Recipe
2017.06.08

コウケンテツの“アジアの台所から”
[韓国・済州島]香りの記憶

(料理:コウケンテツ/撮影:キッチンミノル)

その店はすごく小さかった。脚がガタついているテーブルがふたつと、4人座るとかなり窮屈な小上がりがあるだけのお店。そこに吸い寄せられるように足を運んだのは、懐かしい香りを感じたからだ。

モン(ホンダワラ)だ! 思わずそう叫んだぼくに、お店のおばあちゃんは、かなり強い済州島なまりで、「食べてく?食べない?どっち!?」。もちろんいただきますよー。モンの独特の馨(かぐわ)しい磯の香りと、豚肉のうまみが絶妙なハーモニーを醸しだすこのスープをひと口すすったとき。子ども時代の記憶が一気に頭を駆け巡った。

モンクッはぼくのおばあちゃんの、母の、そしてぼくのルーツそのものだったんだ。

モンクッ(ホンダワラのスープ)

作り方(2~3人分)

  1. 昆布5~6cm四方は水3カップにつけて30分ほどおく。白菜80gは横に細切りにする。豚バラブロック肉200gは2cm幅の棒状に切って塩、コショウ各適宜をする。
  2. 鍋にごま油大さじ1を熱し、1の豚バラ肉、にんにく2片の薄切りを炒める。肉の色が変わったら、酒1/2カップを加えて煮立たせ、1の昆布をつけておいた水と白菜を加えてひと煮立ちさせて、しょうゆとみりん各小さじ1を加えて弱めの中火で10分ほど煮る。
  3. ひじき(乾燥ひじき7gを湯につけて戻し、水けをきる)を2に入れてひと煮立ちさせ、塩、粗挽(あらび)き黒こしょう各適宜で味を調える。
  4. 器に盛り、青ねぎの斜め切り1本分、白いりごまと粉唐辛子各適量をのせる。

コウケンテツ
大阪府出身。テレビ、雑誌、講演会など多方面で活躍中。2児の父でもあり、親子の食育、男性の家事・育児参加、食を通してのコミュニケーションを広げる活動に尽力。