世界有数のラグジュアリー船だったシーボーン・ソジャーンを改装し、船名を改め、日本船籍を取得して、華々しくデビューしたMITSUI OCEAN SAKURA(以下、三井オーシャンサクラ)。今年の5月に約35年の歴史を閉じたにっぽん丸の後継船でもある三井オーシャンサクラは、その伝統に、新たなシステムを加え、上質で心地よいクルーズを開始しました。
■連載「上田寿美子 クルーズへの招待状」は、クルーズ旅の魅力や楽しみ方をクルーズライターの筆者がご紹介します。
命名者は誰?
デビュー直前の9月16日、三井オーシャンサクラの命名式が横浜港に係留中の船内で行われました。そして、式典のハイライト・命名宣言で「本船を『三井オーシャンサクラ』と命名いたします」と声高らかに命名者の役目を果たしたのは、三井オーシャンクルーズ一同でした。

これまで、多くの船の命名式に参列し、ロイヤル、俳優、歌手などが命名者を務めるさまを見てきましたが、この船に携わる人々が思いを込めて、心ひとつに命名宣言をしたのもとても重みがありました。
デビュークルーズⅢに乗船 航路は横浜→清水→東京
9月27日。いよいよ三井オーシャンサクラのクルーズに乗船。今回は「デビュークルーズⅢ~清水~」(横浜→清水→東京)の3泊4日のクルーズです。タラップを上り、船に入ると歓迎ラインのお出迎え。にこやかな笑顔と「三井オーシャンサクラにご乗船いただきありがとうございます」という感謝の言葉で迎えられました。しかも客室に到着するまでにすれ違った全ての乗組員から同様の声をかけられ、新しいクルーズに対する期待が膨らみました。
三井オーシャンサクラは、総トン数3万4138トン、全長約198m、客室229室、乗客定員458名。元はイタリアのT. マリオッティ造船所で建造された船なのでヨーロッパの香りを残した船内は、眺望の良い「バー海」や、しゃれた劇場「オーシャンステージ」、加えて、プールとワールプール(ジェットバス)が計七つ。


そして、日本船となったのを機に足湯も新設されました。ここで、足を湯につけながらビールを飲むのも格別のひと時。
屋外にはシャッフルボードやパターゴルフができるエリアもあり、コンパクトな中に優美な面と快活な面が混在する自由度の高さが持ち味といえるでしょう。

食の伝統を受け継ぐ多彩なレストラン
「食」で名をはせた商船三井客船の流れをくむ三井オーシャンサクラは、食事処も多彩。
ドレープを垂らしたエレガントな「レストラン桜」の朝食は和食。大きなかごが登場し、ふたを開けると小鉢、小皿に入った日替わりのお造り、あえ物、煮物、卵料理、焼き魚などが美しく並び、中には名物のドライカレーも。伝統のみならず、上質なものを少しずつという現代のヘルシー志向を感じる籠盛りの和朝食は、ふたを開けるのも楽しみでした。


ウェルカムパーティーの前のウェルカムディナーは洋食でしたが、数種類のスターターやメインから料理を選べます。スターターに選んだのは「魚介と色付き大根のミルフィーユ仕立て、エジプト豆のクリーム添え」。魚介を重ねたミルフィーユと生うに、彩り鮮やかな野菜に白いクリームを取りあわせた一皿は花畑のような美しさ。

メインの「和牛フィレステーキフォアグラ西京焼きマンゴー赤ワインソース」は、さながら和のステーキロッシーニ桜スタイル。このように、繊細な中に和のテイストを忍ばせた料理の数々は、食のにっぽん丸の伝統をさらに進化させた素晴らしさでした。

ビュッフェ料理を提供する「テラスレストラン八重」には、屋外席があり移り変わる海景色を見ながらの食事も可能。

「MITSUI OCEAN スクエア」内のオーシャンカフェではバリスタのいれるコーヒーや手作りペストリー、ジェラートなどがやすらぎの時間を提供してくれました。

このほか、フランス料理の巨匠・三國清三(みくに・きよみ)氏が監修するスペシャリティーレストラン「北斎ファインダイニング」(事前予約制、別料金)、「寿司(すし)バー潮彩」 (デビューシーズンは「寿司おまかせコース」を用意。船上予約制、別料金)もあります。
















