イチからわかるキャッシュレス決済

昨年10月に始まったキャッシュレス決済でのポイント還元事業。

「種類が多すぎて何から始めたらいいかわからない」「現金じゃないから使い過ぎるのが怖い」など、キャッシュレスにまだ二の足を踏んでいる方もけっこう多いと思います。

そこで今回はSTART!読者から寄せられた質問をもとに「イチからキャッシュレス決済」と題して、経済産業省の津脇慈子キャッシュレス推進室長に話を伺いました。

―――そもそもキャッシュレスとは何でしょうか。

津脇: わたしたちでは「繰り返し利用ができる電子的な決済手段」のことをキャッシュレスと定義しています。スマートフォンでの決済に加えて、クレジットカードやデビットカード、電子マネー、これらもすべてキャッシュレス決済になります。

(経済産業省ホームページより抜粋)

―――それぞれの特徴を教えてください

津脇: 決済でかなりの割合を占めるのはクレジットカードですが、これは後からお金を払う方式ですね。信用があるかどうかカードを作るときに与信審査などがあります。一方、デビットカードは銀行口座から直接、即時に払う仕組みです。口座にある分以上は使えないので、使いすぎという観点では安心です。また交通系ICに代表される電子マネーやプリペイドカードも、先に使う金額を入金してその額だけ使えるものです。
スマートフォンを使うものでは、QRコード決済や電子マネー、銀行口座などを登録するものがあります。ダウンロードしたアプリを立ち上げて決済します。支払いの場面に合わせて、最適なキャッシュレス手段を選べるとよいですね。

―――ポイント還元に参加しているのはどれくらいのお店ですか。

津脇: 2020年1月21日時点で全国約102万店から申請をいただきました。いまも毎日申請を受け付けており、4月末まで申請可能です。

―――ポイント還元の仕組みについて教えてください

津脇: 下記のキャッシュレスマークがついているお店でお買い物をすれば最大5%が還元されます。対象のお店にはポスターやステッカーが貼ってありますし、専用の地図アプリには使える決済手段も掲載されています。中小の店舗は5%、コンビニなどチェーン店やガソリンスタンドは2%、ECサイトの買い物でも還元されます。

―――いつ還元されるのでしょうか

津脇: 決済手段ごとに異なります。①ポイントで還元、②引き落とし時に相殺、③後日口座に振り込み、④即時に還元、と大きく4つに分けられます。いずれも明細書やレシートなど後から確認できるようになっています。

―――気をつける点はありますか

津脇: いくつかの電子マネーでは事前登録が必要なものがあります。登録しないとポイントが還元されないので、詳しくはポイント還元事業のホームページ(https://cashless.go.jp/)や各決済事業者に問い合わせてみてください。

―――セキュリティが不安だという声も多かったです

津脇: キャッシュレスを推進するにあたり、安心・安全に使っていただくことは何よりも重要だと思います。そのため、多段階認証や不正利用のモニタリングなど、しっかりと対策を取っていただいた事業者を登録しています。もちろん対策を打ってもさらに新しい不正が生まれることもあります。消費者の方にもパスワードや口座番号など個人情報のしっかりとした管理をお願いしたいです。

―――キャッシュレスだと使いすぎてしまうという意見もあります

津脇: 現金は手元になければその場では払えないので、たしかにそういう声も聞きます。逆に、家計簿アプリなどとひもづけて自動的に家計管理し、見える化をすることで支出が抑制できたという声もあります。キャッシュレス決済を賢く使っていくことも大事だと思います。

―――どういう方にもっとキャッシュレスを使ってほしいですか

津脇: 地方に住む方や高齢者の方にもっと使っていただきたいと思っています。また、そもそもこの制度を始めたきっかけにもあるのですが、入金サイクルが短いような小さな店舗でも使っていただきたいです。これらを実現させるためにはポイント還元事業が終了する6月以降も、各決済事業者に手数料などさまざまなご協力をいただきたいです。

―――キャッシュレスが目指すところはどこですか

津脇: まずはポイント還元という「お得」なところから始まりましたが、やがては「便利」だからみんな使うとなるように推進していきたいと思っています。

―――ありがとうございました。

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朝日新聞社メディアビジネス局