Recipe
2018.11.07
コウケンテツの“アジアの台所から”
[台南]酒と砂糖と自家製ラード
アスパラと豚の背脂に加えて卵。三位一体のおいしさ。
台南市将軍区はグリーンアスパラの産地だ。ここのものは太く長く、鮮やかな緑色をしている。生のままでパリッとかじると、水分が弾け飛ぶ。甘み、香りともに申し分ない。地元の生産者の黄許盡(おうきょじん)さんという、往年のジャイアンツファンの方なら嬉し泣きしそうな有難いお名前の元気な88歳のおばあちゃんに手ほどきいただいた。大量の豚の背脂を大きな中華鍋でしばらく加熱すると、金色のオイルと油かすに分かれる。それを濾(こ)したものが主役の自家製ラード。ニンニク、フレッシュなアスパラを出来立てのラードでさっと炒める。高火力で炒めると、素材は鍋中で踊り暴れる。なんだこの香りは!? 油が違うと香りの質も変わる!そこになんと油かすを投入。この油かすがまるで唐揚げのようなおいしさ。「昔はよくこれを食べたのよ。今の若い人は全然食べないから、みんな元気がないのよ」。仕上げにふわふわの炒り卵、砂糖で旨味(うまみ)をプラスし、塩で味付けするだけ。伝統的な台南料理に甘味は絶必。「毎晩飲むコウリャン酒、旨味の砂糖、あとはこのラードが健康の秘訣よ!」。日本では不健康の源とされてますけど……。台南式健康法に1票だな!
グリーンアスパラのラード炒め
材料(1回に作りやすい分量)
- 豚の背脂(適宜に切る)…200g
- ニンニク…2片
- アスパラ…12本
- 塩、砂糖…各適宜
- 卵…2個
作り方
- フライパンで豚の背脂を、脂が出てきてカリカリ(油かす)になるまで加熱する。油かすは油を切っておく。脂分(ラード)は漉しておく。
- フライパンを一度きれいにし、1のラード大さじ2を熱し、ニンニクをさっと炒める。食べやすく切ったグリーンアスパラ、1の油かすを加えて炒め合わせ、塩、砂糖で調味する。
- 炒り卵を加えてさっと混ぜたら完成。
※酒の肴にも、ごはんのおかずにも合う。
(料理:コウケンテツ/撮影:キッチンミノル)

コウケンテツ
大阪府出身。テレビ、雑誌、講演会など多方面で活躍中。3児の父でもあり、親子の食育、男性の家事・育児参加、食を通してのコミュニケーションを広げる活動に尽力。
