コウケンテツの“食は人なり 出会いなり”
青春の味、生涯の味。
魚入り、辛いラーメン雑炊
韓国は忠清南道・礼山(イェサン)には、国内最大の貯水池の礼唐湖がある。エビやフナ以外にも、固有種が多く生息している豊かな池。湖に寄り添うようにあるのが、タッサンテフン食堂。
店主のおやっさんは言う。「これは60歳以上のおじさん世代の食べ物さ」。地元の野菜、目の前の湖のフナ。付け合わせのパンチャン、キムチ、コチュジャンなどはすべて自家製。それ故、スローフードの盛り上がりと共に、都会の若者にも知られるようになり、週末には多くの観光客で賑わう。
うん!魚の臭みもなくうまい!一見するとジャンクだけどどこか滋味あふれる味わいがするのは、良い素材、丁寧な下処理の証だな。あれ?お粥なのに麺も入っている。「そのほうが腹が膨れるだろ?」と店主。食料が乏しく米が貴重だった時に、お腹いっぱいになるように、みんな麺を入れて食していたということだ。
そういえば我が家でも……。土日のお昼は、前の晩の残りのチゲにご飯、麺を入れてグツグツ煮る。お粥かラーメンかどっちかにしようよ!という子どもたちのクレームを笑い飛ばし、この熱々のラーメン粥を汗をかきかき、かき込むように食べていた我が父の姿をなぜか思い出した。
父は不遇な子ども〜青春時代を送ったらしい。いろんなところを転々とさせられたらしく、空腹と愛情に飢えた日々を過ごしていたと。
後に独力で小さな工場を立ち上げ、ある程度不自由ない暮らしになっても、“おじさん世代の食べ物”を生涯こよなく愛した。でもやっぱりお粥かラーメンかどっちかにしたいな、わたしは(笑)。
魚入り、辛いラーメン雑炊
<材料>(2人分)
- キムチ…100g
- だし昆布を入れて数分置いた水…4カップほど
- タラの切り身…2切れ
- インスタントラーメン(乾麺)…2人分
- あたたかいごはん…茶碗1杯分
- わけぎ(斜め薄切り)…適量
- 粉唐辛子…適宜
- 白いりごま、ごま油…各小さじ1
- 卵黄(好みで)…2個
- 塩…適量
<A>
- コチュジャン、しょうゆ…各大さじ1・1/2
- 酒…大さじ2
<作り方>
- 鍋にごま油を熱し、キムチをさっと炒める。A、昆布水を加えてひと煮たちさせ、タラの切り身を加えて3~4分煮る。
- インスタントラーメンを割り入れ、3分ほど煮たら、温かいごはんを加えてひと煮する。塩で味をととのえ、器に盛る。
- 斜め薄切りのわけぎ、粉唐辛子、白いりごまをちらす。好みで卵黄をのせ、混ぜながら食べる。
(料理:コウケンテツ/撮影:在本彌生)

コウケンテツ
大阪府出身。テレビ、雑誌、講演会など多方面で活躍中。3児の父でもあり、親子の食育、男性の家事・育児参加、食を通してのコミュニケーションを広げる活動に尽力。
