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国が描く2040年の高校像 全国高校長協会長が語る理系増への策は

2026.02.17

 2040年に向けた高校教育改革の「グランドデザイン」が、今月、文部科学省から発表された。少子化による定員割れと再編の波が押し寄せる中、AI時代の人材育成や、多様な学習ニーズへの対応などを求める内容だ。国が描く将来像をどう受け止めるのか。全国高校長協会長として有識者会議の議論にも加わる内田隆志さんに聞いた。

 ――改革の三つの視点として、①不確実な時代を自立して生きる主権者としてAIに代替されない能力や個性の伸長、②国や地域の経済・社会の発展を支える人材育成、③多様な学習ニーズに対応した教育機会・アクセスの確保、が示されました。

 まず、第一に、これまで自治体任せだった高校教育に国が本気で乗り出し、支援をしていく動きになったことは、非常に評価しています。高校は人材教育の一番大切な時期でもありますから。

 高度成長期から続くこれまでの日本の高校教育では、普通科も専門学科も、何かをやりとげることをめざした指導がなされてきました。でも、先の見えないこれからの時代は、学ぶ内容がいかに今後の社会に有用で、かつ自分がやりたいことにマッチしているかという観点で、生徒自身が学ぶ内容や高校を選び、進路を決める教育に転換していかなければいけない。

 授業も、決められたことを丁寧に教えるだけではなく、学びがおもしろく、知りたくなる仕掛けがこれまで以上に必要になります。教員と生徒がキャッチボールしながら、学びを深めていくことが、より大切です。

■空き教室を実験・自習室へ転換

 ――普通科は、理系に進む生徒を増やし、2040年までに文理同程度にして、将来的には文理融合するという目標を立てています。

 理数系人材を増やそうという国の方針は、社会構造自体が変わる未来を考えれば理解できなくはありません。問題はどう増やすのかです。高校入試や大学入試で数学や理科の配点を高めるような、表面的なことでは実現できない。

 「科学の世界っておもしろい」「数学はこんなことに役立つんだ」「情報はいろんな分野で使える」などと、生徒自身がわくわくする体験ができるかどうか。「これ、おもしろいな」と思えれば、その分野を学びたい意欲は自然に高まります。

 本気で高校改革をするなら、数学や理科、情報などを自身も楽しみながら、おもしろく教えることができる専門的な教員を育てる。少人数で学べる環境を確保し、実験・実習ができる設備を整えることも必要です。少子化による空き教室を実験・実習室に転換し、生徒は減っても、専門性の高い教員の数は変えずに配置して、手厚い教育で興味関心を高めていく。

 こうしたことは、少子化が進む地方の高校の方が早く実現できるでしょう。育てた生徒を地域で積極的に採用していけば、高校による地方再生も可能かもしれない。

■自由に使えるお金と時間が鍵

=朝日新聞デジタル版2026年02月15日掲載

朝日新聞デジタル版の「教育・子育て」ページはこちら
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