2023年1月30日
企画制作:朝日新聞社メディアビジネス局 広告特集
PR:小野薬品工業株式会社
高等学校においての「がん教育」が、2022年4月から本格的に始まりました。大阪府立北野高等学校では2022年12月に「がん出張授業」を実施。講師として大阪国際がんセンター総長で大阪対がん協会会長も務める松浦成昭先生の講義によりがんに対する正しい知識を学びました。また、元SKE48メンバーでがんサバイバーの声優・矢方美紀さんのメッセージ動画の視聴により、がん患者さんの想いに触れました。
松浦 成昭 先生
大阪国際がんセンター総長・大阪対がん協会会長
松浦 成昭 先生
大阪国際がんセンター総長・大阪対がん協会会長
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今回の「がん出張授業」は、2022年1月にがん教育に携わる専門医や行政担当者、教育関係者が集まって開催された「がん教育大阪サミット」を受けて行われたものです。サミットでは、がん教育を行う上で現場の課題やニーズを抽出し、生徒に適した教材が必要ではとの意見が挙がってきました。このため、がん経験者の体験談を伝えるビデオ教材として、元SKE48メンバーでがんサバイバーの声優・矢方美紀さんのメッセージ動画を作成し、大阪府内の高等学校で授業を実施することになりました。
大阪府立北野高等学校で行われた「がん出張授業」の参加者は、2年7組の生徒40人。まず、担当教員から生徒たちへの事前アンケートの結果が報告されました。「がんと聞いてどのようなイメージを思い浮かべますか」という問いに、「身近な病気」と答えた生徒が最も多く、次に「長い期間の入院が必要」と続きました。「がんは怖い病気だと思いますか」という質問には、実に9割以上の生徒が「そう思う」と答えています。担当教員から「がんの特徴や現状について、今日はしっかり学びましょう」と呼びかけがありました。
矢方さんのメッセージ動画(詳細は下記参照)を視聴した後、松浦先生の講義がスタート。最初にがん(悪性腫瘍)とはどんな病気か?を皮膚の細胞をイメージしたイラストを用いて説明しました。「皮膚の細胞は常に少しずつ増えて入れ替わっています。正常な細胞は周囲の細胞と協調しながら必要な時に増えて、必要がなくなれば増えるのを止めます。がん細胞は協調性がなく、自分勝手に増えたり、隣に侵入したり(浸潤という)、違うところに飛んで侵入し住みつきます(転移という)」
「がん細胞はある日、細胞に何かが起きて生まれます。人の細胞の大きさは20ミクロン(0.02mm)くらい。私たちが肉眼で見えるのはだいたい1mmですから、がんになっても初期は目では見えません。しかし、がん細胞が1個から2個、2個から4個、4個から8個と増え、何百個、何千個と集まって塊ができると目に見えるようになり、気づくことになります。つまりがんとは、細胞が異常に増えて塊を作る病気です。それがどんどん大きくなって増殖したり、あちこちに広がったりして体の機能を奪うため、放っておくと死に至ります」と、がんがどのような病気かをわかりやすく伝えました。がんは体のどこにでもできるもので、特に大腸や肺、胃など体の外とつながっている臓器にできやすいことにも触れました。
松浦先生は、がんの原因(がんがなぜできるのか?)についてもイラストで紹介。「もともと正常細胞には、周りの細胞と協調しながらゆっくり増えるための遺伝子があります。その遺伝子の一部が喫煙や不良な食事習慣、ウイルス、放射線、遺伝などが原因で変化し、自分勝手に増え続ける遺伝子になってしまいます。長年にわたって、複数の遺伝子の異常が蓄積するとがんができると考えられています」と話しました。
日本のがんの現状についてもグラフを用いて説明。がんは1981年から日本人の死因のトップであることや、がんにかかる人は高齢者に多く、男女比では男性の方が女性よりも多いことを紹介しました。また30~55歳の世代では乳がんや子宮がんのために、女性の方ががんになる人が多いことや、15~39歳のAYA(Adolescent & Young Adult)世代と呼ばれる人たちのがんも増えている点にも触れられました。「今、日本ではがんになる人は増加の一途をたどり、2人に1人が生涯でがんになるといわれています。しかし、医学の進歩でがんの治療成績は着実に向上し、最新のデータでの5年生存率は60数%。現在のデータは5年後に出るので、5年後には70%くらいになっていると言われています。がんは6~7割の人が治りうる病気になっているのです」と、がんを克服する人が多くなっていることにも言及しました。そして、がんを克服したのち普段通りの生活を送る人も増え、「がんと共生する時代」になっている現状も伝えられました。
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「がんが見つかるきっかけは、何らかの症状があって病院に行って発見される場合と、検診で発見される場合とがあります」と松浦先生。X線などを使った画像検査や、細胞を顕微鏡で調べる病理検査などでがんは診断されるといい、実際の検査画像を紹介しました。
がんの治療については、「がんの治療は手術、放射線治療、薬物治療の3本柱です」と説明。最新のロボット手術では、手先のように先端が自由に動くため手術しやすく、傷が小さいことから体への負担が少ない手術ができることを話しました。進歩しているロボット手術は、へこみがあるへそから器具を入れて行うもので、術後の傷がわかりにくくなります。放射線治療は放射線のエネルギーを使って、がん細胞を消滅させたり少なくしたりする治療で、松浦先生はがんにうまく放射線を当てる技術がずいぶん進んできていると説明しました。薬物治療では、がん細胞を殺す抗がん剤や、がん細胞を構成している分子に作用する分子標的薬などがあり、近年注目されている多数の遺伝子の異常を調べてその異常のある遺伝子を標的に治療を行うゲノム医療が始まっていることにも言及。生徒たちは、真剣な表情で松浦先生の話に聞き入っていました。
がんは治療した後、経過を5年くらい診ないと、治ったとはいえません。松浦先生は「がんはつらい病気であり、私たちは、がんによる体や心のつらさを和らげる緩和ケアも大事にしています。がん患者さんは、がんを治したいという想いとともに、早く回復して元の生活に戻りたいという気持ちがあります。みなさんの世代でいえば、勉強や運動などができることですね。私たちはそのような生活ができるように支援していますし、仲間同士で勉強を手伝ってあげるなどの支えも必要です」とがん患者の想いやサポートについて話しました。
最後は、がんの予防について説明。「がんの予防には、生活習慣の改善などでがんの発生そのものを予防する一次予防と、検診などで早期にがんを見つけて治療し治療成績を上げる二次予防があります。日本人の肺がんと胃がんでは、喫煙が危険因子であることがわかっています。喫煙はその他のがんのリスクも上げることがよくわかっており、本人だけでなく煙の影響で周囲の人もがんになるリスクが上がります」と松浦先生。国立がん研究センターが、がんになるリスクを下げるものとして5つの健康習慣「禁煙する、節酒する、食生活を見直す、適正体重を維持する、体を動かす」を推奨していることも話しました。
検診を受けることも大事で、国は5つのがん検診(肺がん・大腸がん・胃がん・乳がん・子宮がん検診)を推進しています。松浦先生は大阪府がん登録データ(2007-09年)のグラフを使い、検診でがんが見つかった人の方が、検診以外で見つかる人よりも5年生存率が高いことを説明。定期的ながんの検診の重要性を伝え、授業を締めくくりました。
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聴講した生徒からは、
活発な質問がありました-
転移のある進行したがん患者さんに、どのような治療をするのですか?
手術でがんが取り切れないと、残ったがんがまた大きくなります。そのため、転移がある場合には手術をせずに、薬で治療することが一般的です。薬だけで完全に治すことは難しいことが多いです。
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がん罹患(りかん)率のデータを見ると、性別では男性が、年齢別では高齢者が多いのですがなぜですか?
男性は女性より約1.3倍がんにかかる人が多いのですが、理由はまだわかっていません。高齢者になるほどがんにかかりやすいのは、遺伝子の異常が蓄積するからと考えられています。がんになる人が増えているのは高齢化が一番の原因です。
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がん治療をする医師の目標として、罹患率と死亡率のどちらを下げることを優先されるのですか?
私たちはまず、死亡率を下げることに全力をあげています。がんの5年生存率が8-9割になれば、がんはそんなにこわい病気ではなくなるでしょう。罹患率を下げようとすると、がんになる前の予防・検診が大切です。これには、医療と行政が協力して取り組む必要があります。
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がんが見つかってから治療が終わるまで、治療費はどれくらいかかりますか?
初期のがんなら手術するだけで終わることが多く、治療法にもよりますが手術代は100万~300万円ほどです。日本には公的医療保険があるので3割負担ですみますし、多くの場合は高額療養費制度で上限が決められており、1カ月あたり数万~10数万円の負担ですみます(所得により異なる)。
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がんサバイバー・矢方美紀さん
(声優)の動画を視聴
アイドルから声優に進み始めた25歳の時に乳がんになった矢方美紀さん。手術から5年が経った今、声優をしながら治療を続けています。矢方さんが高校生に向けて語ったメッセージ動画「がんを乗り越えて」(制作:小野薬品工業。約10分)では、乳がんと診断された経緯や治療について触れており、手術の後に通院しながら抗がん剤治療を5カ月、放射線治療を1カ月行い、再発を防ぐために現在もホルモン治療を受けています。矢方さんは、抗がん剤治療で脱毛した時に、友達が以前と同じように接してくれたことに救われたそうです。声優としての仕事ができるのか不安を感じていたところ、医師から仕事の継続を勧められ、仕事ができることで気持ちが前向きになったと言います。「がんを克服しながら普通に生活しているがん患者さんがたくさんいます。がんは決して怖い病気ではありません」とメッセージを送りました。
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授業後には、生徒への事後アンケートを実施しました。今回の授業の満足度は「満足した」「まあ満足した」がそれぞれ半数で、「あまり満足しなかった」「満足しなかった」と回答した生徒はゼロという高い評価でした。この選択肢を選んだ理由については「がんのでき方についての説明がとてもわかりやすくて、正しく理解できた。楽しくてあっという間だった」「がんの発生の過程などをイラストとともに、わかりやすくスライドで説明していただき、がんに対する理解度が深まったから」「がんに対するイメージが変わった」「がんについて考え直す良い機会になった」などとあり、がんが発生する過程や最新のがん研究など今まで知らなかったがんの正しい知識を得たことが満足度につながったようです。
がんサバイバー・矢方さんの動画「がんを乗り越えて」、松浦先生の講義とも、「理解できた」「満足した」の割合が高く、一定の理解が得られたと考えられます。「がんサバイバーの動画を見て、がんに対するイメージは変わりましたか」という質問には、「変わった」「どちらかというと変わった」と回答した生徒が約7割。生徒のがんに対するイメージが大きく変化しました。コメント欄には「がんを抱えながらもあんなにいきいきと生きていけるんだと知った」などの声がありました。松浦先生の講義についても、約半数の生徒ががんに対するイメージが「変わった」「どちらかというと変わった」と回答。がんの予防や対処法などが正しく伝わり、がんを必要以上に恐れることはないと理解したことがうかがえます。「このような特別授業があったらまた参加したいですか」という問いには、「参加したい」「まあ参加したい」と回答した生徒が約9割、満足度の高さが次回以降の参加意欲につながっているようです。
- 【共 催】 小野薬品工業株式会社、朝日新聞社メディアビジネス局
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【後 援】
文部科学省、大阪府、大阪府教育庁、日本医師会、大阪府医師会、
大阪対がん協会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会