Beauty
2019.12.05

齋藤薫の美しい歳の重ね方
もう捨てないためにこそ、今とことん捨てる。
要らないものをもう増やさない、唯一無二の方法!

片付けよう片付けようと、毎週のように思っている場所があるのに、手付かずのまま結局年末になってしまい、大掃除に吸収されていくのは毎年のこと。年末の大掃除には、捨てることに勢いと乱暴さが生まれるから、まぁよくもこんなに捨てるものがあるものと呆然とするほどのゴミが出る。言い換えれば、捨てることに後ろめたさがなくなるから、なおさらゴミの量が増えるのだ。

捨てる事は一方でとても清々しい。自分の体まで浄化されるような気持ちよさ。しかし、一軒でこれだけのゴミが出るのなら、日本はこの時期一体どれだけの量を出すのだろうと、その行き先に思いを馳せると、何だか胸が痛くなる。だから、最後はやっぱり後ろめたい。

そもそも、日本はモノがあふれている国、だからついつい買っちゃう国、なおかつ過剰包装がやめられない国、だからこそゴミをたくさん出す国である。ようやくレジ袋が有料になるが、今頃? と揶揄されるくらい、エコ意識の徹底が遅れている国でもある。だから本当は、捨てることにもっと後ろめたさを感じるべきなのだ。自分にとって「もったいない」と言う後ろめたさ以上に、地球に対しての後ろめたさを持つべきなのだ。

だからこそ、今この時期に思い切って捨てる。エッ、それ矛盾していない? と言うのだろうが、これは今後ずっとゴミを出さない生活の始まりのために必要なこと。つまり、暮らしの中から不要なものを全て消し去ることで、もう二度と不要なものを増やさない生活へとはっきりとリセットできる。いわば、もう捨てることをしないために捨てるのだ。

不思議なもので、人間の心理として要らないものが溢れていると、またさらに要らないものを増やしてしまう。必要なものと不要なものが混在していて、頭の中も整理がついていないせいもあるけど、汚れた場所には平気でゴミが捨てられるというのと同じ心理。そういう生活をやめるためにこそ、一度思い切って捨てる。不要なものがない生活をしていると、もう不要なものを増やしたくなくなる。そういう清々しい生活を始めるためにこそ、思い切って捨てよう。捨てることに思い切りが生まれる、今がチャンスである!

さいとう・かおる
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイスト。多数の連載エッセーを持つ他、美容記事の企画、化粧品開発・アドバイザーなど幅広く活躍中。『“一生美人”力』ほか著書多数。Yahoo!ニュース「個人」でコラム執筆中。