高橋幸宏(右)と原田知世=鎌田正平撮影
ミュージシャン高橋幸宏らによる新バンド「pupa(ピューパ)」が始動した。ボーカルは原田知世。アルバム「フローティング・ピューパ」(EMI)を発表し、夏の野外フェスティバルにも出演する。どんなバンドなのだろう。高橋と原田に話を聞いた。(西正之)
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女性ボーカルのいるバンドを作ろう――。高橋の構想が具体化したのは一昨年の夏。
「サディスティック・ミカ・バンド以来、思い描いていたんです。それでまず、知世ちゃんに声をかけた」
原田とは映画「天国にいちばん近い島」(84年)で、父親役で共演してからの縁だ。
原田も二つ返事だったという。「まさか幸宏さんのバンドに参加できるなんて」
HASYMO、ミカ・バンドなどでのサポート奏者に声をかけた。参加したのは、シンガー・ソングライター高野寛、ギタリスト高田漣、キーボードの堀江博久、ユーフォニウムの権藤知彦。「30、40代のベストメンバーだね」(高橋)
実際の作業は1年前から。複数のバンドをかけ持ちするなど、売れっ子ミュージシャンばかりで、なかなか集まれない。インターネットを通じて音源のやりとりをし、曲作りをしていった。
高橋は「エレクトロニカ系でポップなものを、と僕からボールを投げた。後はそれぞれ自由に作ってもらい、みんなで手を加えていった」。
新しいようで懐かしい。どこか透明な悲しみに満ちているような、穏やかなサウンドが生まれた。
バンド名のピューパとは、高橋の趣味フライフィッシングの用語で「さなぎ」の意味。アルバムタイトルの「フローティング・ピューパ」には、「さなぎが、成虫になりきれずに流れていく。そんな悲しさもあるかな」と高橋。
歌手としてもキャリアの長い原田は「今回、私の声は楽器の一つになろうとしました。響きとして心地いいかどうか。ソロではできないことを試せる実験室みたいで、とにかく楽しい」。
高橋は「坂本(龍一)君、細野(晴臣)さんと集まる時は緊張感があるんだけど、このバンドは、安らげるシェルターみたいな存在。何をやるとか決めずに、ゆるい関係の上にありたい。今度は全員生楽器でやるとかさ」。
8月10日の野外イベント「ワールド・ハピネス」(東京・夢の島公園陸上競技場)、16日のライジング・サン・ロック・フェスティバル(北海道・石狩湾新港樽川ふ頭)に出演する。