2024年3月24日
広告特集 企画・制作:朝日新聞社メディア事業本部
PR:小野薬品工業株式会社
生涯で日本人の2人に1人が「がん」にかかるといわれる現代。がん予防・がん検診の推進とともに「正しい知識の普及・啓発」が重要となっています。
2020年度の学習指導要領改訂により「がん教育」が組み入れられ、高等学校では2022年度から必修化。がんを正しく理解し、誰もが身近な病気として向き合っていくために、大阪の高等学校3校で、大阪国際がんセンター総長・大阪対がん協会会長
松浦成昭先生を講師とした出張授業が実施されました。
講師
松浦 成昭 先生
大阪国際がんセンター総長・大阪対がん協会会長
講師
松浦 成昭 先生
大阪国際がんセンター総長・大阪対がん協会会長
「がん出張授業」では、
がんサバイバーからのメッセージ動画を視聴しました
若くしてがんと診断され、キャリアアップの中断や葛藤、さまざまな不安、つらい治療を乗り越えたお二人からのメッセージ動画。診断から現在までの経緯や、その時々の思い、それぞれが見つめる未来など、リアルな本音が語られています。
※動画の切り抜きです。
「がんを乗り越えて」
声優・タレント 矢方美紀さん
人気アイドルグループSKE48を卒業し、次のステージへと進んだ矢先に診断された「乳がん」。手術や抗がん剤治療を経て、今なお治療を続けながら声優への道を歩んでいます。
※動画の切り抜きです。
「がんになっても夢に挑み続けるJリーガー」
アルビレックス新潟 早川史哉さん
子どもの頃から夢だったJリーガーとしてデビューを果たした22歳、診断されたのは「急性白血病」。もう一度、Jリーグのピッチに立つ!その夢に向かって突き進み、病と闘ってきました。
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がんの特徴・現状
■増殖、転移。塊になって悪さをする「がん細胞」
まずは、授業の前にがんサバイバーからのメッセージ動画を視聴しました。20代でがんと診断され、さまざまな葛藤やつらい治療を乗り越えたサバイバーの言葉に、遠い世界の話ではないと実感した生徒たち。そんな生徒を前に松浦先生は、「がんという病気になるということは、健康な毎日から急に、もしかしたら命を落とすかもしれない状況と向き合うわけです。『がんを正しく学ぶ』ということは、そのような状況の方に、優しい言葉をかけたり励ましたり、元気になるサポートをみんなでしていくための一歩でもあります。今日はそういうことを皆さんに知って欲しいと思っています」と、今回の授業への思いを語り、スタートしました。
最初のスライドに映し出されたのは、実際のがん(悪性腫瘍)の写真。黒く変色し隆起した足の裏の皮膚がんを指し、「がんは、細胞が異常に増えて塊を作る病気です」と松浦先生。続いて、がん細胞の特徴をイラストを用いて解説しました。
「本来は人間の体の細胞は周囲と協調しながら、必要なぶんだけ増えて正しい状態を保つものです。例えば、皮膚の細胞は毎日少しずつ死んで、垢やふけになっています。しかし、それと(あるいは、死んだ細胞と)同じ数の細胞が新たに作られ、見た目には皮膚は同じです。このように細胞どうしが協調して、減った細胞の分は増えて、全体を一定に保つ仕組みがあります」
「一方、がん細胞は自分勝手な細胞で、周囲の細胞の増減に関係なく増え続けていきます(増殖)。さらに、もともと細胞にはそれぞれが働く場所や役割が決まっていますが、がん細胞はこれらも無視して勝手に広がってしまうのです。これを『浸潤(侵入)』や『転移』といい、その先で増殖して塊を作ることで体の正常な機能を奪ってしまいます。放っておくと死に至るので『悪性』という言葉で表されています」と説明。
スライドには、実際に皮膚にできたがんが、体のさまざまな部位に転移した状態が映し出され、がんの怖さが具体的に伝わりました。
■がんの原因はもともとは〝正常〟だった遺伝子の〝異常〟
松浦先生は、がんがなぜできるのかについてもイラストを用いて分かりやすく説明。がんの原因は、遺伝子の異常。昔の研究で、がん細胞が生まれるには、それを引き起こす遺伝子が存在することを発見。ところが、この遺伝子とそっくりな遺伝子が、正常な細胞の中にも見つかったことが分かりました。
「がんを引き起こす遺伝子は、もともと正常な細胞の遺伝子に何らかの作用が加わって、異常な遺伝子になったものであることが分かりました。その要因は、喫煙、肥満、放射線、ウイルスや食生活の乱れなど。ただし、1つの異常だけではなく、長年にわたって複数の遺伝子が変化し、異常が蓄積することでがんができると考えられています」
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がん罹患率と医療の進歩
■生涯で2人に1人はかかる病気。治療成績は着実に向上
日本人のがんの罹患率や生存率について、複数のグラフを用いて説明しました。
がんになる人は高齢者に多く、女性よりも男性の方が多いということを紹介。さらに死因別の死亡率を見ると、がん(悪性新生物)は、1981年から日本人の死因の第1位。
松浦先生は「毎年約100万人が、がんになります。これは、生涯で日本人の2人に1人がなるという数字です。つまり、君の隣に座っている友だちとどちらかが将来がんになる可能性を示している。さらに、毎年約40万人が、がんで死亡する。日本人の4人に1人ががんで亡くなる。これほど、誰にも身近なすごく多い病気だからこそ、皆さんに知って欲しいのです」と、高校生にも自分事ととらえられる具体的な例を出して現状を話されました。
次に示されたのは、がんの死亡率と罹患率の関係。授業で示されたグラフでは、死亡率よりも罹患率の方が急激な増え方をしていることが示されていました。これは、罹患する人数に対して治る人が増えているということ。がんの治療成績が向上しています。
がんの治療成績の指標に5年生存率が用いられています。治療して5年間大丈夫なら大体治ったと判断されるからです。
がんの5年生存率の推移を見ると、1976年では2割台なのに対して、2011年では6割が生存という結果に。かつて「不治の病」と言われたがんが、検査による早期発見や医療の進歩によって治せる病気へと変わってきているのです。
「データから見ると、現在ではさらに生存率は上がって7割近くになっていると考えられます。しかし、たとえ7割が治るようになったとしても、3割の人が亡くなるのです。その事実は重いですよね」と松浦先生。また、「がんになると、いまだに亡くなる病気というイメージが強く、患者さんがすごく落ち込まれます。ですから、将来はもっと治療成績が向上して、がんは治る病気だと変わるようにしたいと思っています」と、先生の思いを語られました。
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がんの治療法
■手術・放射線療法・薬物療法が基本。体に負担の少ない最新ロボット手術も
がんと診断されるまでの検査も説明。体内に潜んでいるがん細胞をまだ塊のうちに発見するには、Ⅹ線や超音波などの画像検査を用います。そこで疑わしい部分が見つかれば顕微鏡で確認する病理検査を行い、がん細胞の有無を判断します。
そして、がんの治療についても解説。「現在は、手術、放射線、薬が治療法の3本柱です。現時点では薬のみで治療することは難しいことが多く、手術が中心。体にメスを入れることは負担も大きくなりますが、最新のロボット手術では負担が大幅に減ります」と松浦先生は話しました。
「ロボット手術の場合は、4か所、約1.5センチほど切開するだけで行えます。小さな傷ですのでダメージが少なく、回復も早いです。外科医が手足を使って操作しますが、医師にとってもやりやすい手術です」
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早期発見と予防が大切
■検診で早期発見すれば治療成績が良好に!
がんの治療は、がんの「発見時期」によっても変わります。がんは大きさや、転移の有無などによって4つのステージに区別されます。松浦先生は「がんの種類にもよりますが、初期なら90~100%治ります。でもステージ4なら治療が難しいことが多い。つまり、早く見つければ治せるということです」と話されました。
早期発見にもつながる、がんの予防策にも言及。まずは、がんのリスクを減らす1次予防について。スライドには5つの行動指針が映し出されました。「禁煙、節酒、バランスのよい食生活、運動、適正体重。これが国で推奨されている、がん予防習慣です。中でも禁煙は重要で、喫煙はさまざまながんのリスクを上げるだけでなく、他人にも影響を及ぼします」と説明。
2次予防は、がん検診です。「高校生にはまだ少し先の話ですが、健康な時から検診を受けることが大切です。子宮頸がんは20歳から、その他は40歳以上ですが、君たちのお父さん、お母さんの世代かもしれません。検診の大切さを、伝えてください。検診でがんが発見されると生存率が高いんです。早期発見するからですね。非常に重要なことです」
授業の最後に、松浦先生はあらためて生徒たちにメッセージを伝えました。「がんにかかると、さまざまな苦痛があり、精神的にもとても落ち込みます。今、がん患者さんに対してはこれらの様々な苦痛やつらさを和らげる、みんなでサポートするということが重視されています。治療をすることはもちろんですが、それで終わりではなく、こうしたつらさを少しでも和らげ、そして元の生活に戻れるようにすることがゴールです。これには社会全体でのサポートが必要です。まずは、がんにならないために普段の生活習慣を正す、そして定期的にがん検診を受けること。がんについて正しく知り、みんなで患者さんをサポートしていくことが大切。こういうことを、生徒の皆さんも知っていただきたいと思います」
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大阪府立天王寺高等学校
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がん細胞が勝手に増えるのを阻止する、転移を阻止する、といった治療法はありますか。
はい、がん細胞の増殖を阻止する薬はあります。今使われているがん治療薬の大半がそうです。一方、転移を防ぐ薬はまだありません。がん細胞の転移やそれを止めるメカニズムはまだ解明されていないのです。
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正常な細胞ががん細胞になることで、転移する能力を得るのでしょうか。
そうです。正常な細胞は自分の決められた場所から外に出ることはありません。がん細胞だけが転移するのですが、最初のうちは転移せず、遺伝子の異常が何重にも起こることで転移すると考えられています。
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授業で説明されたがん予防の5つの健康習慣に「睡眠」がなかったのはなぜでしょうか。
睡眠時間ががんに影響を与える、がんを引き起こすといったデータが、現時点ではないからです。その可能性はあるかもしれませんが、因果関係があると明確に提示するためには、根拠となる確かなデータが必要になります。
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大阪府立夕陽丘高等学校
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がんは遺伝する病気なのか、について教えてください。
がんになる要因としては5%程度が遺伝によるものです。遺伝するがんについてもいくつか分かっており、乳がんと大腸がんの一部は遺伝によるものと考えられています。ただし、遺伝性の要因よりも生活習慣の方が大きいといわれています。
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「笑ったり楽しいと感じたりするとがん細胞が小さくなる」と聞きました。本当ですか?
楽しい生活や笑いが、がんを治すほどの作用があるかどうかは分かっていませんが、楽しく過ごして前向きに取り組む患者さんの方が治る率は高いと考えています。笑うことが患者さんの免疫機能に良い影響が表れたという研究成果もあります。
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若い世代ががんになるリスクと、最新の予防策を教えてください。
若い人ががんになるリスクは、あまり高くはありません。飲酒や喫煙の習慣がないので、リスク要因が大人とは大きく違うといわれておりますが、明確になっていません。ただし、リスクはゼロではありませんので、異変を感じたら医療機関を受診しましょう。
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大阪青凌高等学校
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がんには様々な種類がありますが、最も治療が難しいのはどのがんでしょうか。
すい臓のがんです。現在、がん全体では約7割が治りますが、すい臓がんでは1割ほど。すい臓はがんになっても症状が出にくいため、見つかった時にはがんがかなり進行している場合が多いのです。
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がん細胞は自分では死なないと聞きました。
この特性を応用した医療技術の開発などは行われていますか。がん細胞は簡単に死なないので治りにくいのですが、細胞が死ぬので困る病気もあります。そのような病気には細胞を補充する「再生医療」が開発されていますが、そうした新しい着眼点の質問ですね。
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がんになりにくい体を作るには、どうしたら良いですか。
がんの大きな原因とされているのは、生活習慣によるものです。がんになるリスクを低くする行動としては、「禁煙する、節酒する、食生活を見直す、運動する、適正体重を維持する」の5つが推奨されています。
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松浦先生から、「がん」という言葉についても紹介がありました。
「授業のタイトルにもあるように、『がん』は今、ひらがなで書くことが一般的です。カタカナの使用は禁止。ひらがなとカタカナで書いた『がん』『ガン』という文字を眺めると、ひらがなはやわらかく、カタカナは少しキツイ印象を受けるでしょう。漢字も専門的な場合以外は使いません。がん、という病気と向き合うだけでも大きな不安を抱えている患者さんへの配慮です。言葉ひとつでも思いやりを持って選ぶ、そんなサポートががん患者さんに大切なことなんです」と話しました。
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今回の出張授業を終えた後、参加した高校生に行ったアンケートをご紹介します。
授業を受けて「がん患者さんに対する印象やイメージは変化しましたか?」という設問には、35.8%が「大きく変わった」、約35%が「少し変わった」と回答。正しい知識を得たことで、約70%の高校生ががんに対する印象が変わったことが分かりました。
また、「今回の特別授業を受けて、行動してみようと思うことはありますか(複数回答可)」という設問では、約42%の高校生が「大人になったらがん検診を受ける」と回答。次いで約21%から「家族や友人、知人に授業で学んだことを話す」と回答があり、松浦先生からのメッセージが、生徒の心にも届いたことが伺えます。さらに、「がんについてさらに詳しく調べてみる」と回答した学生も約12%と多く、授業を通して多くの生徒ががんについて関心を持ったことがアンケート結果から分かりました。
- 【共 催】 小野薬品工業株式会社・朝日新聞社メディア事業本部
- 【後 援】 文部科学省、大阪府、大阪府教育庁、日本医師会、大阪府医師会、大阪対がん協会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会