今回は、大切にしたい「日本の文化とお正月」について生徒の望月まりなさんが学びを深めました。
Qお正月に家族が集うのはなぜですか?


A顔を合わせることが、
一年の安心と笑顔につながるのです。
望月先生、もうすぐお正月ですね。祖父母がだいぶ前から「いつ来るの?」とメールしてくるんです。
林おじいさまたちは望月さんに会うのが楽しみなんでしょうね。
望月ほかの休暇にも帰省することはあるのに、お正月だけはきれいな服を着て、家も掃除し、普段会わない親戚の家を訪問する人が多いですよね。どうしてお正月は、みんなで集まることが大事なんですか?
林お正月はもともと、「年神様(としがみさま)」を迎えてその一年の家族の幸せを祈る行事なんです。年神様とは収穫を司(つかさど)る田畑の神であり、元は祖先の霊と考えられていて、お正月に各家庭に降りて来ます。鏡餅もその神様に供えるものなんですよ。
望月だから失礼がないように、みんなで神様を迎えるんですか。
林そう。お年玉も本来は「歳魂」、神様の魂が宿る鏡餅をみんなで分けたことが始まりです。
望月お餅より今のお年玉がうれしいですね。一人でいる家には、年神様は来てくれないんですか?
林きちんと祖先を敬う気持ちがあれば来てくれるでしょう。でも、家族がいる人は、お互いに顔を合わせて近況を語り合うことで、祖先からつながる絆を意識することができると思いますよ。
望月確かに、お正月に会えるおじ・おばや祖父母がいると思うと、普段の生活がなんとなく心強いですね。
Qみんなで一緒に料理を食べることには
どんな意味があるのですか?


A自然に、日本の伝統を伝えることができます。
望月おせち料理も神様への供え物なのですか?
林そうです。季節の変わり目「節句」のなかでも一番重要なお正月に、五穀豊穣、子孫繁栄、家族の健康などの祈りをこめて、山海の幸を供えたのが始まりです。それを神様とともにいただくことで、祈りが通じるようにという意味がありました。
望月家族や親戚がそろって、子どもたちはいつもと違う雰囲気を感じてワクワクするでしょうね。
林そうですね、上の世代の人から食事のマナーや常識、伝統的な料理を教えてもらいながら、ごちそうが食べられます。
望月あらたまった席での、箸やお椀(わん)の持ち方を注意してくれる人もいますし、みんなが一緒だと「いただきます」「ごちそうさま」もちゃんと言いたくなります。
林家族と一緒の食事は、「食育」にも有効だといわれています。マナーやお行儀を学ぶ以外に、「栄養バランスの良い食事がとれる」「規則正しい時間に食べられる」「食の知識や興味を増やすことができる」と、メリットが多いんです。農林水産省の調査では、1日の全ての食事を一人で食べることが「ほとんど毎日」と答えた人が11・8%もいます※。お正月は貴重な機会じゃないでしょうか。
望月友達同士で話したら、家によってお雑煮のだしやお煮しめの材料が違うんです。「お母さんの出身地どこ?」と話題が広がるのも、面白いですよね。
林地域ごとに、またそれぞれの家庭で、昔から受け継がれてきた味は日本の食文化です。家族が一緒に食べることで、自然にその文化を次の世代の人が受け継ぐことができるでしょう。
※農林水産省「食育に関する意識調査報告書」(2019年3月)からお正月は日本の文化を知り、家族のルーツを実感する場なんですね。


家族の会話や笑顔は、心と体の健康にもつながるんです。
今日のまとめ
お正月の集いは、一人ひとりにとって
大事な機会です。
授業を終えた望月さんが、
今日の感想やもっと知りたいポイントを
自由につづります。
お正月の集いについての授業を受けて、私は、ちょっと考えが変わりました。今までは学校が休みで年末年始イベントがあるから楽しい!と思っていましたが、お正月は家族の大事な行事。定番のアイテムにもいろいろないわれがあるんですよね。今年は家族と過ごす時間も大切にしてみます。また、生まれた国のことはもっと知っておきたいので、授業で気になったことを調べてみました。
●鏡餅お年玉のもとだったんですね。お餅は昔から神様に捧げる神聖な食べ物だったとか。丸い形は、人の「魂」の形だそうです。それが神事に使う鏡と似ていたので鏡餅と呼ばれたというのが名前の由来です。鏡餅は12/29と12/31を避けて飾り、年明けの1/11の鏡開きでお汁粉などにしていただきます。
●祝箸お正月のお膳には、紅白の和紙で包まれた箸が置いてありますよね。「祝箸」と言って厄を払うといわれる柳でできています。両方の先端が細くなっていて、どちらが上か迷ったのですが、一方を年神様、もう一方を人間が使うという意味だそうです。途中でひっくり返して両端を使ったりしてはいけないんですって。また、お箸の中ほどが太めになっているのは、五穀豊穣や子孫繁栄を願っています。
●おせち料理紅白かまぼこ、栗きんとん、昆布巻き、伊達巻きなどがお重にきれいに詰められたおせち料理も、年神様の供え物と学びました。かまぼこの形は日の出、昆布は「よろこぶ」、エビは腰が曲がるまで長生き……。それぞれに縁起物としてのいわれがあるんです。一つひとつ、意味も味わいながらいただきたいですね。
参考にしたのは、かまぼこやお重の詰め合わせなどで知られる「紀文」のサイトです。

提供:紀文






