Recipe
2017.03.09
コウケンテツの“アジアの台所から”
[ウズベキスタン]憧れとリアル
(料理:コウケンテツ/撮影:キッチンミノル)
「しっかり押さえておけよ」。ラヒームはそう言って、ぼくが世話してかわいがっていた子羊の首にナイフをそっとあてがった……。
ウズベキスタンの南東部、カシュカダリヤ州はグザル。砂漠の町の羊飼いの仕事は、憧れていたかのアルプスのそれとは著しくかけ離れていた。激しく舞い上がる砂埃(すなぼこり)のせいで、5分もしないうちに毛という毛がまっ白になり、乾燥と照りつける太陽の熱が容赦なく気力と体力を奪う……。
ラヒームはまるで指揮者のように優雅にナイフを躍らせ、羊をあっという間に解体していく。命の重みとは? 働くとは? 生きるとは?
いや、そういうことは、今は、考えないでおこう……。とにかくこのスパイスの利いたタンドールケバブは、世界最高の肉料理で、ウォッカはちびちび飲まずに一気に飲み干すべし!
これが現地の男達にとっての唯一無二のリアルなんだ。
タンドールケバブ
作り方(2~3人分)
- 塩大さじ1、にんにくのすりおろし1片分、水1カップを合わせ混ぜ、骨付きラム肉5~8本に手でもみ込む。
- クミンシードとコリアンダーシード各大さじ2ほどを潰して混ぜ合わせ、サラダ油大さじ2~3とともに1のラム肉にまぶす。
- フライパンにサラダ油大さじ2~3を熱し、2の両面をこんがりと焼く。取り出して少し置いてなじませ、器に盛る。

コウケンテツ
大阪府出身。テレビ、雑誌、講演会など多方面で活躍中。2児の父でもあり、親子の食育、男性の家事・育児参加、食を通してのコミュニケーションを広げる活動に尽力。
