コウケンテツの“食は人なり 出会いなり”
お好み焼き&ごはん問題……
ついに終結へ
どうして関西の人はお好み焼きとごはんを一緒に食べるの? と大阪出身の私はよく聞かれてきた。それが飲みの席ならば、「そんなもん、うまいからに決まっとるやないか」とか「ごはんも小麦粉もおんなじ炭水化物やから、仲間外れにしたら可哀想や」などと、意味の分からないその場しのぎの回答をしてきたのだけど、問題はオフィシャルな場で料理研究家としての公式見解を求められた時だ。
去年、お好み焼きの取材で帰郷した。梅田のど真ん中の老舗の超有名店「美舟」さんは言う。「うちのは粉もんやない。キャベツもんや。キャベツの良さを活かさなあかん。あとは先代の味に手を加えんことやな」。ねぎ焼きの超名店「やまもと」さんは言う。「お母ちゃんの賄いやったんよ。お店を切り盛りしながら7人も育ててくれて。これがホンマに美味しくて」。モダン焼きの発祥と言われる神戸の「志ば多」さんは言う。「ここは労働者が多いさかい。おばあちゃんがお腹空かせたお客さんに頼まれて、焼うどんをのせたんや」。時の移ろいに左右されることなく、特有の地域性に基づいたルーツである味がしっかり守られている。
考えてみれば、私の子どもの頃、小さな家に6人家族で暮らしていた。みんなで焼いて食べるお好み焼きの日が楽しみだったなぁ。ほんとにたっぷりのキャベツに水と小麦粉を溶いただけのもの。卵はたった1〜2個。それを何枚も何枚も焼いてたっぷりソースをかけ、ホカホカのごはんにのっけてガツガツかきこむ。最高にうまかった。そんな日は必ず月末で、父の給料日前だった。ごはんに合うかどうかなんて問題じゃない。家族でワイワイ楽しくお腹いっぱいにする。
関西人にとってお好み焼きは最大のエンターテインメントであり、自分のルーツや生き方を語る上で欠かせない、大切な大切なソウルフードなのだ。
キャベツだけのお好み焼き
材料(2枚分)
- キャベツ(かなり粗いみじん切り)…100g
- サラダ油、削り節、青のり、お好み焼きソース…各適宜
<生地>
- 小麦粉…100g
- 水…3/4カップ
- 塩、しょうゆ…各小さじ1/2
- 卵…2個
- 塩…少々
作り方
- ボウルに生地の材料を入れて、スプーンでふんわりと泡立てるように混ぜる。
- 1を2つに分けてそれぞれ小さ目のボウルに入れ、キャベツ、卵を1個ずつのせ、スプーンで混ぜる。
- フライパンにサラダ油大さじ1を中火で熱し、2を1枚分、流し入れる。縁がこんがりとしてきたら裏返し、弱火でじっくり10分ほど焼く。裏返し、サラダ油を周囲に回しかけてさらに10分ほどじっくりこんがりと焼く。
- 表面にソースを塗って、かつお節、青のりをちらす。
※とにかく、弱火でじっくりと焼いて、キャベツの甘みや旨みを出すこと。途中で押したりしないこと。
(料理:コウケンテツ/撮影:在本彌生)

コウケンテツ
大阪府出身。テレビ、雑誌、講演会など多方面で活躍中。3児の父でもあり、親子の食育、男性の家事・育児参加、食を通してのコミュニケーションを広げる活動に尽力。
