
「人間以外の存在とともにデザインする可能性」をテーマに行われたセミナー ネットワーク情報学部20周年記念の一環として、「NHK大学セミナーin専修大学」が11月29日、生田キャンパスで開講された。「フィールド演習」の授業を受講する学生を中心に約120人が受講。「人間以外の存在とともにデザインする可能性」をテーマに、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんによる講演と、小倉さんと学生によるダイアローグ(対話)が行われた。
セミナーは、NHKが番組制作者や出演者らを派遣する講演型イベント。NHKが有する専門性を大学生活に役立てるとともに、公共放送について理解を深めてもらうことを目的に、全国の大学で実施している。
あいさつする飯田学部長 冒頭、飯田周作学部長が「ネットワーク情報学部が創設された2001年はスマホもない時代。そこからインターネットが情報インフラとして普及し、情報分野は急速に発展してきた。デジタル技術は人と自然が共存する上でも強力な『わざ』となる。今回の講演では、デザインを通して発酵菌の働きを見えるようにしてきた小倉さんから多くのヒントをいただけると思う。デザインの奥深さについて考える機会にしてほしい」とあいさつした。
講演する小倉さん 小倉さんは、アニメ動画『こうじのうた』や、測定データをもとに菌の声を伝える「ぬか床ロボット」といった制作物、全国で実施しているワークショップの模様などを紹介。講演は、日本人と麹菌のかかわり、発酵文化の歴史、国内外でのフィールドワークの体験談など多岐にわたり、学生たちは熱心に聴き入っていた。
自らの体験を踏まえ小倉さんは、「私は発酵というニッチな領域で活動しているが、ローカルなものを突き詰めることで、世界中の人とつながるグローバルな取り組みになった。日本の社会が内向きになっているなか、世界に目を向け、外の世界に出てほしい。食べたことのないものを食べ、さまざまな言語や文化に出会うというのは面白い体験。そういったチャレンジが皆さんの未来を作る」と学生に語りかけた。
デザインの可能性について学生と対話した ダイアローグは、上平崇仁教授の進行で、日高有梨さん(4年次)と石川怜奈さん(3年次)が、「人間以外の存在との関係」をテーマとしたフィールド演習の成果を発表した。小倉さんからは動機の重要性について指摘があり、「デザインツールが良くなったことで、表現のハードルが下がっている。だからこそ、動機の部分が大切になる。ツールの使用で短縮できた時間を、動機を深掘りすることにつぎ込んでみては」といったアドバイスがあった。
受講した3年生は、「発酵食品についてあまり知らなかったので、講演を聞いて新しい発見があった。フィールドワークの取り組み方など、参考になる話ばかりだった」と感想を述べた。
大勢の学生が聴講した (2023年12月掲載)