Recipe
2018.03.15

コウケンテツの“アジアの台所から”
[フィリピン]コーヒー豆じゃないコーヒー

ひたすらひたすら弱火でインディカ米を煎る。たっぷりの砂糖を入れて飲む。

使い古された陶器のマグカップになみなみと注がれた深い濃褐色の液体は、まさにコーヒーそのもの。しかし、ゆらゆらと立ちのぼる湯気の香りを嗅(か)ぐと、その正体がはっきりと分かった。

マニラから車で北へ4時間。ヌエヴァ・エシハ州はフィリピン有数の米どころ。この地域では道路に直接、籾(もみ)を蒔(ま)いて天日干しにする習慣がある。「日光とアスファルトの熱で乾燥させているのよ」と、その籾を育てた田んぼの持ち主のアナベラさんが教えてくれた。フィリピンのお米事情を根掘り葉掘り聞く僕に、じゃあ、コーヒーでもどう? と目の前の自宅に招待してくれた。これで作るのよ、と見せてくれたのは精米したお米。えっ??お米で作るの!?

鉄のフライパンで、お米をひたすら丁寧に混ぜながら焦げる直前まで煎(い)ると、独特の香りが、不思議とコーヒー豆に近づいていってる?そのあとじっくり煮出したものが自家製「ライスコーヒー」だ。たっぷりの砂糖でいただいた。

ずずず~っとすすると深煎りのお米の香ばしさが鼻に抜ける。コーヒー通からするとちょいと物足りない味かもしれないが、お米の産地だからこそ発明された、ここならではのこのコーヒーになんだか懐かしさも感じたのは、やはり同じ米文化の人間だからかな?

ライスコーヒー

材料(1回に作りやすい分量)

  • インディカ米(ジャスミンライスなど)…1カップ半
  • 水…500ml
  • 砂糖…たっぷり

作り方

  1. 鉄鍋でじっくりお米を煎る。濃い茶色になってきたら、水を注ぎ入れて、2/3量くらいになるまで煮詰める。
  2. 1を漉してティーカップに注ぎ、砂糖を加えて飲む。

(料理:コウケンテツ/撮影:キッチンミノル)

コウケンテツ
大阪府出身。テレビ、雑誌、講演会など多方面で活躍中。3児の父でもあり、親子の食育、男性の家事・育児参加、食を通してのコミュニケーションを広げる活動に尽力。