、シーチキン等々、その時ある食材を一緒に炊きこんで、おむすびを作ってくれました。
それを我家では、梅ゴマむすび、梅わかめむすび、梅シーチキンむすびと呼んでいました。とにかく母のこだわりは梅干しは絶対に入れる!というものでした。その分、塩を使わずに済むという家族の健康を気遣ってのことだと後になってから気付きました。
母は亡くなりましたが、母のおむすびの味はしっかりと私が引き継ぎました。
白米と具材を一緒に炊くことで、具材のだしがしっかりまんべんなく浸み渡り、優しい味の冷めてもおいしいおむすびが出来上がります。
そして、授業に集中できること、間違いなしです!!

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