

社会政策・労働問題について学ぶ経済学部・兵頭淳史ゼミは、川崎市内の保育所で働く保育士らを対象とするアンケート調査を実施、労働実態を明らかにした。6月14日、川崎市役所で記者発表した。アンケート結果から厳しい労働環境が浮かび上がり、ゼミ生らは「働く環境の整備が必要」と訴えた。
調査は弁護士、研究者、NPO関係者などでつくる市民団体「川崎市保育問題交流会」と共同で昨年実施。市内の認可保育所316園で働く職員を対象にアンケートを行い82園、772人から回答を得た(回収率24・4%)。ゼミ生27人が調査、分析に当たった。
正職員の基本給は25万円以下が6割以上と多く、非正規雇用の8割が時給1200円以下だった。残業は約7割が「ほぼ毎日」「時々ある」と答えたが、残業代が支給されているのはそのうち3割で、2割は支給されていなかった。1日の平均休憩時間が45分以上と答えた人は半数以下で、「ほとんどない」という人も13%いた。

計8割以上が今の職種で「定年まで」「できるだけ長く」働きたいと考えているにもかかわらず、実際の経験年数は5割近くが7年以下とギャップがあった。労働組合の有無に関しては、「わからない」と答えた人が43%と多かった。

兵頭教授は「保育士のキャリア継続の困難さや、労働組合の存在感の薄さなど、重要な問題を再認識できた。保育現場の労働環境を改善するためにどうしたらいいか、学生が考えるいい機会になった。市民団体の方と一緒に取り組むことで、学生たちは広い視野を持つことができたようだ」と話した。
前ゼミ長の江崎麻衣さん(経済4)は「保育の問題は漠然と知っていたが、今回の調査で、保育に関わる人の待遇がよくわかった。子どもたちが安全に楽しく過ごす場にするためには、働く状況を改善しなければならないと痛感した」と話した。
