PROGRAM

2024年度 かんきょう新聞

出張授業

持続可能な社会の実現のために
~長く住み続けられる家の大切さを学ぼう~

旭化成株式会社
授業の内容
  • ・日本の家が使われる期間は
  • ・家の建て替えが環境に与える影響
  • ・長持ちする家に必要なこと
  • ・住みやすさと安心のためにつながりを
  • ・みんなで考える理想の家と街
講 師
河合慎一郎先生
旭化成ホームズ株式会社
LONGLIFE総合研究所 所長
河合慎一郎先生
「柱を少なくすれば壊す時に二酸化炭素を減らせるかも」など斬新な発想が飛び交う
「柱を少なくすれば壊す時に二酸化炭素を減らせるかも」など斬新な発想が飛び交う

日本と海外で異なる家に対する考え方

「日本の住宅が建てられてから壊されるまでの期間は、どれくらいでしょう?」。先生から出題されたクイズに、考えを巡らせる子どもたち。「正解は、平均で約38年。一方、アメリカの住宅は約55年、イギリスはなんと約68年にもなります(※)」

日本には、古くから物を大切にする精神が根付いている。それを象徴する「もったいない」という日本語は、循環型社会を目指すキーワードとして世界中で注目を集めた。しかし不思議なことに、「家づくり」においてはその精神が十分に発揮されていない。ここには、日本と海外における家に対する考え方の違いが反映されていると先生は話す。

「現在の日本では、自分たちが住むために家を新しく建てるという考えが一般的です。しかし、欧米には、家は世代を超えて受け継いでいくものだという考え方の人がたくさんいます。だから、何十年も先を見据えて家を建てたり、古い家をリフォームして使ったりするのです」

家を建て替えるとなれば、多くのゴミを処理しなくてはならない。当然、それによって二酸化炭素の排出量も増加する。「1軒の家を建て替えるときに出る二酸化炭素の量は、およそ3万5000㌔グラム。これは100人が1年間生活して排出する量に相当します」

日頃から環境問題について学んでいる子どもたちは、「すごい排出量だ!」とすぐにピンと来たよう。あちらこちらから驚きの声が上がった。

※出所:国土交通省 令和5年度 住宅経済関連データ

出所:第4回日本LCA学会研究発表会講演要旨集(2009年3月)、住宅金融支援機構資料、EICネットより算出

長く住み継ぐために大切なことは

旭化成ホームズのHEBEL HAUSは、「つくる・まもる・いかす」という三つの視点を大切にしながら家づくりを進めている。よいものを「つくる」ため、省エネと創エネによるゼロエネルギー型住宅の開発や、高性能な断熱材の導入を推進。また、家を「まもる」ことで長く使ってもらうため、60年におよぶ無償点検を実施。さらに、一度建てた家を「いかす」ため、住む人に対しては、手入れをしながら長年大切に住み継ぐ欧米型の住まい方を提案しているのだという。

「家を建てて終わりではなく、その後もよい状態を保ち続けることが、地球の環境を守っていくためにも重要だと考えています」

みんなで考えた理想の家と街

「登校する時、みんなはご近所の人にあいさつしているかな?」「はい!」。先生は、質問の意図を明かす。

「約30年前、阪神・淡路大震災が発生しました。こういう大規模な災害時には、まず警察や消防に助けを求めますよね。しかし、実際に救助された人が『誰に助けられたか』を調べたところ、8割近くが『家族や近隣住民』だったのです」

つまり、普段から近所の人々と助け合える関係を築いておくことが、緊急時に備える意味でも大切だということ。そこでHEBEL HAUSでは、近隣の住民同士が自然に仲良くなれるよう、子育てやペット共生などをテーマにした地域のつながりづくりにも注力しているという。

授業の集大成は、「理想の家と街」を考え発表するグループワーク。「正解はないので、自分がいいなと思える家を考えてください」と先生。子どもたちからは、太陽光発電や地震に強い構造などを取り入れた家などのアイデアが数多く発表された。

家という身近なテーマを通じ、環境と命を守ることの大切さを学んだ子どもたち。地球にも人にもやさしい未来の実現に向けて、この授業で学んだことも、きっとどこかで役立ててくれることだろう。

理想の家の特徴と、その理由を発表
積極的にクイズに答える子どもたち
「イラストでもOKです」と先生からのアドバイスも。
時間ギリギリまで熱心に書き込んでいた

出張授業を終えて

杉並区立富士見丘小学校 (東京都/2024年10月21日)
杉並区立富士見丘小学校の出張授業
遠藤圭教諭
遠藤圭教諭

 子どもたちに知っておいてほしいけれど私たちでは上手く説明できないことについて、企業のプロフェッショナルの方から伝えていただける素敵な時間になりました。わかりやすくするためにクイズなども盛り込んでいただき、子どもたちの反応からも新鮮な学びであることが伝わりました。

神戸市立本山南小学校 (兵庫県/2024年11月19日)
神戸市立本山南小学校の出張授業
前田悠爾教諭
前田悠爾教諭

 普段の授業でもSDGsを取り扱うことが増えているなか、企業の方から「家」という身近なテーマで具体的に学ぶことができたのは、子どもたちにとって貴重な経験だったと思います。私たち教員としても、引き続き環境への関心を高められるような授業づくりに注力したいと感じました。

かんきょう1日学校

講 師
河合慎一郎先生
河合慎一郎先生
旭化成ホームズ株式会社
LONGLIFE総合研究所 所長
かんきょう1日学校:旭化成株式会社の様子1
河合先生は、HEBEL HAUSが家づくりで大切にしていることや、物を大事に使うことの意義について授業を行いました。

「日本の家は建ててから壊されるまで、平均何年使われているでしょうか。3択です①約40年②約80年③約120年。どれでしょう」と、まずはクイズでウォーミングアップです。答えは約40年。アメリカの約60年、イギリスの約70年に比べると、短期間で壊してしまうことがわかります。これは、日本にみんなで住み継ぐ文化がないからだと先生は説明しました。家を1軒壊して新しく建てると、約3万5千㎏、100人の人間が1年間に出すCO₂に匹敵する量が排出されます。家を長く使えればゴミが減り、CO₂排出量が削減できるため地球温暖化防止にも貢献できます。

HEBEL HAUSでは家を長持ちさせるために、三つのことに取り組んでいます。

①「よいものをつくる」。災害に負けないよい家をつくること。また、ご近所づき合いが生まれる環境づくりにも目を向けています。阪神・淡路大震災では、助けてくれた人の約77%は家族や近隣の人でした。日頃からのご近所同士の付き合いが共助の心を育み、いざという時に命をつなげます。②「きちんと手入れする」。HEBEL HAUSは無料で60年間点検を実施しています。③「古い家をいかす」。家をリノベーションして住み継いでもらっています。

先生は、「一人ひとりが物を大切にすることに取り組んでくれたらうれしいです」と話しました。
HEBEL HAUSでは、長持ちの家に大切なことの一つとして、ご近所同士が自然に仲良くなれる環境づくりや、ペットにも飼い主、地域の人とのお付き合いにも心地よい住まいを提案している。日頃からご近所同士が顔見知りだと、まちの防災力の向上にもなる。
  • かんきょう1日学校:旭化成株式会社の様子2
  • かんきょう1日学校:旭化成株式会社の様子3
  • かんきょう1日学校:旭化成株式会社の様子4

豊かな地球環境と子どもたちの
未来を守るために

朝日賢一さん
環境活動につながる好奇心を育むために
旭化成株式会社 広報部 ブランドコミュニケーション室長

朝日賢一さん

旭化成グループは「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献する」というミッションを掲げ、「健康で快適な生活」「環境との共生」の実現を通して新たな価値を提供していくことを目指しています。

かんきょう1日学校では「長く住み続けられる家の大切さ」について授業し、「よいものをつくる」「きちんと手入れする」「古い家をいかす」ことが大事であることを、HEBEL HAUSの取り組みをもとに紹介しました。授業を聞くお子さんたちの真剣なまなざしやワクワクした表情がとても印象的でした。

環境学習には、くらしの中で「なぜ」を見つけ、答えを知りたいと「調べる」ことが大切です。楽しみながら続けることで、皆さんのエコアクションを確立してほしいと思います。

当社グループは、“次世代育成”の観点で、人財と技術を有効に活用し、特色ある活動を展開していきます。(談)

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