Beauty
2017.10.12

齋藤薫の美しい歳の重ね方
秋らしさ? 大人らしさ? 「らしさ」の言葉に惑わされない! それがオシャレの始まり

確かに「らしさ」は大切で、大人は子どもに「子どもらしさ」や「学生らしさ」を強く求めてきた。でもその「らしさ」にこだわりすぎると、人間つまらなく固まってしまったり、間違った思い込みの中に自分を閉じ込めてしまったり。だいたいが「子どもらしさ」も子どもは無意識だからこそ、清々(すがすが)しい。「らしさ」は、意図した時点でアザとくなりがちな訳で。

例えば、こういうこと。メイクの世界で「大人色」と呼ばれるのは、ブラウン系レッドの口紅色だったりする。大人は大人らしく大人らしい色で、というわけだが、結論から言えばこの色は老ける。大人が「大人色」を塗ればなおさら大人に見えて、若く見える道理がなく、むしろ損。ここはいっそ、明るくきれいなピンク色を選ぶべき。見るからに若い色だからこそ、大人を生き生き若々しく見せてくれる。

同様に、秋に秋色の服を着るのはオシャレの決め手の一つとされてきたけど、でも街がみんな秋色に染まる中、わざわざみんなの中に紛(まぎ)れてしまう色を着るつまらなさもあることを知って欲しいのだ。秋らしい色と言えば、言うまでもなくブラウン系。カーキやマスタードといったくすんだ色が主役となる。なぜ?枯葉の色だからである。生き生き若々しい人が枯葉色を着ても、枯れては見えないが、ちょっとくたびれた人が着たらどうだろう。大人は秋色にこだわることはない。街がくすむ季節だからこそ、もっと彩度の高い明るい色を着たらいい。迷ったら白か黒。あえて秋とは無関係の絶対色に挑む方がむしろオシャレ度は高いのだ。オフホワイトでいかに秋らしい装いにするか、素材やアイテム選びを駆使して秋に浮かないコーディネートに挑めば、きっと街でハッとされるはず。

ともかく「らしさ」に縛られない。自分の立場をわきまえている人なら、既成の「らしさ」に縛られず、振り回されずに、自分の意思で前に進んでいいと思う。それこそ、自分らしく!

さいとう・かおる
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイスト。多数の連載エッセーを持つ他、美容記事の企画、化粧品開発・アドバイザーなど幅広く活躍中。近著の『“一生美人”力』ほか著書多数。Yahoo! ニュース「個人」でコラム執筆中。