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5月31日は「世界禁煙デー」健康への願いを込めてライトアップ 多世代に向けて「禁煙」を啓発 5月31日は「世界禁煙デー」健康への願いを込めてライトアップ 多世代に向けて「禁煙」を啓発

禁煙啓発セミナー 「タバコフリーな未来へ」中学生が喫煙の害を学ぶ 禁煙啓発セミナー 「タバコフリーな未来へ」中学生が喫煙の害を学ぶ

一般社団法人日本禁煙学会 理事
医療法人社団新町クリニック 産業保健統括部長

望月友美子先生

ゆっくりと体を
むしばむ、たばこ

望月友美子先生

みなさんは、「世界禁煙デー」を知っていましたか。「世界禁煙デー」は世界保健機関(WHO)が1989年に制定しました。その頃、日本の20代以上の男性の約55%は喫煙者。たばこのCMは頻繁に流れ、公共の乗り物での喫煙も許されていました。当時から比べると喫煙率は下がりましたが、いまだに男性の約27%、女性の約7%がたばこを吸っています。

日本国内で「たばこ」を要因とする超過死亡数は、年間で21万人以上(2019年)と推計されています。これは「高血圧」や「高血糖」よりも「たばこ」はリスクが高いことを示しており、あらゆる要因の中で最大の死亡数となっています。

「たばこ」に含まれる主な有害物質にはタール、一酸化炭素、ニコチンなどがあります。タールは、発がん性物質として全身を巡り、どの臓器にもがんを発生させる原因となります。さらに、動脈硬化や心筋梗塞、肺の病気も引き起こします。また一酸化炭素は、血液が酸素を運ぶ仕組みを阻害します。吸う人ばかりでなく周囲にいる人も、ゆっくり病気になっていってしまうのです。

そして、ニコチンには依存性があります。ヘロインやコカインなどのドラッグと同じように、脳を「気持ちいい」と感じさせ、ニコチンがなくなると脳が「もっとほしい」と要求するようになる。このように、「たばこ」を吸うことが常態化すると、やめたくてもやめられなくなってしまうのです。

新型たばこの危険性を
正しく知ろう

「たばこ」の害から次世代を守るために、WHOは「たばこ規制枠組条約」を2005年に発効しました。これは、職場や公共の場での受動喫煙防止対策や、たばこの広告に関する内容を盛り込んだもので、条約策定には私も関わりました。

この条約が制定されたにもかかわらず、今、30代の人を中心に流行しているのが「新型たばこ」です。「新型たばこは紙巻きたばこより安全」という思い込みが広まっていますが、これは大きな間違いです。煙が出なくても、有害物質を含む蒸気やエアロゾルは放出されています。「新型たばこ」の一つである「加熱式たばこ」は、ニコチンを高熱で蒸気として発生させるため、効率よく脳に届いてしまい、依存性も増し、死をもたらすことさえあるのです。

みなさんは、そんな危険なものがなぜ禁止されないのかと疑問に思うことでしょう。ここには複雑な利害関係があるので、禁止するためには多様な立場の人が政治の場で議論を重ねなければなりません。世界を見渡すと、たばこを売らないと決めた国も出てきています。日本でも喫煙場所が制限されるなど、法律の規制はできています。でも一番望ましいのは、「吸っている人が自らやめる」「吸わない選択をする」ことなのです。

2011年にオランダの医師が提唱した「ポジティブヘルス」という考え方があります。「健康とは、社会的、身体的、感情的な問題に直面したときに適応する自己管理能力である」というものです。何らかの状況に対して自分がどう対応し、変化させていけるか、その力こそが健康です。みなさんも流行や誤った情報に惑わされない鋭い目をもって、たばこフリーな未来のために自分は「どう行動すべきか」を考えてみてください。

STUDENTS’ VOICE STUDENTS’ VOICE

  • たばこが起こす病気は、がんだけじゃないんですね。吸っている人のそばに行かないようにします。

    (中学2年・女子)

  • 新型たばこも周囲に影響を与えることに驚いた。身近な人にこのリスクを話していくことが大事だと思う。

    (中学2年・男子)

  • たばこの害が体中をめぐることがよくわかった。友達にも教えたい。そして僕は一生、たばこを吸いません!

    (中学2年・男子)

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