「誰にでも輝ける場所がある」と教えてくれる。
現役である限り1番を目指したい! 桐生 祥秀

シリーズの中で一番感情移入した

『トイ・ストーリー4』は過去にない新しい展開があり、今までで一番感情移入しちゃいました。シリーズ史上ダントツで好きになりました。おもちゃたちのコミカルなやりとりが面白く、最初から最後まで笑いっぱなし。コメディー要素だけでなく、ウッディたちが新たな仲間と出会ったり、昔の仲間と再会したりと感動的なシーンも多くて目が離せなかった。気づいたら「自分だったらこうするかも」「この気持ち分かるなあ」とすっかり感情移入して見入ってしまいました。

本作では新キャラがいくつか登場するのですが、とりわけ気になったのがフォーキー。ウッディたちの持ち主となった少女ボニーの手作りで、彼女の一番お気に入りのおもちゃです。フォーキーの出現によって、ウッディはまったくボニーにかまってもらえなくなってしまうところがちょっと切なかったですね。陸上競技の世界でも、新星が現れるとみんなの注目がそちらに行ってしまうことがあります。そんな経験があるだけにウッディの寂しい気持ちが痛いほど分かりました。

ウッディとバズの友情の深さ、言葉がなくても通じ合う関係に感動

ウッディとバズの友情はさらに深まっていた

僕は小学校から中学、高校、大学と、どの年代にできた友だちとも今でもすごく仲が良いんです。

中でも多いのは陸上と関係のない友だち。彼らとは、試合の結果が良くない時でも気兼ねなくご飯を食べに行けたりするのでリフレッシュできるんです。僕の陸上人生には欠かせない存在ですね。

そんな僕が一番感動したのは、ウッディとバズの友情の深さ。前作以上に互いの意思を尊重し合い、多くを語らなくても心は通じ合っています。しかも「これは伝えなきゃ」と思うことは、多少相手を傷つけるようなネガティブなことでもちゅうちょなく言うんです。そこが素晴らしい。仲が良すぎるとかえって言いづらかったりもするのですが、大切な友だちだと思うんだったら、ちゃんと口に出して伝えることが大事なんだと気づかされました。

誰にでも輝ける場所があることを教えてくれる

大事な決断をしようとするウッディのため、仲間たちが奮闘するシーンも気に入っています。観ながら昔のことを思い出しました。中学生の時、同じ陸上仲間の4人と「同じ高校に入って、高3のインターハイで総合優勝をしよう」と約束したんです。まず高校受験をみんなで突破。入学後は途中でけがをしたり、心が折れたりしたことも何度もあったのですが、何とかその夢をかなえました。一人より、みんなで心を合わせた方が頑張れる。しかも、喜びは仲間がいればいるほど倍増するとその時知りました。だから今でも友だちを大事にしたいって思う。友だちがいればいるほど、自分の人生がより楽しいものになると僕は思います。

本作ではウッディを始め、それぞれが自分自身に何が大切かを考え始めます。その姿が「誰にでも輝ける場所がある」と教えてくれます。僕も現役である限り1番を目指し続けて頑張ろう、自分の輝ける場所を求め続けようと思いました。コミカルで楽しくありつつも様々な気づきを与えてくれる「トイ4」。ぜひまた観たいです。(談)

陸上競技短距離走選手 桐生 祥秀

きりゅう・よしひで/1995年滋賀県生まれ。日本生命所属。2016年リオデジャネイロオリンピック4×100メートルリレーで銀メダルを獲得。100メートルの自己ベストは9秒98。17年の日本学生陸上競技対校選手権大会で、日本選手初の9秒台をたたき出した。