初めての人も選びやすい。国際ブランドのデビカ、プリカって?

  • #キャッシュレス基礎知識

前回は、数多くあるキャッシュレス決済の分類について「支払うタイミング」と「手段」の2つの視点をご紹介しました。その中で初めての人が手堅く使いやすい選択肢として、国際ブランドのデビットカード(デビカ)やプリペイドカード(プリカ)を挙げました。9つのマトリクスでいうと、主に「カード×即払い」や「カード×前払い」にあたります。もう少し詳しく見ていきましょう。

<主なキャッシュレス決済の手段>

 今回くわしく解説する決済
手段→
タイミング↓
カード
(接触型)
かざす
(非接触型)
コード
後払い クレジットカード VISAタッチやiD、QUICPayがクレジットカードに紐付いている場合 PayPayなどをクレジットカードに紐付けて使う場合
即払い デビットカード VISAタッチやiD、QUICPayがデビットカードに紐付いている場合 OrigamiPayなどを銀行口座に紐付けて使う場合
前払い プリペイドカード Suicaやnanacoなど代表的な電子マネー等 LINE Payなどを銀行口座からチャージして使う場合

※同じ決済サービスが複数のカテゴリに入る決済方法を提供している場合もあります。

国際ブランドのデビカ、プリカとは?

お買い物をした途端、銀行口座の残高からすぐに引き落とされる即払いの「デビカ」は、J-Debitと呼ばれる、キャッシュカードがそのままお買い物に利用できるカード(即払い×カード)を想像する人が多いかもしれません。また、先にチャージをして前払いで利用する「プリカ」というと、Suicaやnanaco、WAONなどの電子マネー(前払い×かざす)を想像する人も多そうです。

今回ご紹介する国際ブランドのデビカやプリカはこれらとは異なり、VISA、JCB、MasterCardなどのロゴがついたデビカやプリカのことをさしています。これらは、クレジットカードのイメージが強いVISA、JCB、MasterCardなどのロゴステッカーが貼ってある店舗で概ね利用できる、従来のイメージよりも圧倒的に使える店舗が多くなっているカードです。

具体的には楽天銀行(VISA、JCB)、ソニー銀行(VISA)、住信SBIネット銀行(VISA、MasterCard)などのデビカや、LINE Payカード(JCB)、Kyashリアルカード(VISA)、dカード プリペイド(MasterCard)などのプリカが挙げられます。

例外もありますが、基本的には国際ブランドのロゴがついていれば、海外でも利用することができるため、国内外での買い物で広く使える点も、従来のイメージのデビカ・プリカとは異なります。

クレカとの違いや注意点

クレジットカード(クレカ)との違いも整理してみます。
国際ブランドのデビカやプリカは、クレカとは異なり、保険料や通信費といった、毎月支払いが発生する固定費の支払いには使えないケースが多いです。そのため、固定費についてはクレカを利用して、日々のお買い物にあたる変動費はデビカやプリカを使うのがよいでしょう。

「カードだからお金を使いすぎてしまう」という悩みも、主に変動費に対するシーンが多いですね。「現金ではなく、クレカ払いだからたくさん電気を使っちゃえ!」と思う人は多くないため、あまり感情が動かない固定費は後払いのクレカで問題なさそうですし、気持ち次第でお金を使ってしまいがちになる変動費はデビカ・プリカで予算管理をしながら、という使い分けは機能や利用シーンを照らしてみても相性が良さそうです。

還元率についてはクレジットカードだと0.5%や1%のものが多いのに対して、デビカ・プリカは0.2%や0.5%のものも多く、低い傾向にあります。しかし、最近ではカードを選べばデビカ・プリカでも還元率が1%や2%のものも出てきているため、「還元率が高く、かつ、予算管理を手堅く」を実現できるカードも生まれています。
なお、還元率は100円を使ったときに1円相当の還元が受けられるときに1%、200円を使ったときに1円相当の還元だと0.5%となります。

一部例外はあるものの、海外での利用もできる国際ブランドのデビカ・プリカ。クレカでは海外での利用手数料が1.63%や2%などが多い一方、プリカやデビカだと3%や4%のことが多く、コスト的には不利な傾向にあります。ただ、決済に適用されたレートがその場で確認できる点において、クレカより安心感があるかもしれません。

なお、国際ブランドのデビカ・プリカであっても「かざす(非接触型)」手法で決済ができる場合もあります(冒頭表の薄い黄色網掛けをしているカテゴリ)。最近はテレビCMなどで「VISAのタッチ決済」と紹介されているのが、いわゆるVISAのかざす(非接触型)決済のことを指しています。JCBやMasterCardでも同様にかざす決済が存在し、ベースとなっているカードがクレカであれば「かざす×後払い」に該当し、デビカ・プリカであれば「かざす×即払い」「かざす×前払い」に該当します。

日本では国際ブランドの「かざす決済」は、まだマクドナルドなど、一部の限られた店舗でしか利用できませんが、オリンピックが近づくにつれ対応する店舗が増えていくと考えられます。

プロフィール

ファイナンシャルプランナー 風呂内亜矢さん
ふろうち・あや/1978年岡山出身。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。システムエンジニアとして6年半勤務経験があり、システムやテクノロジーを使った家計効率化を得意とする。2013年、ファイナンシャルプランナーとして独立。

企画・制作

朝日新聞社メディアビジネス局