
おいしい国産の食べ物を作ってくれている生産者ですが、2015年からの5年間で約39万人も減少しています※。 その主な原因は、高齢化や農村地域人口の減少と言われています。
※農林水産省「2020年農林業センサス」による。
主な産業別高齢者就業者及び割合(2019年)

出典 : 総務省「労働力調査」
そこで、人手不足に悩む産地や生産者は、海外からの研修生(技能実習生)の受け入れや観光業など他業種の人たちの協力を得ながら、問題解決に取り組んでいます。でも、現在はコロナ禍のため、海外から日本への入国が難しく、新たな研修生をなかなか迎えられません。
一方で、コロナ禍で苦境にある観光業の人や副業希望者などが、「一時的な職場」として農業のサポートを選択し、農繁期の収穫作業や選別、箱詰めなどの出荷作業を支えています。また、地域特有の「食」や「農業」を体験して楽しむ、農山漁村滞在型旅行「農泊」への関心が高まっており、農業に興味を抱く人が増えています。

農家さんの減少は深刻な問題です…。 農地の面積は、約50年前と比べると、約140万ha(日本で3番目に大きい福島県より広い面積)も減ってしまっているそうです…。※ コロナ禍でも、農家さんや地域の方など、様々な人たちの協力のおかげで、わたしたちの食卓に新鮮で安全な食材が届いているんですね。
※農林水産省「荒廃農地の現状と対策について」(2020年4月)による。

人手不足が深刻化するなか、JA全農おおいたでは、就農希望者に限らず、農業に関心を持つ人に対して、農業1日体験や農業アルバイト、プロ農家への弟子入りなど、希望に合わせて農業を支えることができる機会を提供しています。また、JAにしうわ(愛媛県)は、JAふらの(北海道)、JAおきなわ(沖縄県)と連携し、各地の農繁期に合わせたアルバイトの募集を行うなど、3地域をまたぐ人材の「産地リレー」を展開しています。この取り組みを通じて、本格的に就農を目指す人もいるそうです。
JAの様々な取り組みを通じて、日本の農業は成り立っているんですね。 農業1日体験や農業アルバイトは、農業の魅力を感じる「きっかけ」にもなっているんですね!


地域のおいしいものと消費者をつなぐファーマーズマーケット(農産物直売所)を利用したことはありますか?地域の旬の食材を取り扱うJAのファーマーズマーケットは、どこに行っても盛況です。「新鮮な農産物」「生産者がわかる安心感」が魅力です※。朝早い時間、多くの生産者がとれたての果物や野菜を運んでいて、新鮮さは折り紙付きです。商品の近くには、生産者の名前や顔写真が載っており、ファンになる方がたくさんいます。また、生産者の直接搬入だからこその価格設定も嬉しいポイントです。地元の農業・生産者を応援したい人から強く支持されています。
※JA全中「利用者ヒアリング調査(平成29年10月)」による。




農家さんの名前や顔がわかるってすごい安心!農家さんとの距離も近くに感じますね。 わたしもJAのファーマーズマーケットに通って、旬のおいしい食材で季節を感じたいです!
「豊富な品揃え」も、ファーマーズマーケットが人気の理由です。同じ野菜などが品種違いで複数並んでいますが、これは消費者のニーズを意識しているからです。例えばトマトなら、糖度の高さ、すっきりした酸味、黄色・オレンジ色などカラフルな品種のように、食味や見た目が異なるトマトが陳列されています。
食材の特徴が明記されたPOPや、商品に詳しい店舗スタッフの声を参考にすれば、迷わずに楽しく、レシピに合う食材を選ぶことができ、料理の幅も一層広がりそうです。
食材の種類が豊富だと、どんな料理をつくろうか、ワクワクしますよね! JAのファーマーズマーケットには、「食育ソムリエ」の資格を持つ人など、食材に関する専門知識が豊富なスタッフさんもいるんですって。 旬の食材を使った、おすすめの食べ方やレシピを教えてほしいですね!


また、ファーマーズマーケットで見逃せないのは、地元企業や生産者自身が手がける加工品。菓子、ジャム、漬け物、パンなど、素材の味を生かした、地元ならでは・生産者ならではの商品も人気を博しています。

白くて艶やかで、おいしい日本のお米。皆さんは毎日食べていますか。日本人の主食として欠かせない食材ですが、実は、1人当たりの消費量は年々減少しています。国民1人・1年あたりの消費量は、約50年で、なんと半分以下まで減ってしまっています!
米、肉類、油脂類の1⼈・1年当たり消費量の変化

出典 : 農林水産省「食料需給表」令和元年 注 : 1人・1年当たり供給純食料を記載
朝忙しくて朝食を抜いてしまったり、食の多様化でお米以外を食べる機会が増えたり、お米を炊くのが面倒だったり…消費量の減少については、様々な理由が考えられますが、「お米を食べると太りそう」というイメージも原因にあるようです。しかし、それは誤解です!「糖質=太る」のイメージかもしれませんが、糖質には様々な種類があり、お米の糖質「でんぷん」はゆっくり消化されるため、血糖値の上昇が穏やかで腹持ちがよく、体脂肪になりづらい特徴があります。カロリーも脂質の約半分です。
また、お米を中心に、魚・肉・野菜・海藻・豆類などのおかずをバランスよく食べることで、より栄養バランスのとれた食事になります。
そして、お米の価格も魅力の一つです。一般的なお米(5㎏)の平均小売価格は2,070円。茶碗1杯に換算すると、たったの約27円※です。家計に優しいことがわかりますね。
※農林水産省「米をめぐる関係資料」(令和2年)による。

文部科学省「七訂日本食品標準成分表」より算出による。

お米は太る!というのは誤解なんですね! 健康にもお財布にもやさしいなんて、やっぱりお米は毎日の食事に欠かせませんね! 日本人の主食として、わたしたちの生活に欠かせないお米を取り巻く状況が気になります…。
このままお米の消費量が落ち込んでしまうと、お米の生産者が減ってしまい、国産のおいしいお米が手に入りにくくなってしまうかもしれません。
さらに、お米を育てる田んぼが減ることで様々な弊害も出てきます。例えば、田んぼは、大雨の時の洪水や土砂崩れを防いだり、多様な生き物のすみかになったり、様々な役割があります。
お米を育てる田んぼは、様々な生き物のすみかにもなっているんですね。 大雨などによる災害を防ぐ役割があるなんて知りませんでした…国内でお米を作ることは、わたしたちの日常生活や環境を守るうえでも、とても重要なんですね。 国産のおいしいお米をずっと食べ続けたいけれど、このままでも大丈夫なのでしょうか?

お米を炊くのが面倒…という方には、無洗米や、温めてすぐ食べられるパックご飯もあります。お米は、世界に誇れる日本の主食です。環境面でも重要な役割を発揮するお米を、わたしたちがたくさん食べて、未来につないでいきたいですね。

「なんだか体が疲れやすいなぁ…」と感じる時はありませんか?
それは、食生活を見直すサインかも!?ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含む果物や野菜が不足すると、生活習慣病のリスクが増えたり、体の免疫力が低下するなど、体調不良の原因になってしまいます。
厚生労働省は、1日あたりの摂取目標として、果物200グラム、野菜350グラムを掲げていますが、若い世代ほど果物や野菜の摂取量が少ないのが現状です。
果物・野菜の摂取目標と年齢別平均摂取量

出典:厚生労働省「2018年国民健康・栄養調査」
摂取目標量が多い…と感じるかもしれませんが、果物の場合、みかん2個または、りんご1個で約200グラムです!野菜は加熱するとかさが減ります!そして、ポイントは、国内で生産される果物や野菜が収穫されるタイミング、いわゆる「旬」を意識することです。「旬」の時期は、おいしいだけでなく、栄養価も高くなり、また、生産量が多くなることで価格が安定する傾向があります。

ここで、国産の果物と野菜を食べたくなる、食材の「機能性」についてお伝えします!昔から、「りんごやトマトが赤くなると医者が青くなる」と言われていますが、皆さんは、果物や野菜が持つ機能をご存じですか?
果物

野菜


果実と野菜に含まれる栄養・機能性は世界でも注目されており、国連は2021年を「国際果実野菜年」に設定し、果実や野菜の魅力を広く伝えています。みずみずしく、味わい深い国産の果実と野菜を毎日楽しみたいですね。JAグループも、「国際果実野菜年2021」のオフィシャルサポーターとなっています。

