
キャリアデザインセンターが主催する「課題解決型インターンシップ」は、地域の企業やNPO法人などと連携し、さまざまな課題に挑戦する本学独自の長期インターンシップだ。2018年度は19プロジェクトに116人が参加し、8カ月にわたり活動してきた。
多くの社会人や地域の人々に支えられ、励まされながら、仲間とともにやりぬいた。商店街などと連携した4チームの活動を紹介する。(学年は2018年当時)



かつて遊園地があり、にぎわっていた小田急線向ケ丘遊園駅周辺の空き地に移動式メリーゴーラウンドを設置し、大人も子どもも楽しめる場所を取り戻そうと開催されている「登戸まちなか遊縁地」。学生7人がこのプロジェクトに参加し、企画・運営を担った。
空き地にどんな遊び場を作るか、登戸まちなか遊縁地実行委員会や地元商店街と一緒に考え、入念な準備を行った。開催日の11月17日は、朝早くからブースを設営。メリーゴーラウンド、輪投げコーナーなどの運営を分担して行った。
油井綾音さん(経営2)は登戸駅から徒歩で大学に通うたび、地域にもっと活気があればいいのにと考えていた。「このイベントを起爆剤に何かできるのではと思った」
商店街を巡るスタンプラリー、限定チャリティーTシャツの販売などを企画した。「自分たちの思いつきを一方的に話しても共感は得られない。理解してもらうためには、一歩引いて考えることが大切だと学んだ」と油井さん。
メリーゴーラウンドの補助を行った梶泰成さん(文2)は「子どもの要望に臨機応変に対応しなければならなかった」と難しさを語ったが、笑顔でメリーゴーラウンドを楽しむ子どもたちを見て達成感を感じた。
子どもたちがおもちゃなどを交換する「かえっこバザール」を担当した仲里そらのさん(経営1)は「この経験を生かし、出身地の沖縄でも街が活気づくようなイベントを行いたい」と目を輝かせた。
企画・運営した多摩区まちづくり協議会「多摩エコスタイルプロジェクト」の安井浩さんは「大学生にとって初めてのことで、商店街の人たちとどうつきあっていいのかわからず戸惑っていたが、話し合いを重ねるうちにいい提案をしてくれるようになった。学生ならではの感性は刺激になった」と語った。

「地元商店会を外国人にアピール」。この課題に挑戦したのが、民家園通り商店会チームだ。
生田キャンパスに近い民家園通り商店会での課題解決型インターンシップはここ数年、夏祭りの運営などを担当していた。商店会では2018年度からインバウンド対策を進めており、商店会に外国人客を集め、人々とまちの縁を結ぼうと、学生たちは工夫を凝らした。
本学国際交流会館に滞在する短期留学生らを商店会の中の飲食店に招き、交流イベントを開催。夏祭りでは外国人と日本人学生が一緒に浴衣姿でパレードした。
また、商店会のガイドマップを英語に翻訳。店の種類や地域通貨の使用の有無を紹介した。飲食店については、多様な食文化を持つ外国人への配慮やアレルギー対応として、店で使用することが多い食材をイラストで記した。
「多くの外国人や商店会の方々とじっくり話すことができ、仲良くなれた」と花輪一樹さん(文2)。この活動が広がり、商店会やキャンパス周辺に外国人が増え、交流が深まることを願っている。


多様な顔をみせる街・武蔵小杉(川崎市中原区)周辺は、カレーを提供する飲食店が多い。専大生チームはカレー食べ歩きのスタンプラリーと屋外イベントによる「武蔵小杉カレーフェスティバル」を担当した。
10月21日、武蔵小杉駅前広場で「コスギカレーEXPO」が開催された。人気店のカレーを食べ比べることができるとあって、会場は立すいの余地もないほどのにぎわいだった。チームが目標としていた集客2万人を大幅に上回る3万人が来場。「ものすごい熱気だった。お客様がおいしそうに食べているのを見て幸せな気持ちになった」とチームリーダーの松井航さん(経営2)は笑顔で語る。
10月後半の2週間実施した、地域の店舗を回るスタンプラリーも盛況。今年はスマホのアプリで参加できるようにし、参加者は大幅増。全店(今年は25店舗)を制覇した人は昨年の5人から27人に増えた。
学生10人は手分けして参加店を食べ歩き、レポートをインスタグラムに掲載した。川杉敦杜さん(法1)は「学業との両立が難しかったが、スタンプラリーが始まり、お客様がスタンプを集めている姿を見てやりがいを感じた」と話す。川杉さんは担当以外の店も回り全店制覇。「店や街の様子やそこで生活する人々の姿を知ることができ、地域の温かさやつながりを発見できた」と充実感あふれる様子だった。

地元に密着した情報、イベントを積極的に発信している「北野書店」(川崎市幸区)で活動したのは1~3年次生の6人。 川崎市ゆかりの絵本作家かこさとしさん(1926~2018年)に焦点を当てイベントを実施した。
かこさんが川崎市で子ども向けの教育活動を行っていたことや作品を知ってもらうとともに、商店会や書店の活性化を目指した。店舗で特別フェアを開催。代表作『からすのパンやさん』のキャラクターを牛乳パックなどで作るイベントには、幼児や小学生、保護者ら約30人が参加し、大盛況だった。
また、テーマ別にメンバーがそれぞれ6冊の本を推薦する店頭企画も好評。多くの人に本を手に取ってもらえるように、コピー、推薦文を考え、自分たちでデザインしたカバーをつけた。曽我部祐里さん(人間科学2)は「本の面白さをいかに伝えるかが難題だったが、お客さんに買ってもらえた時は本当にうれしかった」と振り返った。
浅井祐香さん(法3)は「SNSも使ったが、口コミによって広がっていったのが面白かった。人への伝え方にはいろいろな方法があることを再確認した」と話した。
この他、地元商店会とのコラボやハロウィーン、「かわさき昔話フェア」など多彩なイベントを実施。小久保薫さん(文2)は「商店会の人たちに企画を提案し、一緒に活動することで、コミュニケーションの力がついた」と話した。
(2019年8月掲載)