齋藤薫の美しい歳の重ね方
“何でも調べる癖”もアンチエイジング
好奇心が、心の代謝を高める鍵
人生が平坦でつまらない……と言う人がいたら聞いてほしい。はっきり言って、まじめに生きている人はみんな、必然的に単調な毎日を生きている。それ自体を嘆くのは間違い。“つまらない”のは、単調な毎日を面白くする努力が自分に足りないせいなのだから。
いや、本来が努力なんていらない。好奇心さえあれば……。おそらく人生の密度を決めるのは、好奇心。人生を太らせる最大の栄養と言えるものなのだ。
たとえばだけれど、“おいしいと評判の店”に出かけていくのは、食欲ではなく好奇心。その満足感を一度体験して見なくては、という……。美術館に有名な画家の絵がやってきたと言っては、「ともかく見に行かなければ」と思うのも好奇心。そして、行ったことのない国には「一度行っておかなければ」というのも、理屈抜きの好奇心。単なるミーハー的好奇心から、知的好奇心、人生レベルの好奇心まで、多種多様、大小タテヨコ、あらゆる好奇心を持っていたら、それこそ“人生が楽しくて楽しくて仕方がない人間”ができあがるはずなのだ。
でも、どうも動き出すのは苦手。行動的になれない性分、と言うのなら、「ひたすら知りたい」と思えばいい。“ただ知る”だけ、“調べる”だけの好奇心だって、“つまらなさ”を退治する大きな鍵になる。
そこで“ただ知るだけ”で心を満たしてくれる三大テーマを挙げるなら、歴史、人物、宇宙。歴史を知るのは、時代を知ることだから今を知る。人物を知るのは、人生を知ることだから、自分を知る。そして宇宙を知ることは、未来を知ること。それだけでじつはお腹いっぱい。そして心が新陳代謝するばかりか、体の細胞も代謝を始めるのだ。“知りたい心”はそのまま命の代謝、“何でも調べる癖”は、とても尊いアンチエイジングなのである。

さいとう・かおる
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイスト。多数の連載エッセーを持つ他、美容記事の企画、化粧品開発・アドバイザーなど幅広く活躍中。『“一生美人”力』ほか著書多数。Yahoo!ニュース「個人」でコラム執筆中。
