
文学部人文・ジャーナリズム学科の日本写真家協会との協力講座「報道写真論」(前期14回、生田キャンパス)は、内外で活躍する写真家が講義を行う実践的講座として好評だ。

今年度の講師は、パレスチナ紛争、チェルノブイリ原発事故などを追う広河隆一さんと日本の先住民族アイヌの人々の取材と撮影を25年前から続けている宇井眞紀子さん。約100人が受講している。
6月20日の宇井さんのテーマは「アイヌときどき日本人」。宇井さんは東京近郊に暮らすアイヌの人々のさまざまな姿を紹介。子どもの誕生と成長を記録したほほえましい写真や、アイヌ文化の伝承に励む人々、同化政策に反対して民族の尊厳を大切にする人々の姿も。「撮影当初から子連れで出向き、家族ぐるみのお付き合いになった」というエピソードも明かした。
学生から撮影の心構えを聞かれ、「自分の感性を信じてシャッターを押している。写真には、撮影者が普段何を考えているか、物事をどう捉えているかが恐ろしいほど表れる。自分が丸裸になることで人に伝えたいという思いは強い」と語った。
宇井さんはこれまでの活動が高く評価され、本年、第1回笹本恒子賞を受賞した。

受講した天野公太さん(2年次)は「アイヌの人々に寄り添うようにして撮影する姿が伝わってきた」と感想を話した。
5月16日には広河さんから撮影の実技指導もあった。学生は講義のあと教室を出て人物撮影を行った。小松幸男さん(2年次)は「一眼レフでの撮影は初めてで新鮮な授業だった。人物撮影は光の当て方が難しい」と話した。報道写真論の最後の授業(7月25日)で広河さんから講評が行われる。
同学科の協力講座にはほかに沖縄ジャーナリズム論(沖縄タイムス社)、政治ジャーナリズム論(読売新聞社)、国際ジャーナリズム論(毎日新聞社)、科学とメディア(朝日新聞社)など全7講座がある。

(2017年9月掲載)