Recipe
2019.03.17
コウケンテツの“アジアの台所から”
[ネパール]鉄のルール
ネパールの定番料理「チャウ コ タルカリ」(きのこのスパイス煮)は白米にも合う。
「すまないが、君をキッチンに入れる訳にはいかないんだよ」。仕事を引退して、今はキノコと野菜づくりと料理に生きがいを見出しているというマドゥアンさんは申し訳なさそうに、というよりはむしろ威厳を持ってそう私に言った。
「な、なぜ??」想定外の出来事に戸惑う私に、「バフン(ブラーマン)にとってキッチンは神聖な領域だから我々以外が立ち入るのは絶対ダメ!」と説明してくれた。バフンとはネパールのカーストで、インドでいうバラモンに当たるといわれている。「でもせっかくわざわざ来てくれたのだから、今日は外で料理しましょう」、と素敵な提案もしてくれた。
しかし!喜んだのもつかの間、「ここに線を引くから、入ったらダメだよ。そこから見るだけね」。まじか!
アジアに行くと日本の常識が通用しないことも多く、そんなことはとうに織り込み済みの私なのだが……これには驚いた。うろたえる日本から来た料理人をよそに、手際よく自家製のハウスで栽培したキノコを裂いていく。「どうだ!裂くと香りがいいだろ!スパイスともよく合うんだよ」と白髪を振り乱しながら力説するマドゥアンさん。その芳しいであろう香りは私の鼻まで届かないが、キノコを裂く技だけは有難く頂戴した。
チャウ コ タルカリ(きのこのスパイス煮)
材料(2人分)
- しめじ、エリンギ、舞茸…各1パック
- 赤唐辛子…2本
- トマト…2個
- 香菜…約1袋
- ターメリック…大さじ1
- クミンパウダー…大さじ1
- 塩…小さじ1
- サラダ油…適宜
作り方
- きのこは食べやすく手で割く。鍋にサラダ油を多めに熱し、赤唐辛子、きのこを炒める。
- ターメリックを加えて炒め合わせる。塩、刻んだトマト、クミンパウダーを加えて煮る。
- 仕上げに刻んだ香菜を加え混ぜる。
(料理:コウケンテツ/撮影:キッチンミノル)

コウケンテツ
大阪府出身。テレビ、雑誌、講演会など多方面で活躍中。3児の父でもあり、親子の食育、男性の家事・育児参加、食を通してのコミュニケーションを広げる活動に尽力。
