齋藤薫の美しい歳の重ね方
巣ごもりから、出社へ、外出へ!
でも、なんだか憂鬱(ゆううつ)な人に
聞いてほしい嫌でも外出意欲を生む方法
「強制出社」という、今まで聞いたことのないワードを、にわかに耳にするようになった。言うまでもなく、リモートワークを推奨してきた企業が一転、出社を義務付ける動きがあるのだ。もちろんここは賛否両論、悲喜こもごも。リモートを続けたいという声あり、もう巣ごもりはイヤという声あり。
もう元の社会には戻らない、戻してはいけないと言う声がありながらも、やっぱり出社ばかりは例外なのか。せめて、自らチョイスが出来る社会になってほしいが、どちらにせよ、元気に外出できるモチベーションだけは、早いうちに取り戻さなければいけない。
そう、仕事ばかりじゃない。様々なコミュニティーや友人たちとの会食でも、いざリアルな集まり再開となると、長く家に居すぎたせいか、外出自体がもはや億劫(おっくう)になっていることに気づく人がいるのかもしれない。
そこで提案したいのは「新しい服を買うこと」。当たり前に聞こえるだろうが、その効果は科学的にも証明されている。服の買い物などで脳内から分泌される神経伝達物質ドーパミンが「やる気や幸福感につながる」とされるのだ。リモートワークに慣れてしまうと、仕事の意欲はあっても、会社に出かけていくのは別のエネルギーを要するだけに、通勤への意欲が萎(な)えている人が少なくない。通勤自体億劫だし時間の無駄だし……というネガティブな気持ちを背負って出かければ、仕事もうまく回らない。むしろここは前向きな心で出かけた方が人生効率が良いわけで。
一方で、職場の人間関係をストレスに感じてきて、長いリモートで少し心が休まった人も、ある種の覚悟と勇気を持って通勤に挑まなければならないわけで、気概や元気の源泉となるドーパミンで自分を立ち上がらせないといけない。やはり手っ取り早いのは服の買い物なのだ。もちろん買ったばかりの服はそれだけで人を輝かせるから、一石二鳥の提案と言えないか。
ただしドーパミンは、新しいこと、初めての体験にこそ脳が反応して分泌される快楽物質で、新しい服も数回着れば快楽も冷めてしまう。どれにしようかと悩んでいる時が一番大量に分泌される物質なので、せいぜいあれこれ悩んで決めて欲しい。とは言え、買ったばかりの服やバッグがしばらくの間、玄関で背中を押してくれるのは確か。まさに今の状況にこそ、ドーパミンを駆使してほしいのである。
齋藤 薫 さん
美容ジャーナリスト/エッセイスト

さいとう・かおる 女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイスト。多数の連載エッセーを持つ他、美容記事の企画、化粧品開発・アドバイザーなど幅広く活躍中。『“一生美人”力』ほか著書多数。Yahoo!ニュース「個人」でコラム執筆中。
