Beauty
2022.11.24

齋藤薫の美しい歳の重ね方
「もったいないから」「まだ着られそうだから」
未練たっぷり、いまだに決断できない服の手放し方

毎年この時期になると、今年こそは! と意気込むのが服の断捨離。いや意気込みながらも、一方で少し憂鬱(ゆううつ)になったりもする。結局は毎年挫折、以前試みたけれど失敗した、そういう人が少なくないはずだから。もちろん、いかにしたらモノが手放せるのか? そのテクニックや精神論は既に情報として溢(あふ)れているのに、それでも上手(うま)くいかない理由はやっぱり物への執着と、手放すためのエネルギー不足? だから自分なりの方法を考えた。

まず残す服の選択は、“心が湧き立つかどうか”的な抽象的な基準ではやっぱり決められない。似合うかどうか?もまだ抽象的。自分では正しい判断ができないからだ。そこで、私の場合はズバリ「痩せて見える服かどうか?」。基準が痩せて見えるか太って見えるかなら、鏡に映せば自ら判断できるはずで、1着1着、合格不合格と分けていくだけでいい。でもなぜ痩せて見える服? そもそも“着映えして見える服”とはどんな服か?をつき詰めていけば、それこそが私なら、“着やせする服”。じつはそういう服って、痩せたとしても痩せ過ぎにみせず、ともかくスタイルを良く見せてくれる。自分をキレイに見せてくれない服なら、全く未練なく手放せるはずである。

5年着ていない服はもう着ないという基準もあるけれど、じつはそこにもつながる話。残念ながら年齢とともにスタイルよく見える服の数は減っていく。ところが私たち、どうしてもその現実を忘れがちで、昔それを買った時のイメージそのままに、服を取捨選択しようとしている。それだけに、今の自分を太って見せる服にも未練を持ってしまい、服の断捨離を悩ましくしているのだ。

だから服の整理は、面倒でもいちいち着てみて。服ばかりはいくら高価なものでも財産にはならない。自分がどう見えるか、それが全てであることを改めて思い知ろう。自分が美しく見えない美しい服を、「もったいないから」と残しておくことが人生を重くしていくのだから。いや着ない服を残しておく方がよほどもったいない。捨てるのではなく、フリマアプリやネットオークション等で生かそうと思えば、手放すエネルギーがより増す。そして心が晴れ晴れする。それでこそ断捨離!

齋藤 薫 さん
美容ジャーナリスト/エッセイスト

さいとう・かおる 女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイスト。多数の連載エッセーを持つ他、美容記事の企画、化粧品開発・アドバイザーなど幅広く活躍中。最新刊『“一生美人”力セカンドステージ──63の気づき』(朝日新聞出版)ほか著書多数。