朝日新聞

ユーザーの“切実な願い”から生まれた真夏の救世主 アルパイン「車載専用DCクーラーECOシステム」

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2026.07.08

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コンパクトな室内機。正面のほか、左右にも吹き出し口を装備している(画像提供はすべてアルパインマーケティング株式会社)

コンパクトな室内機。正面のほか、左右にも吹き出し口を装備している(画像提供はすべてアルパインマーケティング株式会社)

  • 渡部竜生
    キャンピングカージャーナリスト

    会社員からフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、セミナー講師、テレビ出演も多い。著書『キャンピングカーって本当にいいもんだよ!』(キクロス出版)。2輪も4輪も大好きで、飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹と妻ひとり。YouTubeチャンネル「キャンピングカー坊主めくり」開設。

標高の高いところへ行ってもなお、蒸し暑さに寝返りを打つ夏の夜。ならば北へと、北海道へ遠征してみても、本州と変わらない気温に驚く……。

近年の日本の夏は、キャンピングカー泊でもエアコンは「必須装備」になりました。市場には家庭用から車載専用まで、様々なエアコンが登場しています。

そんな中、今年1月末~2月に開催された「ジャパンキャンピングカーショー2026」で注目を集めた製品があります。

カスタムセレクト社のデモ車に搭載されていた「車載専用DCクーラーECOシステム。ひっそりと地味な展示(?)とは裏腹に、非常に画期的なアプローチで注目を集めていました。

洗練されたデザイン。フロントパネルには間接照明も
洗練されたデザイン。フロントパネルには間接照明も

きっかけは、1人の「キャンピングカー乗り」の情熱

まず注目したいのは、そのメーカーです。

カーナビをはじめとするカーエレクトロニクスの雄、「アルパイン」(アルパインマーケティング株式会社/本社:東京都大田区)が、満を持して投入した同社初となるエアコン製品なのです。

さらに興味深いのは、その誕生のきっかけ。

実はアルパインの社員であり、自身も熱心なキャンピングカーユーザーである人が「自分が本当に使いたい、理想のエアコンを作りたい」と立ち上がったことからプロジェクトが始まったのだといいます。

開発者自身が車中泊の苦労を知り尽くしているからこそ、痒(かゆ)いところに手が届く。スペック上の数字だけでなく、実際の「使い勝手」や「安心感」に重きが置かれている理由が、ここにあります。

スリープモードにすれば、スイッチや液晶パネルのバックライトが消える。もちろん間接照明もオン・オフ可能
スリープモードにすれば、スイッチや液晶パネルのバックライトが消える。もちろん間接照明もオン・オフ可能

まず特徴的なのは、室内機の圧倒的なコンパクトさです。幅525mm×高さ290mm×奥行き160mmというスリムサイズで、限られた車内空間を圧迫しません。それでいて冷房能力は8~10畳用の家庭用エアコンに匹敵する2.6kW。バンコン(バンコンバージョン)はもちろん、キャブコン(キャブコンバージョン)に搭載しても十分すぎるパフォーマンスを発揮します。

吹き出し口は正面だけでなく左右にも設けられており、リモコン操作で切り替えが可能。これを活用すれば、日中は車内全体を効率よく冷やし、夜間はベッドルームだけ、あるいはペットスペースだけをピンポイントで冷やすなど、使い分けることができます。

また、インテリアに馴染(なじ)む高いデザイン性も魅力。

間接照明機能のほか、就寝時にはディスプレーのバックライトが消灯できる「スリープモード」など、細やかな配慮もキャンピングカーで寝たことのある人ならではのユーザー目線です。

タフなつくりの室外機。床下に収める前提なので非常に薄型。運転音も静かだった
タフなつくりの室外機。床下に収める前提なので非常に薄型。運転音も静かだった

車載用としての「タフさ」と大手ブランドの「信頼性」

室外機は床下への搭載を前提に開発されていて、非常にコンパクト(幅613mm×長さ372mm×高さ115mm)。

ちなみに、車の床下というのは非常に過酷な環境です。泥水や雨水はもちろん、冬場になれば凍結防止剤(塩分)を含んだ水を浴び、小石などの飛来物にもさらされます。

本製品は、水深1mに30分沈めても浸水しない防水性能「IPX7」をクリア。さらに塩水噴霧試験(JIS Z 2371)や、激しい飛び石を想定した試験(SAE J400)などの過酷なテストをパスしています。ここまで徹底して信頼性を突き詰めるあたりは、さすが日本を代表するモノづくりメーカーです。

万が一のトラブルの際も、全国をカバーするアルパインのサービスネットワークが対応してくれるので、旅するキャンピングカー乗りにとって、これ以上ない安心材料ではないでしょうか。

専用のポータブル電源。ただ電力を供給するだけでなく、室内機・室外機の状態監視などシステムの中核を担っている
専用のポータブル電源。ただ電力を供給するだけでなく、室内機・室外機の状態監視などシステムの中核を担っている

「冷やす」だけにとどまらない、電源まで一括管理

停泊時エアコンを導入する際、多くのオーナーを悩ませるのが「電源をどうするか」という問題です。リチウムイオン電池への換装やポータブル電源の追加など、昨今は選択肢も多く、それだけに悩ましいところです。

その視点で見ると、この製品が「ECOシステム」と名付けられている理由がわかります。エアコン単体ではなく、専用のポータブル電源と周辺機器がセットになった、電源問題のトータルソリューション「システム」として提供されているのです。

注)このエアコンは専用のポータブル電源以外では動きません。

使用するバッテリーは、安全性の高い「リン酸鉄リチウムイオン電池」を採用。容量は1408Whで、約10時間のエアコン駆動が可能です。インバーター能力は1500W、12V出力(10A)、各種USB出力も完備。さらに、万が一のバッテリー上がりに対応できる「12Vジャンプスターター機能」が備わっている点に、カーエレクトロニクスメーカーとしてのアイデンティティーを感じます。

さらに高効率な「走行充電器」や「充電セレクター」などの周辺機器も充実しており、これらがシームレスに連携できるようになっています。もちろん、エクストラバッテリーもラインアップされています。

さらに見逃せないのが、新車だけでなく、今乗っている愛車への「後付け(レトロフィット)」にも対応している点です。カスタムセレクトの佐久間均社長も「レトロフィットには積極的に取り組んでいきたい」と言います。このシステムを導入するだけでキャンピングカーの電源系統を一括してスマートにアップデートできるのですから、魅力的です。

注目の価格は基本システムで693,000円(税込み)。一瞬「高い!」と感じるかもしれませんが、室内機・室外機に加えて専用ポータブル電源がセット。走行充電器や、ハイエース専用の室内外機ブラケットなどのオプションに加え国内メーカーによる手厚いアフターサービスまでが「一気通貫で手に入る」と考えたら、どうでしょうか? 

金額なりの価値は十分にある、むしろリーズナブルとも言えるのではないでしょうか。 

 

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    本当の戦いは、がんの手術の後だった……寄り添い、励ましてくれた主治医

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