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企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局




希少疾患は患者の数が極めて少なく、診断や治療が難しい病気が多いのが特徴です。日本では希少疾患の早期診断や治療環境などが、欧米に比べて遅れています。確定診断を得るまでに長時間かかり、医療費や通院の負担が大きいことで、多くの患者が苦しんでいます。そんな希少疾患患者が抱える課題を解決するには、何が必要なのか。関係者は何をすべきなのか。日本における希少疾患の課題解決を目指して、武田薬品工業株式会社では2月1日、「Rare Disease Day 2020 シンポジウム」を開催しました。

「Rare Disease Day(世界希少・難治性疾患の日)」は、希少・難治性患者の生活の質の向上を目指して2008年からスウェーデンで始まった活動で、毎年2月最終日となります。日本においても、2010年から希少・難治性疾患に関するイベントを開催しており、「Rare Disease Day 2020 シンポジウム」は、企業主催のRDDイベントとして開催されました。RDD日本開催事務局の協力のもと、武田グローバル本社で開催されたこのシンポジウムには、希少疾患に関わる専門家、患者、民間企業などが多数集いました。
基調講演では、希少疾患の診断における第一人者である、慶應義塾大学医学部 臨床遺伝学センターの小崎健次郎教授が登壇。希少疾患は診断が難しいものの、合併症を避け、患者や家族の心理的負担を軽減するうえで正確な診断の意義は大きいこと、希少疾患の研究が頻度の高い疾患の研究にも役立つことを、事例を交えながら紹介。希少疾患の診断や研究をさらに進めるには、共同研究や国際連携が重要だと指摘しました。
続いて自身がALS(筋萎縮性側索硬化症)患者であり、日本ALS協会理事、日本難病・疾病団体協議会理事を務める岡部宏生さんが登壇。自身の経験をもとに、ALS患者が抱えている苦悩や家族の負担を紹介。期待の大きいゲノム治療については倫理面の問題もあることから、患者間でも意見の相違があると言及。そのうえで、希少疾患患者は生活の質の向上と、効果のある治療法や治療薬の開発を強く望んでいると語りました。

パネルディスカッションの冒頭では、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターの武藤香織教授がショートスピーチ。倫理的側面から、患者や家族が病とともに生きる暮らしを実現し、研究に関わり続けられる環境を構築するうえでの課題について語りました。その後、武田薬品レアディジーズビジネスユニットヘッドの濱村美砂子が、治療薬の提供だけでなく、患者と家族の苦しみを知り、患者を取り巻く環境を改善するためにステークホルダーと協働することも、製薬企業の重要な役割だと語りました。
その後は、患者が治療について正確な情報を得るためにはどうすればいいのか、診断や治療のための科学的データをいかに集め、共有するか、リスクのある先進的な治療をどのように進めるべきか、患者と医師のコミュニケーション、患者団体の支援などについて、幅広い議論が行われました。
今回のシンポジウムは患者や患者団体、医師、研究者、企業がそれぞれの立場を超え、希少疾患の環境改善に取り組むステークホルダーとして提案・議論を行ったユニークな取り組みです。今後の議論の礎となるとともに、ステークホルダー間の議論の重要性が再認識され、パネリストからも今後の継続を期待する声があがりました。
※本シンポジウムの詳細については3月下旬頃、朝日新聞デジタル内に特設ページをオープンする予定です。