表層的な美しさだけでなく、背景まで覗き込めば、
自然はまた違った表情を見せてくれる。
いつまでも守り続けたい日本の自然をテーマに行われる「日本の自然」写真コンテストの第37回目が、12月1日から3月27日(※)まで作品の応募を受け付ける。そこで全日本写真連盟の勝又ひろしさんが、コンテストのデジタル部門で審査委員を務める福田健太郎さんにインタビューを行い、風景との向き合い方や撮影機材の選び方など、さまざまなお話を伺った。
※デジタル部門のみ3月31日23時59分まで。
美しい景色の内側にある人々の
営みまで見つめる。
勝又 福田さんはフリーランスになられて20年くらいですか。写真を始めた頃と比べて取り組み方や着眼点に変化はありましたか?
福田 変化しましたね。昔はとにかく美しい風景と出会いたいという気持ちだけで、絶景を求めては日本のみならず、世界各地を回っていました。今で言うところの“SNS映え”のような意識が原動力だったと思います。それが今は風景の表層的な美しさだけではなく、そこで暮らす人々の営みまで見つめたいと思うようになりました。
――その変化の背景に何があったのでしょうか。
福田 私自身が大人になったこともあるでしょうし、子どもが生まれたこともあるでしょう。それに20年間ほど森の中に潜り込んで撮影したときに、たくさんの命のうごめく姿を見たことも関係しているのかもしれません。いろいろな経験を通して、「自分が自然に生かされている」と気づいたことが、変化につながっているのだと思います。
――そういった気持ちの変化って作風に表れるものですか。
福田 表れるでしょう。同じカメラで、同じ風景を撮ったとしても、人それぞれまったく異なる作品になるように、写真には人生観や人間性、性格などすべてがにじみ出ます。撮影時、風景のバックボーンを考えるようにするだけでも、写真はガラッと変わると思います。


