【未来の先生フォーラム・再録】 AIネイティブ世代への授業づくり 東京学芸大学教育学部教授の高橋純さん
教育話題


AIを使いこなすのが当たり前の世代が教室にいる今、従来の授業で本当に十分でしょうか。実は多くの教室では、フル回転しているのは子どもの頭ではなく、教師の頭だけかもしれません。9月14日・15日に桜美林大学新宿キャンパス(東京都新宿区)で開催された「未来の先生フォーラム」。東京学芸大学教育学部教授の高橋純さんが「AIネイティブ世代への授業づくり」をテーマに語った講演をご紹介します。
まずは ICT 活用からはじめよう
探究型の授業づくりを進める際に、「どのような順序で取り組めばよいのか」という観点からお話しします。1人1台端末環境を活用した授業づくりをするとしたら、次のような順序で進めることをお勧めします。
第一段階として、こんなことから始めてみてはいかがでしょうか:
これは一人ひとりに合った授業を展開するために非常に重要です。教える前に、一人ひとりが何を考えているのかをまず把握する練習から始めることが大切です。
この「把握」が意外と重要なのです。以前、「一斉指導以外ありえない」と言っていた中学の数学の先生に、「とにかく把握だけやってください」とアドバイスしたところ、衝撃を受けたようでした。生徒の振り返りを見ると「先生、よく分かりました」と書かれているのに、全然間違ったことが書いてあるんです。
悔しくなってもっと丁寧に指導するようになったら、今度は「丁寧すぎる」という苦情が出てきました。ある時、一人の子どもが教室から出て行ってしまい、追いかけっこが始まってしまった。生徒が自分で学習を始めたのですが、その日の振り返りを見ると「先生がいなくて主体的に勉強できた」と書かれていました。それから先生は「生徒たちは自分でやりたいんだ」と気づいて、自分の指導法を変えていったのです。
一番の原動力は、一人ひとりの子どもの反応を見ながら授業を組み立てていくことです。地域や学校の状況によって最適な方法は異なりますので、「唯一無二の方法」はないと思ってください。そういう意味で、学習状況や振り返りをスプレッドシートなどで見ていくことは非常に重要です。
さらに学習成果をドキュメントやスライドなどでまとめていくことも効果的です。これらから始めていくといいでしょう。
子どもの主体性を引き出す初期指導
ただし、ここまでの取り組みだけでは「授業の単なるデジタル化」に留まってしまいます。腕のある教師なら、こうした変化だけでは物足りないと感じるでしょう。探究学習を本当に実現するためには、初期指導がとても重要です。この初期指導で大切なのは以下のポイントです:
特に協働学習については誤解が…
先生コネクト会員の方はこちらからログインしてください












