大学受験シーズンを目前に、受験生たちはラストスパートを切り始める季節。最後まで頑張る子どもたちに、親はどんな接し方や工夫で心身ともにサポートをしてあげられるでしょうか。4人のお子さん全員を東大理Ⅲ現役合格に導いた、佐藤ママこと佐藤亮子さんにお話を伺いました。
親は焦らず、平常心で「声かけ」を
――――大学受験直前の時期です。佐藤さんはこの時期、どんな心構えでお子さんたちと接してきましたか。
この時期になると私は今でも少しそわそわします(笑)。受験生にとって大切な時期ですから、どんな子でも緊張感が増してくるんですよね。親御さんもそうだと思います。そんな中で私が大事にしていたのは、親が「平常心」であることです。
いつも通り、普通にすることですね。これが意外と難しいんですけど、ここで親が焦って落ち着きをなくしたり、逆にゆるみすぎたりしないようにと気を遣いました。そういうのって子どもにも伝わっちゃうんです。だから、普段通りを大切にしていました。
――――子どもさんへの「声かけ」についての近著がありますね。「声かけ」の重要性を教えてください。
朝夜や食卓、塾に行く合間などに「声かけ」をするように常に意識して来ました。子どもって意外なほど、親、特にお母さんが言ったことをしっかり受け止めるものなんですよ。 お母さんの言うことは、親が思っている以上に子どもに「刺さり」ます。
例えば参考書や問題集に子どもが迷っている時、親としては「とりあえず一つ選んでやってみたら」と後押しするんです。そうすると一歩進むことができて、目の前の景色も変わってきますよね。
今の時期は、受験生にはやるべきことがたくさんあります。だから「あと3か月走り抜こうね」と自然と伝えて、「応援してくれているんだな」って子どもにも自然と伝わるように意識しました。うちの場合は、「12月31日の除夜の鐘が鳴り終わるまでには、するべき勉強は終える」というスタンスだったので、年内は「なせばなる」と言い続けてまして。
そして年が明けたら、ここからは体調を整えて本番に臨む時期。だから、「なるようになるよ」。前向きな言葉を心がけています。
子どもに言ってはいけない「NGワード」
――――逆に「NG」な声かけって、ありますか。
ネガティブなことは一切言わないようにしていました。よくあるのが過去の失敗を引きずり出しちゃうこと。「あの時はああだったから今回は気を付けてね」とか思い出させてはダメです。
やっぱり不安や疑問が伝わる声かけは「NG」だと思います。「大丈夫なの?」「どうする?」なんて親に聞かれたら、子どもさんも「大丈夫なのかなあ」と不安に思っちゃうものなんですよ。どうしても親も不安になる時期だし、自分が思ったままのことを口に出したくなっちゃうことって多いんです。でもそうじゃなくて、子どもに寄り添って、一度言葉を呑み込みながら考えてあげたいですよね。
私も子育ての最初のころ、長男の模試の本番直前に色々と注意ごとを言ってしまい、「試験中にママの声が頭の中で聞こえたよ……」と言われて反省しました(笑)。
逆に「頑張りなさい」とか「絶対に合格できる」とかも、言いすぎるとちょっと白々しくなっちゃう。「そんなのやってみないとわからない」って子どもも感じちゃうと思うので。自然に接することが大切だと思います。
受験生を「とにかく優先」 家族に宣言
――――4人のお子さんの育児、家事をしながら受験のサポートもされてきました。生活のやりくりが大変そうですね。
我が家は、「受験生をみんなで応援するんだ!」って共通の理解をしてもらうようにしていました。「とにかく優先させてもらいます」と宣言するんです。だから手のかかる家事は少しだけ他の兄妹に手伝ってもらったり、食事の好みや生活リズムを受験生に合わせてあげたりしていました。
受験や学習で力を発揮できるように、就寝は12時を越さないようにしていました。私が住む奈良から、長男たちが通った灘高校までは電車で片道2時間かかったんです。だから早起きをして6時過ぎに出発して通学していたので、なおさら朝方をキープさせるよう心がけましたね。
食事は唯一の「癒し」 メニューは野菜を温めて
――――食卓はどのような雰囲気でしょう。受験期の食事で工夫されたことはありますか。
昼も夜も勉強に打ち込んでいる受験生にとって、食事って唯一の「癒し」なんですよ。だからとても気を遣いました。この時期は寒いので、鍋物をしょっちゅう作っていましたね。なるべくみんなでコタツを囲んで食事をしていたんですけど、例えば一人だけ塾なんかで帰りが遅くなることがあっても、鍋物なら温め直せば食べられる。便利なんです。
子どもってお肉とかお魚が好きだと思います。うちの子もそうで、野菜はなかなか食べませんでした。ポークステーキの付け合わせのキャベツとか、そういう形じゃないと食べてくれない。でも勉強で力を発揮してもらうためにも、栄養バランスを考えると、もっと野菜を食べてほしいじゃないですか。だから鍋なんです。白菜とかを入れてお肉とかと一緒なら、子どもは美味しく食べてくれるんですよね。
安心して眠るためにも体を中から温めるのが大事だと思って、野菜も熱を通して調理することが多かったですね。他にはシチューとかカレーとかが多かったです、定番ですね。あとはメンチカツに野菜をたくさん忍ばせたりと工夫しました。大人になってから、「メンチカツって本当はもっとお肉が入ってる食べ物だったの?」って子どもに問い詰められたこともあります(笑)。
親も安心の「カロリーメイト」
――――お子さんが勉強を頑張れるように、食事の栄養面に気を配っていたんですね。
そうですね。でも例えば朝が早くて通学時間が長いと、朝食をとってから出かけることって難しかったりもします。夜は塾に行って小腹が空くこともあるし、クラブ活動もありますよね。おにぎりやお弁当を持たせるんですけど、そういう朝・昼・晩の食事に加えて、うちで頼っていたのは「カロリーメイト」なんです。
我が家ではカロリーメイトを買いだめしてずらーっと並べていました。それをみんな自由に取って、塾や学校に持っていく。特にほどよい甘さの「チョコレート味」が子どもたちから大人気だったから、すぐ無くなって。次に人気なのは「チーズ味」でしたね。よく買い足したことを思い出します。子どもたちは、塾に行き始めた10歳頃から「チョコレート味」ばかり食べていたので、「チョコレート味離れ」して他の味も食べるようになった時は、大人になったなあと思いました(笑)。
――――カロリーメイトは5大栄養素(タンパク質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラル)をバランスよく摂れる製品です。子どもの栄養面をサポートする心強い味方ですよね。
そうですね。さくっと食べられるし、いいですよね。特に朝、家でゆっくりご飯を食べる時間がない時でも、元気を出すために何か食べることは大事です。子どもたちも長い電車での通学中に手軽に食べられるので、よく助けられていました。
――――勉強に励む時にも、糖質などひとつの栄養素だけではなくて、5大栄養素をバランスよく摂ることが重要だと言われています。特に受験生は意識しておきたいですね。
我が家でも本当に重宝していました。カロリーメイトって持ち運びやすいサイズなので、物が多い受験生のバッグに入れるときも潰れませんし、リュックの外ポケットに入れたりもできる。子どもが好きな時に、勉強や移動の合間に食べられますよね。 大きさも決まってるから食べ過ぎることもないし、夏でも腐ってしまうことがないですし。それに何より栄養バランスがしっかりしているということで、他のお菓子を持たせるよりも、親としては圧倒的に安心なんです。
受験は子どもと楽しめる「ビッグイベント」
――――それでは最後に、受験生を支える親御さんにメッセージをお願いします。
親御さんには、声かけと食事や栄養を意識して、子どもさんが勉強や試験を頑張れる環境をしっかり作ってあげてもらえればと思います。
受験ってその時はとても大変ですけど、後から振り返れば「家族みんなで頑張ったよね」って思い出すイベントなんですよ。子どもが独り立ちしていく前に一緒に体験できる最後かもしれないビッグイベントですから、ぜひポジティブに楽しんでください。
パフォーマンスを発揮するには、糖質だけでなく、5大栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
佐藤亮子
主婦/浜学園アドバイザー 奈良県在住。津田塾大卒業後、高校で2年間、英語を教える。3男1女を東大理Ⅲに合格させた子育て方法が話題となり、「受験は母親が9割」「佐藤ママの子育てバイブル」などを出版。