
それぞれの成果物について学生相互で説明しあった ネットワーク情報学部Dコース3年次制の必修科目「フィールド演習」は、「人間以外の存在との関係」というテーマに対して学生一人一人が問いを立て、専門的なスキルを生かして実践し、成果物を作成する演習科目だ。
今年度はChatGPTを部分的に導入した。課題は個人で行うため、思考のハードルが高くなることから、AIを対話のパートナーとして問いを深め、アイデアのヒントを探した。
ChatGPTとの対話を含む活動の記録は、さまざまなアプリを使って、教員や履修者間で共有している。
6月21日には成果物のプロトタイプの発表会が開かれた。約150人の履修者それぞれが考えAIと対話し、実際に活動した成果をまとめて展示した。
男子学生の一人は「自然と人間のかかわり」「持続可能なものづくり」などについてChatGPTに問いかけた。出てきた“答え”は、これまでにネットや文献で言われてきたことの組み合わせだと感じた。「幅広く示された解を自分の中で因数分解して、アイデアを精査した」と話す。AIとの対話のあとにはフィールドに出て、ワークショップを開催し、竹を使った楽器づくりに取り組んだ。
ChatGPTなどのツールや、人とのかかわりで演習を進めている 犬種と人のマッチングアプリについてアイデアを出した女子学生は「一般的な検索では自分の知っていることしか調べられない。AIを活用することで新しい発見がたくさんあった」と利点をあげた。
自然音と音楽のミックスを考案した男子学生も「ChatGPTとの対話でアイデアを広げることができた」としながらも、「中には首をひねる回答もあり、結局は自分が納得できるものかどうかを重視した。AIが出したものだから、それを実行するのではなく、AIはあくまでヒント」と振り返った。
ネットワーク情報学部の飯田周作学部長は、「ChatGPTのインパクトはこれまでのAIとは違う。早く学生に正しい使い方を学び、思考を深める一助にしてほしいと、演習での導入を決めた。ChatGPTはいわば個別チューターのようなもの。ただ、それをうまく使って自分の力にしていくのは意外に難しい」と語る。その上で「人と人とのリアルなやり取りはChatGPTがあってもなくても変わらない。また、提示されたデータを鵜呑みにしない、複数のソースに当たる、倫理観を持って使用するといった、学修する上での基本姿勢は当然必要となる。その上で、積極的にチャレンジし、自分の力にしてほしい」と話している。
(2023年07月掲載)