
生田キャンパスの新しい顔となる新2・3号館(仮称)の整備が進んでいる。先進的な学びの形「アクティブ・ラーニング」に対応した施設と、大学院の研究室などが集まる新たな〝知の発信基地〞は、7月に着工し、2016年12月の完成を目指す。新2・3号館について、矢野建一学長に建設方針や、期待する成果などについて伺った。


――生田新2・3号館の概要をお聞かせください
生田旧2・3号館は東日本大震災で被災し、教室として使えなくなりました。そのためキャンパス整備計画を見直し、不足している機能や、新たに取り入れたい機能について議論し、新2・3号館建設となりました。
新2・3号館は、かつての大教室中心の構成から大きく転換しました。現在は少人数教育の時代であり、これからの学生の学びの場にふさわしい校舎に生まれ変わることになるでしょう。新3号館は大学院生研究室、社会知性開発研究センターなどが入り、専修大学の研究発信基地としての役割を担う校舎になります。最上階の7階には多目的スペースを設け、さまざまなコミュニケーシションのスペースとしての活用が期待されます。
新2号館は多様な学習スタイルに対応できる施設です。音響・映像設備が充実したラーニングスタジオと、200人収容できるラーニングシアターを備えます。学生は通信や情報のやりとりには精通していますが、それは個人的なレベルで終わっています。もう少し学生相互に情報を共有し、学習効果を高めるメカニズムを作りたいと思いました。
――新2号館はアクティブ・ラーニングの機能が充実しています
学生の能動的な学習への参加を取り入れたアクティブ・ラーニングの機能は、神田5号館がその先駆け的役割を果たしてきました。新2号館建設により、生田校舎におけるアクティブ・ラーニングの機能もさらに充実し、専修大学の魅力の一つになると思います。
新2号館にはさまざまな設備やスペースが用意され、その利用方法は実に多彩になりますが、そうしたなかで、学生の新しい能力開発に資することを大いに期待しています。たとえばラーニングシアターでは記録映画の上映も可能となりますし、学生が自分たちで映像を作り、披露することも容易になります。
実際には利用状況や方法を検証しながら、より効果的に学生への教育に活用し、成果を上げていきたいと思います。
――アクティブ・ラーニングのような授業運営はこれからの大学教育の中心になるのでしょうか
アクティブ・ラーニングとは、大学側からいえば学業支援システムのこと。一方、学生側からすると、それはゼミなどの少人数グループで行われているディベートであったり、グループワークであったりします。これまでも、アクティブ・ラーニングのスペースの拡充に努めてまいりましたが、本格的なスペースを集約的に実現する建物として、神田5号館が完成し、さらに生田新2号館を整備します。
新2号館では、教員が学生に一方的に教授するのではなく、双方向的な授業運営をさらに深化させることが重要です
――大学院の研究環境はどうなりますか
私の大学院生時代と比べると雲泥の差です。研究環境は飛躍的に良くなりますので、いい研究を期待しています。社会知性開発研究センターについても、現在は複数の研究プロジェクトを同時進行するには手狭でした。新3号館に新たに施設を構えることで、常に4~5種類の研究を動かすことができます。研究チームにとっても元気が出る話ではないでしょうか。
――これからの生田キャンパスの姿は
新校舎は、生田緑地と調和するような外観になるよう配慮しました。生田はゆったりとした自然環境を享受できるようなキャンパスにしたいと思っています。今後、さらに深化したアカデミックな教育システムの場として機能していくのではないかとみています。
今回の整備では、新3号館は研究棟、新2号館は新しい学習のあり方を模索する場として作り、研究促進の場、そして学生の能動的な学習・教育の発信の場になるよう期待しています。これからは新2・3号館がアカデミズムの発展の核になると思います。
――生田新2・3号館完成後の地域貢献はいかがお考えでしょうか
新2号館には展示室があり、学生の作品や大学が所有する文化財などの展示を考えています。ラーニングシアターでのコンサートなど、市民に向けての開放も可能です。学生生活に配慮しつつ、市民との交流、新たな文化的活動が広がっていくと思います。サークル活動の活性化にも期待しています。
――一方、神田キャンパスの将来構想はどのようにお考えですか
「社会知性の開発」には二つの側面があって、これからのグローバル化時代を、先頭に立ってどう進んでいくか、これはかなり実学的要素が強いと思います。もう一つはそれぞれの専門分野をしっかり勉強して、課題を解決する能力も必要になります。神田キャンパス、特に今後建設予定の新校舎は、実学的、実践的な機能が強まっていくのではないかと思います。いずれにせよ、2020年の専修大学創立140周年に向けて、キャンパス整備を進めていきたいと考えています。

(2015年10月掲載)