齋藤薫の美しい歳の重ね方
春を感じたら、白を着る。それは、魂の浄化というこの上ないアンチエイジング
好きな色が、似合う色……よくそう言われるけれど、逆を言えば、いくら似合うよと言われても“嫌いな色”は着たくない。無理に着ても知らず知らず表情が暗くなる。服の色は一日中、自分の視界に入っているからこそ、逆に“好きな色”は言わば美容ドリンクみたいに、その日一日自らをキレイに見せる力を自然に湧き上がらせるはず。つまり似合う似合わない以前に、服の色は内面にも効くから見た目も左右してしまうのだ。
とすれば、最も効果が高いのは白。白を着ることそのものが、自らを浄化するような効果をもつと言ったら大げさに聞こえるだろうか。でもたとえば、おろしたての真っ白なシーツにくるまれて目覚めたら、まるで体の中まで洗われるような清々(すがすが)しさを覚えるはずだ。白に抱かれ、白を身に着けることは、精神論ではなく具体的に魂まで浄(きよ)めるのだ。
服ならなおさら。白いTシャツ、白いシャツ、白いパンツに、白ワンピース。きっと袖を通しただけで身も心もデトックスされる感覚を覚えるはずだ。言うまでもなく、白にはレフ板効果がある。下から明るい光を反射させて、顔の影を飛ばし、肌そのものの透明度を高め、瞳に輝きをもたらして、単純に人を5歳は若く見せる。このレフ板効果は精神にまで働きかけ、モヤモヤやイライラといった心の影まで飛ばして、心を明るく照らしてくれるから、表情までが晴れやかになり、あと3歳は若さが加算されるはず。だから、白が似合わない人はいないのだ。
ただ白を着る時に留意すべきは、白という色を絶対汚さないこと。きつい色を組み合わせるのは絶対NG、デトックス効果がなくなるからだ。1番合うのは今トレンドであるアイスグレーやグレージュ。でも白一色をセンスよくクールに着こなせたら、それだけで女は完成する。とりわけ白の旬は春。春の光を感じたら白を着よう。こんなに心が晴れやかに煌(きら)めくアンチエイジングなどないのだから。

さいとう・かおる
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイスト。多数の連載エッセーを持つ他、美容記事の企画、化粧品開発・アドバイザーなど幅広く活躍中。近著の『“一生美人”力』ほか著書多数。Yahoo! ニュース「個人」でコラム執筆中。
