Beauty
2020.05.18

齋藤薫の美しい歳の重ね方
自粛生活で変わりゆく人間関係。
沈黙が増えたら、険悪になったら、いっそ議論を始めよう

何か大変な出来事が起こると、これまで隠されていたことが良くも悪くも明るみに出る。精神面も同様。日頃は眠っている正義感や、形にしにくい社会性、世の中を俯瞰して見る客観性、そういうものの有無が一度に問われる気がするのだ。だからコロナ禍にまつわる自粛生活も、人と人との関わりで今まで気づかずにいたことをさまざまに露呈させている。

家族単位ですら一人一人に隠れていた性格に加え、意外な関係性、改めての相性までを明らかにした。閉ざされた空間と一緒にいる時間の長さは、距離を縮めたり、逆に遠ざけたり。家族間に思いがけないベクトルをもたらすはずなのだ。もちろんより良い関係が生まれればいいけれど、険悪な空気が生まれがち。また意外だけれど、一人暮らしでも友人同士リモート飲み会の回数を重ねるうちに、いつもとは違う空気感に、話題がなくなったり、妙に気持ちがすれ違ったりするような問題が起きていると言われる。

そこでお勧めしたいのが、じつはディスカッション。まず家族同士「おはよう」や「ありがとう」をきちんと言うのももちろん大事。でもこういう時こそ、夫婦で、家族全員で、今、世の中で起きていることへの意見を述べ合う時間を持つべきなのではないか? 自粛生活の無為な時間と心の隙間にストレスが生まれると、お互い別々のストレスをぶつけ合うから喧嘩になる。そうではなくて余ったエネルギーを議論に使うのだ。それこそコロナ対策について。学校の9月入学案について。地球の未来について。自分たちのことではなく世の中のことを話し合う。話が盛り上がり、意見を戦わせた時、きっと家族ってやっぱりいいなと思うはず。意見の交換が、お互いを尊重し合うことになるからだ。恋人同士は、お互いのことを話し尽くしてしまうと、急に相手への興味を失い、一緒にいる時間をつまらなく感じるという。でも両者に、世の中の問題をテーマに様々に会話できる知性があると、お互いを飽きることがない。家族も一緒。いやここは、友人同士のリモート飲み会も一緒。テンションが下がったり沈黙が多くなったら、議論を始める。お互いの価値観を見せ合うことで、自ずと関係が深まるはずだから。世の中をテーマに意見を交わす時、一人ひとりの存在が際立ち、相手を改めて尊敬したり見直したり好きになったり、そうした温もりある人間関係が生まれるはずだから。幸い今は、コロナに打ち勝つというテーマを共有できる。意見は違っても1つになれる。そういう今こそ議論のチャンス。誰もが大きな視野で社会を見られるようになっている今こそ、お互いを高め合う良い機会なのではないだろうか。

“笑うこと”もセルフケアになるとか。
だから、私、齋藤薫の笑いのツボを公開!!

1 ペットと赤ちゃんが絡むYouTube映像

大人のおもしろ映像のように、笑わせるために作り込んでいない、ありのままだからこそおもしろさも可愛さも2倍。可愛すぎて笑える、という時が人間いちばん幸せを感じる。

2 せやろがいおじさん

世の中の理不尽に対するツッコミを、沖縄の美しい景色をバックに一人叫ぶ、赤いふんどしの“せやろがいおじさん”。1本が3分程度、テンポの良い関西弁で問題の本質を突く内容は超絶おもしろくためになる。議論のテーマ探しにも是非!

齋藤 薫 さん

さいとう・かおる 女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイスト。多数の連載エッセーを持つ他、美容記事の企画、化粧品開発・アドバイザーなど幅広く活躍中。『“一生美人”力』ほか著書多数。Yahoo!ニュース「個人」でコラム執筆中。