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企画・制作 朝日新聞社メディア事業本部

2月最終日は「世界希少・難治性疾患の日」心臓のまれな病気も診断・治療できる時代へ

国内の患者数が5万人未満の病気「希少疾患」は、情報の少なさや診断の難しさなどから、
適切な診断・治療までに長い年月がかかってしまうケースが少なくありません。
今回は、心臓をはじめとする循環器の希少疾患・病態である「心(しん)アミロイドーシス」と「ファブリー病」にフォーカス。
その全体像を高知大学の北岡裕章先生に、症状や治療のいまを久保亨先生に聞きました。

その心不全、原因は
「希少疾患」の可能性も

北岡 裕章 先生

北岡 裕章 先生
きたおか・ひろあき/高知大学医学部老年病・循環器内科教授。高知大学医学部附属病院内科(老年病・循環器)科長。「心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)」班長、「2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン」班長。

気になる症状、ありませんか?

足のむくみ、動悸(どうき)や息切れ、以前より疲れやすい、急に食欲が落ちた、急に体重が増えた──。こうした症状に心当たりがある方はいませんか。これらの症状は、心臓のポンプ機能の低下「心不全」によるものかもしれません。全身に十分な血液を送り出せないことで、酸素や栄養が足りなくなったり、血液がうっ滞したりしているのです。

特に高齢の方の場合、「年だから仕方ない」と見過ごしてしまいがちですが、放置すると重症化し、命に関わる可能性があります。症状がある場合は、早めにかかりつけ医を受診しましょう。最初に行われる検査は、レントゲンや心電図、採血、心臓超音波検査といった一般的なものです。その後、必要に応じて、心臓MRI検査や心臓カテーテル検査などを行うこともあります。

希少疾患の診断・治療に進歩

心不全の原因となる疾患は、主に「心筋梗塞」「高血圧」「心臓弁膜症」、そして、心臓の筋肉(心筋)の異常によって心臓の働きに異常をきたす様々な病気「心筋症」に分けられます。このうち心筋症は、その多くが原因不明です。そのため、“治す”ことを目指す治療ではなく、むくみや息切れといった症状を“和らげる”ための治療が主流でした。

しかし、ここ10〜20年の間に、状況は少しずつ変わりつつあります。様々な心筋症の病態の解明が進み、診断・治療の方法が進歩してきたのです。

例えば、心筋症のなかでもまれな疾患とされてきた「心アミロイドーシス」や「ファブリー病」。新しい診断法の確立と、専門家による診療ガイドラインの策定によって、「診断」の流れが明確に。「別の病気と診断されていたが、実は心アミロイドーシスだった」といったように、見逃されていた希少疾患が見つかるケースも出てきています。また「治療」も、日進月歩の発展を遂げています。

希望を持って治療に取り組んで

かつては、「希少疾患」というと、「治療が難しく予後が悪い病気」というイメージがあったかもしれません。ですが、いまは希少疾患のなかにも、診断・治療できる病気があります

今後も、希少疾患のよりよい診断・治療の確立に向けて取り組んでいきます。患者さんやご家族も、希望を持ってともに歩んでいきましょう。