朝日新聞

泥くささが魅力 悪路に強い実用性重視の4WD 日産サファリ160系

INTERESTS
2021.05.31

|

標準ルーフの80年型

標準ルーフの80年型

  • 小川フミオ
    モータージャーナリスト

    クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。 <p id="gallery"></p>

自動車におけるトレンドはらせんのように進む傾向にある、と思いませんか。いい例が、今回の「日産サファリ160系」(1980年)。ちょっと前は“武骨すぎる”と思われたものの、いま見ると直線基調のボディーと機能一辺倒のメカニズムが魅力的に見えてくる。

サファリは、1960年発表の「パトロール」の後継。こちら、本格的なオフローダーだった。いまのジャンル分けでは、クロスカントリー型SUVなどという。でも、SUVなどと生やさしいものではなく、林野庁などが山中で使ったりする“業務向け”のモデルだった。

白いハードトップといいボディーデカールといい米国っぽい
白いハードトップといいボディーデカールといい米国っぽい

日産は20年ぶりのモデルチェンジで、サファリのキャラクターを大きく変えてきた。一般の人でも乗れるモデルになったのだ。ただし、初期のモデルでは、本格的な機能と一般的な快適性のミックスぐあいが絶妙。かつ、米国のフォード・ブロンコやジープ・チェロキーに通じるボディーコンセプトを採用したので、バタくささが魅力だった。

実用性重視で荷室が大きいハードトップハイルーフ
実用性重視で荷室が大きいハードトップハイルーフ

米国でトラックと総称されるこれらのクルマは、本国では、スタイリッシュさの対極。でも、ワークブーツやカーペンターパンツに、ある種エキゾチックなカッコよさを見出す価値観からすると、米国人にとって泥くさいほど、魅力が増すのである。

もちろん、サファリはフルモデルチェンジしても、オフロードをしっかり走るという本来の機能は守っていた。ここで取り上げる最初期型は特に、ラダーフレームにリーフスプリングを使った前後固定式のサスペンションを組み合わせ、エンジンも3246ccと大排気量ゆえ低回転で太いトルクを出す直列6気筒ディーゼルと、まさに働くクルマだった。

狭い場所で使い勝手がよい観音開きの荷室ゲート
狭い場所で使い勝手がよい観音開きの荷室ゲート

加えて、日産のデザイナーは、機能主義に裏打ちされたディテールを、あれやこれやと盛り込んでくれた。割れても交換容易な標準規格の丸型ヘッドランプ、大型バンパー、ピックアップトラックなみに広い荷室にハードトップを載せた、基本2人で乗るのが快適な2ドアボディーといったぐあい。

ぜいたくな雰囲気が増したダッシュボード
ぜいたくな雰囲気が増したダッシュボード

ラダーフレームにリジッドアクスルは、いまやごく少なく、スズキのジムニーが思いうかぶぐらいだ。たしかにオンロードでは直進安定性にやや不安があるものの、いっぽう悪路での路面の追従性においては、高い性能を発揮。堅牢な構造も機能主義を重視する4WD車にとって重要なポイントである。

サファリは、ホイールベース2350ミリのこのハードトップと、乗員を運ぶのを目的とした同2970ミリのエクストラバンという二つのボディー。かつ、ハードトップには標準ルーフ(全高1845ミリ)と、ハイルーフ(同1980ミリ)があり、乗車定員も2名あるいは4名と二つの仕様から選べた。

シートはPVC(ポリ塩化ビニル)張りとオフロードテイスト
シートはPVC(ポリ塩化ビニル)張りとオフロードテイスト

サファリのゴツい雰囲気はいまでもおおいに魅力的だ。あいにく、古いディーゼルエンジンは排ガス規制にひっかかり、都府県の一部では乗り入れ規制がある。規制自体は、環境のことを考えると歓迎すべきであろう。昔のディーゼルエンジン車に乗りたければ、指定された粒子状物質減少装置(酸化触媒、DPFなど)を装着すれば走行可能だが、NOx・PM法の規制対象なら(車検)登録はできない。エンジン載せ替え? そこが悩ましい問題だ。

【スペックス】
車名 日産サファリ・ハードトップ標準ルーフ
全長×全幅×全高 4070x1690x1845mm
3246cc直列6気筒ディーゼル
パートタイム四輪駆動
最高出力 95ps@3600rpm
最大トルク 22.0kgm@1800rpm

(写真=日産自動車提供)

フォトギャラリー(クリックすると、写真を次々とご覧いただけます)
REACTION
COMMENT
TAGS
SHARE

BACK NUMBER
この連載をもっとみる

    FOR YOU
    あなたにおすすめの記事

    INTERESTS
    &Travel

    【2025~2026年】年末年始の海外旅行におすすめの渡航先12選 世界の都市・リゾートで過ごすカウントダウン

    ARTS & CULTURE
    &M

    日産×アルファ・ロメオによる幻の合弁車も登場!  ボローニャで開催「アウト・エ・モト・デポカ」2025

    INTERESTS
    &w

    全登場人物が「私」すぎた! 『イン・ザ・メガチャーチ』。高みの見物のつもりがジェットコースターに乗せられてた

    RECOMMEND
    おすすめの記事

    0
    利用規約

    &MEMBER(登録無料)としてログインすると
    コメントを書き込めるようになります。